2012/9/4

魔がさす  教育・学校・教師


 先月末、日本IBMの元社長(63)が盗撮容疑で捕まったというニュースがありました。63歳と言えば分別盛りもとうに過ぎた年です。社会的地位も名声も金も十分にある、あとは静かにさえしていたら家族の歴史くらいには名を残せた人です。

 そう言えばこの夏、九州大学の教授(55)が2700円相当のスカーフを万引きしたという事件もありました。5月にはスーパーで計766円の食料品を万引きして懲戒免職となった大阪の教員(57)が、退職金の支給を求めた裁判で勝訴したといったこともありました。

 ずいぶん昔のことですが“ロス疑惑”で有名な三浦和義という人が、しばらく話題にならないなと思っていたら880円の雑誌の万引きで捕まって世間をあっと言わせたことがあります。その4年後にはコンビニで3600円相当のサプリメントを万引きしてまた捕まっています。

 三浦という人は根っからの犯罪者といった感じの人ですから別なのかもしれませんが、他の大学教授やら教員やら、日本IBMの元社長やらはなぜ突然そんなことをしたのでしょう。この人たちが常習の犯罪者であったはずはありません。その年齢まで一回もばれずに社会的地位を確保し続けるなどということは、およそ考えられないからです。なぜか知らないがある日突然、犯罪者となってしまった・・・。

“魔がさす”という言葉があります。「ふと悪い考えを起こす」といった意味です。しかしダイエット中に“魔がさして”甘いものを食べてしまったとか酔った勢いで“魔がさして”浮気してしまったというのと、万引きや盗撮は違います。前者が犯罪ではないのに対して、後者はすべてを失うからです。
 ところで犯罪に走る瞬間、その“魔がさした”人は何を考えているのでしょう。

 実験をしてみましょう。
 あなたが午後3時過ぎの銀行ATMの前に立ったとします。ふと見ると機械のすぐ横に、帯封をつけたままの一万円札の束が三つ置かれています。3時過ぎですから行員の目はありません。あたりを見回すと人の気配もありません。さてその時あなたはどうするか。

 それが私だったら、もちろん私は呼び出しボタンを押して銀行員に来てもらい、三百万円の札束が置きっぱなしになっている事を伝えます。それは確実なことであって絶対に自分の懐に入れたりしません。それは100%確実なことです。
 しかし同時にお金を見つけてからボタンを押すまでのそのわずかな瞬間、自分の心の中に生じたほんの一瞬の迷いを、私は見過ごすわけにはいかないでしょう。おそらく百万分の一秒ほどどうしようかと私は迷うのです。そしてその迷っている間中、私は銀行の防犯カメラのことも、置き忘れた人が戻ってくる可能性も、バレたらすべてを失うということも、自分の未来も退職金も家族のことも、一切考えることをしないのです。

 魔がさすというのはそういうことなのです。私は金銭には執着しない方ですから三百万円の魔には屈することはないでしょう。女性のスカートの中にも興味がありませんから盗撮もありません。しかし(その内容は絶対に人には言いませんが)やはり弱みはあります。その弱い部分で魔にさされたら、あるいは私の精神力が弱っていたら、今、確信に満ちている私だって人生の階段を大きく踏み誤るかもしれないのです。

 最初に挙げた例に戻れば、「還暦にもなって何を今さら」という話ではなく、もしかしたら「還暦に(またはそれに近く)なって人生に何の希望もなくなり、生きる張合いもなくなって心に空白が生まれたからこそ」その事件は起こったのかもしれません。
 その意味ではすべては正常な判断の中で起こったことではないのです。

 教員はやはり忙しすぎるのかもしれません。


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2012/9/3

9月になりました  教育・学校・教師


 日本では旧暦9月を長月(ながつき)と呼び、現在でも9 月の別名として用いられます。長月の由来は「夜長月(よながつき)」の略であるとする説が最も有力視されています。また、「寝覚月(ねざめつき)」の別名もあるそうです。

 英語でのSeptemberはラテン語で「第7の」を意味する「septem」に由来しています。七重奏をセプテットというのも同じ語源です。月名は紀元前2世紀の中ごろまでMarchを最初の月としていたので現在の9月が7番目の月だったのです。

 9月の行事と言えばまず「二百十日(にひゃくとうか)」。立春から数えて210日目に行われるもので、五穀の豊穣を祈る「風鎮めの祭り」や「風の盆」が各地で行われています。二百十日はちょうど稲の開花の時期に当たり、台風の多いシーズンになるのでこうした祭りが行われたのです。

 ちなみに立春から数えて220日目を「二百二十日(にひゃくはつか)」といって旧暦8月1日の「八朔(はっさく)」とともに、古くから台風に見舞われることが多い農業の厄日でした。二百十日は新暦で9月1日であることが多いのですが、今年は8月31日でした。

 9月1日は防災の日。9月9日は重陽(ちょうよう)です。
 重陽は別名「菊の節句」。陰陽道では奇数を吉とし、奇数の重複を慶びます。したがって1月1日、3月3日(桃の節句)、5月5日(端午の節句)、7月7日(七夕)とともに9月9日も祝われるのです。

 旧暦9月15日は中秋の名月です。中国では月に神が宿ると考えられ、仲秋(旧暦8月)の満月に祈りを捧げる風習がありました。これが日本に伝えられると平安貴族の間に流行し、十五夜として定着しました。

 その他、9月第1月曜日は労働者の日(アメリカ合衆国、カナダ)、9月の第3月曜日は敬老の日、9月20日から9月26日までが動物愛護週間、9月22日ごろ(今年は23日)は 秋分の日です。

*パラリンピックが開かれています。オリンピックに比べるとあまりにも注目されない競技会です。ぜひとも子どもたちに話をし、心にかけるようにしてください。

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