2013/2/28

オエッの科学  親子・家族


 アメリカで「Tシャツ合コン」とかいう催しが行われたと、テレビで放送していました。参加資格はないのですが、三日間着続けたTシャツを持参するのがルールなのだそうです。それをビニル袋に入れ、参加者は匂いだけで相手を決めてお互いを紹介しあうというのです。主催者によれば体臭というのは決定的な要素で、これが合わないとうまく行かないのだそうです。

 この「体臭による相性」という実験は2年ほど前のNHK「ためしてガッテン」でもあって、非常に興味深かったことを記憶しています。

 一般に他人の体臭なんてどんな場合も「オエッ」という気がしますが、実はそうでもないのです。同じシャツに対してAさんは「オエッ」なのに、別のBさんは「私、これ悪くない」とか言って平気で嗅いでいるのです。「むしろ好きだ」という人まで出てきます。
 その違いは何かというと遺伝子レベルの問題で、遺伝子的に近い人ほど「オエッ」となるのだそうです。遺伝子的に遠い関係だと、「私、悪くない」「この匂い好き」ということになっていきます。

 これは日常においても観察されることで、よく思春期になった女の子が父親を避けはじめるとか、洗濯物を一緒にされるのを嫌がるとか、果ては父親の衣類を箸でつまんで洗濯機に投げこむとか、小さなころから慈しんで育ててきた父親としては耐えられないような話がいくらでもあります。

 これは基本的に生殖能力を身につけた女の子が近親相姦を避けるための生物学的な知恵なのだと、番組ではそう説明します。母親と息子の間でそういうことがないのは、息子は襲われる心配がないからなのか、とツッコミも入れたくなるところですが、分からない話ではありません。

 先のアメリカの「Tシャツ合コン」にしても、遺伝子的にできるだけ遠い者同士が一緒になれば、それだけ人類の多様性は増し、その分、人類は生き残れるチャンスが増える、とも考えられます。

 先日、聞いたゴリラの家族の話の核心もその問題でした。

 ひとつの小さな群れの中に、性的関係を絶対に許されない組み合わせ(親子・兄弟・姉妹)と独占的に許された組み合わせ(夫婦)が同時に存在し、しかも混乱しない、それが家族なのだと。基本的には非常にうまく行っている。しかしなぜそれが可能になったのか。

――体臭の問題はその一つの答えかも知れませんが、他にもあるのかもしれません。調べてみたい興味ある話です。


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2013/2/27

妖精小人の話と天空の城〜ジブリA  知識


 1月に「ホビット 思いがけない冒険」という映画を見ながら思ったことですが、アメリカ映画にはしばしば小人症の俳優さんが出てきます。おそらく相当な数の人たちが俳優やコメディアンとして芸能の世界にいるのです。ところでアメリカ人の目に、彼らはどんなふうに映っているのでしょう。
 一寸法師を除くと日本の文化に“妖精小人”という存在はありません。だからなのかもしれませんが、白木みのるさん以降、この国にそうした芸能人は見かけません。それがいいことなのか悪いことなのかは別として。


 さてそうした現実の話ではなく、ファンタジーの世界では3種類の小人族がいます。ひとつは映画「ロード・オブ・ザ・リング」ですっかり有名になったホビット小人。身長60〜120cmで、やや尖った耳と、毛に覆われた大きな足を持つ種族です。

 二番目がドワーフ小人。「ロード・オブ・ザ・リング」にも出てきますが、身長140cmほどの大酒飲みで、手先が器用で鉱夫あるいは細工師や鍛冶屋が主な職業とされています。
 ディズニー映画の「白雪姫」は原題を"Snow White and the Seven Dwarfs"と言いますが、あの小人たちです。屈強な戦士というイメージもいつもついて回ります。

 そして三つ目の小人種族が「ガリヴァー旅行記」に出てくるリリパット小人、身長15cmほどです。誰でも知っている小人族ですから説明の必要はないでしょう。

 私は「ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)」は読んだことがありますが、「ガリヴァー旅行記」の方はまだです。本は持っているのですが何しろ「18世紀最大の風刺文学」とか言われて敷居が高いのです。風刺ですから“元ネタ”の方に知識がないと楽しめないという思い込みがあります。
 特に第4話の「馬の国」の話は哲学的にも深い意味があるとか言われていますからずっと気になっていますが、いまだに手が出ません。ただしいつかは読んでみようと思っています。

