2011/7/5

フルカラーの世界  知識


 子どものころ「名犬ラッシー(もう知らない人の方が多いだろうけど)」の知能指数は小学校3年生並み」という話を聞いて、小学校3年生はまだしもラッシーの知能指数ってどうやって計るのだろうと不思議でならなかったことがあります(今も分からないけど)。

 同様に、「ウシは色盲だから赤を識別できない。闘牛のウシが赤い布で興奮するのは、赤だからではなく,ヒラヒラさせるからだ」という話を聞いたときも、どうやってウシの目に映る風景のことを知るのだろうとほんとうに不思議でした。こうした疑問は、大切に抱えているといつか答えに出会います。
 ウシの目の話は、疑問を抱いて20年目くらいに答えに会いました。

 実はウシは赤緑色盲(せきりょくしきもう)といって赤と緑の区別がつきにくいながら、色の識別はできているらしいのです。もちろん青とか他の色も識別できます。なぜそんな細かなことまで分かるのかというと、解剖学的にそうなのです。

 ヒトの場合、ものを見ることに関わる細胞は、大きく桿体細胞と錐体細胞の二つに分けられます。桿体細胞は字のごとく桿(さお)のようなかたちをした細胞で錐体細胞の方はその桿の一方が錘(すい)になって尖っています。
 錐体細胞はさらに三つの少し形の違ったものに分類することができます。
 その4種類の細胞がどういう働きをしているか―それはその網膜を持っていた人の個性(ある人は色の識別がまったくできない、ある人は緑と赤の区別がつきにくい、ある人はまったく目が見えないなど)と対応させていくと、統計的に分かってきます。

 それによるとまず、桿体細胞は非常の感度が良く、わずかな光でもものを認識できます。しかし色を見分けることはできません。
 それに対して錐体細胞は感度が悪く、相当な量の光がないとものを感知することができません。ただしこの細胞は色に反応するという極めて優れた性質を持っていて、赤色に感度の良い赤色錐体、緑色に感度の良い緑色錐体、青色に感度の良い青色錐体……つまり光の三原色にそれぞれ反応し、三つが同時に働くことですべての色彩を認知するのです。すごいですね。
 ただし夜になると錐体細胞はほとんど働きませんから桿体細胞だけでものを見ます。だから夜の風景は限りなく白黒画面に近づいていくのです。

 ウシの目は、ヒトとほとんど同じでありながら、緑色を感知する緑色錐体細胞がまったくありません。そこで赤緑色盲だと想像されます。同じ目はウマやネコやイヌなど多くの哺乳類が持っています。

 では魚や両生類、爬虫類や鳥の目はどうなっているのかというと、これらの生物はヒトよりももっと優れていて、第4の錐体細胞で人間には見えない紫外線も可視光線として見ているらしいのです。

 ただし同じ鳥類でも住む場所や習性によって目の構造も異なっているようで、夜行性のフクロウやミミズクの網膜は桿体細胞だけでできています(これを桿体網膜という)から夜に圧倒的に強く昼はあまり見えません。逆にスズメやヒバリなど日中を生きる鳥たちは錐体網膜といって4種類の錐体細胞だけでできていますから、日中は色鮮やか世界を飛び回りしかし夜はまったく見えない、つまり“鳥目”なのです。

 魚もカツオやマグロ、サメ類には色覚がなく、コイ、フナ、ブラックバス、スズキ、マダイ、サバ、アジ類等は色覚を持つといわれています。深海魚などはおそらく桿体網膜でしょう。

 そう思ってみると、色覚のある生き物たちは色鮮やかな場合が多く、色覚のない動物たちはみな地味で黒と白、そして白く輝く銀色くらいしかないような気もします。


*昨日の「左右上下逆さめがねの実験が終了して、晴れてめがねを外したとき何が起こったか」の答えは、「しばらくは現実の風景が上下左右逆さに見えて軽い船酔いの感じがあった。しかし数時間もしないうちに正しい映像を取り戻した」です。何十年もそれで生きてきたのですから、回復の方は早いみたいですね。


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2011/7/4

「逆さめがねの世界」  知識


 鏡に映った顔は左右が反転しているのに上下が反転しないのはなぜだろう。そんなふうに考えたことはありませんか?

 これに関する一番軽率な答えは、「目が左右に並んで着いているから」というものです。なぜ軽率かというと、片目をつむって一方の眼だけで見ても状況は変わりないからです。

 クリックすると元のサイズで表示しますそこで今度は右のような図を持ちだして、「右の方から入ってきた光は鏡の(中心線より)右寄りの位置で反射して目に入り、左の方から入ってきた光は左寄りで反射して目に入るから、左右反転してしまう」といった話になります。これだと首を90°傾けた時も「上」は上、「下」は下のままなので何となく理解できたような気がします。しかし納得はできません。何かごまかされた気がしますよね。

 そこで私は何度も首を90°傾けたり、股のぞきで逆さに鏡を見たり、片目で見たり両目で見たり、様々に実験しながら一生懸命考えたのですが、やはりどうしても分からないのです。もしかしたら“左右”と“上下”は同じものを縦横にしたのではなく、まったく異なった概念なのかもしれない、そんなことまで考えて思案に暮れていました。

