2012/9/12

日本の学校  教育・学校・教師


 小学校の免許は通信教育で取りました。そのとき提出した図工のレポートのコメント欄に、担当者の感想としてこんなことが書いてありました。
「これではまるで、図工は心理療法ですね」
 皮肉とも揶揄とも取りませんでしたが、印象深く今も残っています。
 自分の書いたレポートを読み直すと、たしかにそんなふうに書いてあります。自分は図工の勉強をしながら、そんなふうに感じていたのだなと、コメントから改めて考え直しました。

 そういうことでレポートの評価は芳しいものではありませんでしたが、「心理療法」という図工の一面のことはいつも心の中にありました。そうした思いであたりを見回すと、世の中には私が感じたのと同じ図工の使い方をしている世界がいくらでもあるのです。
 例えば養老院やデイ・サービス・センター。お年寄りの集まるところには必ず図工作品があります。長期療養の病院や刑務所、児童福祉施設にも様々な作品が展示されています。町や村の文化祭にいっても、図工の範疇に属する作品はいくらでも見ることができます。機能回復や維持といった意味もあるでしょうが、ものをつくることを通して心の中に何かを実現しようとしているのです。
 そうした場所で図工作品以外に目につくのは書写、手芸、生け花、少し若い世代だと踊りとコーラス、そうしたものが定番です。こうしたものには癒し効果があるのです。心を穏やかにし、深い満足感をもたらすのです。

 日本の学校教育は、そう考えると非常にヒーリング的であることが分かります。
 学校が美術(図工)や音楽の時間をもち、文化祭をはじめ様々な行事を打ち続けるのは、それ自体が心理療法の要素をもっている、この点は重視しなければなりません。学校の先生たちが日本人の穏やかな心性をつくり続けているのです。

 3・11以来、日本人の心性が非常に見直されていますが、これを日本人のDNAのおかげだといった非科学的な話で済ませてはいけません。マスメディアの“専門家”たちは悪いことの犯人探しには熱心ですが、良いことの原因追求はいい加減です。

 諸外国(特に中国)の専門家たちは“それは日本の教育の成果だ”と言います。私もそう思っています。学校の様々な要素と教員たちの異常な努力がそれを果たしたのです。

 私は繰り返し繰り返し、そのことを社会に伝えて行こうと思ってます。



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