「ガリヴァー旅行記」の第一話は小人国リリパットの話、第二話が巨人国の話、ここまでは誰でも知っています。しかしその第三話が空を飛ぶ巨大な島「ラピュタ」の話だということは、ジブリが「天空の城ラピュタ」を制作するまで、あまり知られていないことでした。「ガリバー旅行記」では科学者であり圧政者でもある執政官たちが住まう島らしいのですが、ジブリ映画とは何のかかわりもないみたいです。

「天空の城ラピュタ」も実は私の好きな映画の中に入ってきません。よく分からないのです。
 ただ挿入歌は好きで、映画よりも先に杉並児童合唱団のコンサートで聞いて以来、最も好きな曲の一つになっています。
 まだ上の子が生まれたばかりのことだったので、歌詞にもこころ動かされました。

「父さんが残した 熱い想い 母さんがくれた あのまなざし」

 そうだよな、父親が残すべきは人生への熱い想いだよな、
―ずっとそう思いながら、子どもを育ててきました。

 その子ももう23歳。映画は27年前のことになります。



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2013/2/26

ナポレオンの帰還  知識


 今日2月26日は2・26事件の起こった日です(1936)。2・26は専門に勉強したことがあるのでひとこと言いたいのですが、今日はやめておきます。ただし一つだけ、
 日本では有名なテロルはいずれも雪の中で起こっています。2・26事件、赤穂浪士の討ち入り(1703)、そして桜田門外の変(1860)、先日「八重の桜」を見ているうちに思い出しました。

 それとは別に、歴史年表を見ていたら2月26日はナポレオンボナパルトがエルバ島を脱出した日でもあるそうです(1815)。

 1812年、ナポレオンがロシア遠征に失敗するとプロセインを始めとする反フランス連合は反撃を開始。1814年ついにパリを占拠し、皇帝ナポレオンは退位してエルバ島に流されます。
 ところがそのあと始まった戦後処理の「ウィーン会議」は各国の利害が対立し、「会議は踊る、されど進まず」で有名になるくらい、全く何も決められないのです。そうこうしているうちにナポレオンはエルバ島を脱出し、パリに向けて進軍しはじめます。
 それが1815年2月26日なのです。

 その知らせは3月に入ってパリに伝えられ、以後、新聞はナポレオンの動向を次のように伝えます。

3月9日 人食いがそのねぐらを出た。

――10日 コルシカの鬼がまさにジュアン岬に上陸した。

――11日 虎がギャップに到着。

――12日 怪物がグルノーブルで一泊した。

――13日 暴君がリヨンを通過。

――14日 簒奪者はディジョンへ向かったが、勇敢で忠良なるブルグンドの人々が一斉に立ち上がり彼をあらゆる方向から包囲した。

――18日 ブオナパルテは首都から60リュー以内にいる。彼は追撃者の手をうまく振り切った。

――19日 ボナパルトは大きく前進しているが、パリに入ることは決してないだろう。

――20日 ナポレオンは明日には我らの城壁下に現れるだろう。

――21日 皇帝はフォンテーヌブローにいる。

――22日 皇帝陛下は昨晩、献身的で忠実な人々の歓呼の中、テュイルリー宮に入城した。


 これはけっこう有名な話で、社会科の教材に使ったりします。
 一説には当時の官製新聞「ル・モニトゥール」の見出しということになっていますが、当時のパリの新聞はすべて検閲を受けていますから、新聞の見出しに表れる怯えは新聞社と言うより検閲官のものだったに違いありません。検閲官といえば公務員ですからこうならざるをえません。メディアなんてその程度のものだと、そういう言い方もできます。



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2013/2/25

ジブリ@  教育・学校・教師


 わけあって久しぶりにDVDで「千と千尋の神隠し」を見ました。
 ジブリの映画はほとんどの場合、中に環境問題や差別に関する強いメッセージが入っていて、それさえなければもっと楽しめるのにといつも思うのですが・・・。しかしそれにしてもよくできた話ではあります。

 私は「千と千尋〜」では二つのキャラクター―後半で千尋と旅に出る、“坊”と“カオナシ”が気に入っています。
「オンモに出ると悪い病気になっちゃうよ」とか言われ、室内で膨大なおもちゃに囲まれて育つ“坊”。わがままで身勝手で、身体はぶくぶくに成長しながら一人で歩くこともできない。それは私たちが知っている子どもの一つのタイプです。
 