 ところが、この問題に全く違う観点からアプローチし、解決に至った人たちがいたのです。それは認知心理学の学者たちです。

 彼らの最初のテーマは、「レンズの構造から考えて、目は、自分が捉えた映像を網膜に逆さに焼き付けているはずなのに、なぜ私たちは正常にものを見ることができるのだろう」というものでした。やはり科学者ですね。こういった方向から始まります。

 これに関して最初の、そして決定的な実験をしたのはアメリカのストラットンという学者です。彼は上下左右すべてが逆さまに見える「逆さめがね」というものを開発し、それをつけたままで生活し始めたのです。19世紀の世紀末のことです。

 私も左右だけ逆転する「左右逆さめがね」というのをかけたことがありますが、かなり大変でした。左側にある(左側に見える)ものを取るのに右方向に手を伸ばさなければならないからです。しかも右手を伸ばすと左から手が出てくるのですから、かなり気味の悪い経験でもありました。それが左右だけでなく「上下左右逆さめがね」となるととんでもなく大変で、しばらくは酷い船酔いみたいになってゲーゲー嘔吐し始めるのだそうです。

 苦労しながらもストラットンが最初にやったのは、視覚から得られる情報を無視して、頭の中にある“経験”を頼りに動くということです。左上にフォークが見えても、記憶では右下にあるはずなのでそこに手を伸ばす、そんなやり方です。その方法に慣れると、生活はなんとか維持できるようになったといいます。

 そして4〜5日たったある日、彼はとんでもない体験をします。それはそのとき一緒にいた友人の、左右上下逆さまの映像の中でパイプから出たタバコの煙だけが、突然“下から上”に流れ始めたという事件なのです。その瞬間、映像の反転が始まったのです。

 それからいくらもしないうちにすべてが正しく見えるようになり、生活の困難が全くなくなりました。ただし困ったのは、誰かから「そのめがねをかけた状態でどんなふうに見える」と聞かれてめがねをかけていたことを思い出すと、一瞬にしてすべてが左右上下反転した元の映像に戻ってしまうことだったといいます。

 さてところで、実験が終了して晴れてめがねを外したとき、何が起こったと思います?(*) 時間がなくなりました。それについては、また改めてお話しましょう。

 最初の問い「鏡に映った顔は左右が反転しているのに上下が反転しないのはなぜだろう」の答えはしたがってこうなります。
「それが一番便利なので、脳は映像をそのように書き換える」
 左右反転しないと、たぶん女性は口紅を引くのにも難渋するはずです。


*ブログをご覧の皆様には答えをお教えします。その答えは、

「しばらくは現実の風景が上下左右逆さに見えて、軽い船酔いの感じがあった。しかし数時間もしないうちに、正しい映像を取り戻した」です。

 めがねをかけている間、脳は必死の努力をしていたのです。



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2011/7/1



 7月は西洋暦で7番目の月に当たり、日数は31日です。

 日本では、旧暦7月を文月(ふみづき、ふづき)と呼び、現在では新暦7月の別名としても用います。

 文月の由来は、7月7日の七夕に詩や短歌をつくったり、虫がつかないように書物を乾かしたりする風習があるからというのが定説となっています。しかし、七夕の行事は奈良時代に中国から伝わったわったもので、元々日本にはないものです。そこで七夕とは関係なく、稲の穂が実を含む月であることから「含み月」「穂含み月」の意味であると考える人たちもいます。また、「秋初月(あきはづき)」、「七夜月(ななよづき)」という別名もあります。

 英語での月名、July(ジュライ)は、ユリウス暦をつくったローマの政治家、ユリウス・カエサル(ジュライアス・シーザー)にちなむと言われています。
 
 7月の行事といえばまず七夕。これには種類の子他なる三つの行事が混ざり合っています。まず、ほんらいは中国の五節句にちなむ「しちせき」。7月7日の夕刻には精霊棚をつくって死者をとむらいました。そこから「七」と「夕」が使われます。

 この盆行事にもともと日本にあった棚機姫(たなばたひめ)の伝説が混じり、さらに中国の牽牛・織女の話が混ざって、その結果「七夕」は「たなばた」と読まれ、織姫・彦星の伝説が重なるようになったのです。

 他にはアメリカ独立記念日(7/4)。「7月4日生まれて」という題名の映画もありました。

 7月14日はフランス革命記念日。こちらの方はフランス映画「7月14日」(1933)に「巴里祭」などというかっこういい日本語名をつけた人がいたため、長く日本人だけが「パリ祭」の名で親しんでいました。

 夏祭りも始まります。博多祇園山笠(7/15)、京都祇園祭・山鉾巡行(7/17)、大阪天神祭(7/25)、隅田川花火大会(7月最終土曜日)などが大きなところ。その他、多くの地区で村々の祭が行われます。

 海の日は7月18日(毎年第三月曜日)。以前は海の記念日という名前でした。

 1876年(明治9年)明治天皇東北巡幸の際、それまでの軍艦に代えて灯台巡 視の船「明治丸」で航海し、7月20日に横浜に帰着したことを記念したものだといいます。祝日法では「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」ことを趣旨としているそうです。

 そして夏休みが始まります。

 7月の花はユリ、トルコキキョウ、蓮、誕生石はルビーです 。

 星座はかに座(7月22日頃まで)から、しし座(7月23日頃から)にうつります。

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