2012/3/6

マシュマロ・テスト  教育・学校・教師


 1968年にアメリカのスタンフォード大学で「マシュマロ・テスト」と呼ばれる奇妙な実験が行われました。

 これは4歳児を一室に入れ、目の前にマシュマロをひとつ置いて、母親がこう指示するのです。
@このマシュマロはいま食べてもいいけれど、15分間待つことができたらもうひとつあげる。
A途中で食べたくなったら、ベルを押せばいつでも食べられる。でももうひとつのマシュマロはなしになる)
Bどうする?


 ほとんどの子どもは「待つ」ことを選択し、部屋にひとり残される。そしてそこから子どもの地獄が始まります。

 ある子はマシュマロをじっと睨みつけて時を過ごし、別の子は見ないようにそっぽを向き、また別の子は歌をうたってごまかすと・・・。さて、そこで何%の子どもが誘惑に耐え、二個のマシュマロを獲得できたか。

 答えは30%、やはり4歳児の忍耐力などこの程度のものです。


 単純な実験ですが、このマシュマロ・テストが有名になったのは、同じ実験をおよそ600人にも施し、その後の成長過程を観察し続けたことにあります。実験から40年以上もたつというのに、このときの被験者は現在も追われています(これがアメリカの底力です)。

 高校生になった被験者たちを観ると、15分待てた子は30秒しか待てなかった子に比べ、大学進学適性試験(S.A.T.)の点数が平均210点も高かったといいます(2400点満点)。

 10年後の調査でも15分待てた子は学業面ですぐれ、健全な対人関係を築いていたことが 報告されています。さらに30代後半になった調査では子どものころ待てなかった人たちは肥満度(BMI)が高く、過去に薬物の問題があった可能性が高いという結果が出ました。待てる子は優秀で良き人生を送りやすいことがわかります。

 しかしここで問題になるのは、待てる子たちが生得的にそうした忍耐力を身につけていたのではないか、という可能性です。マスコミの大好きなDNAの違いです。

 しかしそうでないことは、マシュマロ・テスト時の被験者の観察から明らかです。待てた子はマシュマロのことで頭がいっぱいにならないよう、目を覆ったり、机の下に潜ったり、歌をうたったりと、要するに最初からそのことを考えないように努力していたのです。

 この方略は「集中力の戦略的配分」と呼ばれるもので、同じ状況を繰り返し体験することで自然に発明され、やがて身につくものです。待てる子どもたちは、その種の訓練をそれまでも受けてきた子たちなのです。家の中で何回も何回も「より高い価値(2個のマシュマロ)のためにより低い価値(目の前のマシュマロを味わう)を切り捨てる」体験を繰り返してきたのです。

 満4歳と言えば数え年の3歳です。「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもので、実は4歳までの教育が人間の多くの部分を決定してしまうのです。それがこのマシュマロ・テストの恐ろしい教訓です。






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