 もう一つキャラクター・・・。
 友だちがいない、気に入った人がいてもどう声をかけたらいいのかわからない。ちょっと優しくするとすがりつく、物で人を釣る。思い通りにならないと暴れる―そんな“カオナシ”は、これも私たちのよく知るところです。

“坊”は銭婆の魔法によって小さなネズミにさせられ、“カオナシ”は千に与えられた薬でおとなしくさせられた後、千とともに銭婆の家までの旅に出ます。
 ネズミになった“坊”は、これも魔法で小さな羽虫にさせられた“湯バード”に終始吊るされて旅をするのですが、銭婆の村に近づくと自分で歩く男気を見せます。
 銭婆の家ではやたら元気よく走り回って遊んだ後、銭婆の糸車を回す仕事をさせられ、その横でカオナシは糸紡ぎを学びます。続いて銭婆と“坊”と“カオナシ”の三人は千尋の髪を結う紐を編みます(おそらくその紐のおかげで千尋は最後の謎を解くことになるのですが)。

“カオナシ”は銭婆に「お前はここにお残り。手伝ってもらうことがある」、そう言われてその場に留まり、“坊”は油屋に戻って立派に成長した姿を湯婆婆に見せます。

“カオナシ”のような子には技術を身に着けさせた上で場を与え、“坊”のような子には極限まで肥大した欲望をダウンサイジングしてから外気に触れさせ、遊ばせ、運動をさせ、教育のしなおしをしてから元に戻す・・・そういうことかなとも思います。確かにそれが一つの方法ではあります。

 もっとも、映画では荒ぶる“カオナシ”をクールダウンさせたのも、肥大しつくした“坊”の欲望を小さくしたのも、魔法の力です。
 私たちはそれとは違った方法で同じことを果たさなければならないのです。

 もちろん、多くの先生たちが今日までに果たしてきたことですから、私たちにもできないはずはないのですが・・・。



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2013/2/22

忘れてはいけない  教育・学校・教師

 2004年11月に起ったいわゆる「奈良小1女児殺害事件」の犯人である小林薫死刑囚の刑が執行されたそうです。許しがたい誘拐殺人ですので同情の気持ちはありません。

 奈良の事件のちょうど1年余りのち、今度は広島で小学校1年生の女の子がペルー人の男に殺されるという事件が発生しました。さらにその翌月、今度は栃木県の小1女児が下校途中に行方不明になり、翌日茨城県で他殺死体となって発見されるという事件が発生します(未解決)。

 奈良の事件のときはさほどではありませんでしたが、一年余りの間に小1の女の子ばかり3件も襲われたことで、一種のパニックが全国的に広がります。
 学校職員が朝夕のパトロールに出たり集団登下校が始まったり、そして地域の「見守り隊」が続々とつくられたのもこの時期のことです。当時私が勤めていたのは山の中の学校でしたが、不審者どころか人間自体がいない山の田圃道を、車で何回も往復したことを覚えています。
(この時つくられた制度のいくつかは、今は学校の重荷となっています。 “連続”という意味ではあれ以来大きな誘拐殺人は起っていません。しかし「事件が起こっていないからそろそろやめていい」のか、それとも「一見むなしいと思えるような地道な活動を続けているから起こらない」のか、そのあたりは微妙なでのやめるわけにはいきません)

 また、そのころから誘拐を恐れて子どもに携帯電話を持たせようとする保護者が出てきました。基本的に子どもが携帯を持って良いことはありません。連絡がつきやすいので親が楽をできるという、それくらいのことです。逆に携帯を持たせたばかりに犯罪に巻き込まれた例は枚挙にいとまがありません。子どもを大きく一歩、犯罪の側に押しやるだけです。
 しかし持たせたい親はどうしても持たせたく、持ちたい子どもはどうしても持ちたいのです。これとどう戦っていくか。クラスで2〜3人に許せば、10人〜20人はあっという間です。

 誘拐を恐れて子どもに携帯を渡したがる親は大切なことを忘れています。それは奈良の被害者がGPS付の携帯電話を持っていたということです。
 子どもが行方不明になったあと、しばらくして母親は「娘はもらった」というメッセージとともに、その携帯で撮られた娘の遺体写真を送りつけられます。さらにしばらくして「次は妹を狙う」と、被害者家族の心臓をえぐるようなメールと画像を送り続けるのです。携帯なんて、誘拐防止のためにはまったく役立たないのです。

 私たちの大切な児童を守るために、携帯など持たせないように親と戦わなければなりません。しかしどうしても心配だという親がいたら、警備保障会社の子ども向け端末でも紹介してあげればいいのです。これだとボタン一つで警備員が親よりも速く現場に駆けつけてくれます。
 初期費用7400円、月々900円〜2900円(親が子どもの居場所確認をする回数によって料金に差がある)。警備員の現場急行1回につき1万円。通話やメールはできませんが、使用料は普通の携帯を子どもに渡すより、はるかに安いはずです。(詳しくはセコムのサイトから)

「え?安否確認だけのためにそんなにお金は払えないって?
 ……お母さん、お嬢さんのこと心配じゃないんですか?」



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2013/2/21

なぜ、こうなんだろう〜学校に入り込む英語  教育・学校・教師


 大昔、今は亡き私の父が「なんで世の中、こうも片端、英語にしなけりゃならんのだ」と怒っていましたが、最近の私がそうです。学校に入り込む外国語が多すぎてついていけません。

 カウンセリングやコンピュータなど日本語に訳せないものは仕方ないにしても、「コンプライアンス」は「法令順守」ではなぜいけないのか、「説明責任」と書かずにわざわざ「アカウンタビリティ(説明責任)」と併記するのか、私にはさっぱり分かりません。そしてこれだけ面倒にしておいて「教師はコンプライアンスの意味も分からない」と言われてバカにされるのではかないません。

 さてそこで、今パッと思いつく「最近学校で使われる英語20選」。何も調べずに(略語は正式な言葉に直し)、すべて説明できる先生、いたら名乗り出てください。私から賞品を差し上げます。
(明治の日本人なら苦労して適切な訳語をつくり、安易に外国語を入れなかったものですが・・・)


【問題】
1)インクルーシブ教育  2)ALT  3) ADHD  4) LD  5 ) ADD  6)AS 
7)特別支援コーディネーター  8)メディア・リテラシー  9)ICT教育 10)学校マネジメント 
11)PDCAサイクル 12) NRT・CRT  13)キャリア教育  14)コミュニティ・スクール
15)学社融合フォーラム  16) NIE  17) グランドデザイン 18)ハラスメント 
19)教育バウチャー  20)PTSD



【答え】
1)Inclusive教育=障害の有無によらず、誰もが地域の学校で学べる教育制度。
2)Assistant Language Teacher=外国語指導助手。
3)Attention Deficit / Hyperactivity Disorder=注意欠陥多動性障害。
4)Learning Disordersまたは,Learning Disabilities=学習障害。
5)Attention Deficit Disorder=注意欠陥障害。
6)Asperger syndrome=アスペルガー症候群。
7)特別支援coordinator=発達障害者の支援をするための教育機関や医療機関との連携、相談窓口となる教員。
8)Media literacy=情報メディアを主体的に読み解いて必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力。
9)Information and Communication Technology教育=情報通信技術の教育
10)学校management=学校経営・学校運営。学校における組織マネジメント
11)PDCA cycle=Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことで業務を継続的に改善する手法。
12)Norm Referenced Test・Criterion Referenced Test=NRTは相対評価法、CRTは絶対評価法に基づく標準学力検査
13)career教育=望ましい職業観・勤労観及び職業に関する知識や技能を身につけさせるとともに、自己の個性を理解し、主体的に進路を選択する能力・態度を育てる教育。
14)Community School=地域住民に積極的にかかわってもらい運営の一部を任せる形態の学校。
15)学社融合forum(discussion)=学校教育と社会教育を融合させることを目的に開かれる出席者全員参加の討議。
16)NIE(Newspaper in Education《教育に新聞を》)=新聞を教材にして行う学習。
17)grand design=学校運営における全体構想。
18)harassment=いやがらせ。セクシャル(性的)ハラスメント、パワー(権力による)ハラスメント、アカデミック(大学における)ハラスメントなどがある。
19)教育voucher =学校教育に使用目的を限定した「クーポン」を直接支給することで、子どもが私立学校へ進学しやすくし、それとともに生徒獲得競争を促すことで教育の質全体を引き上げようとする政策。
20)Post traumatic stress disorder=心的外傷後ストレス障害。





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