2011/6/10

不審者対応訓練  教育・学校・教師


 一昨日6月8日は、大阪教育大学附属池田小学校で起こった乱入殺傷事件から10年目にあたる日でした。あの日、私は出張先から学校に戻る車の中で第一報を聞き、夕方までにひとり、ふたりと次第に死者の増えていくのを学校のテレビで確認していたように思います。そのときのヘリコプター映像と暗澹たる気持ちは忘れることができません

 あれ以後、同様の事件は一件も起こっていません。しかし新聞を見るとさす股等を配置し、不審者対応訓練をしている学校は今も9割を越えています。全国規模で考えれば毎年どこかで起こっている学校火災や地震に対しての備えは必要だとしても、いわゆる不審者対応訓練は本当に必要なのでしょうか。千年に一度と言われる大地震・大津波があったあとだけに言いにくいのですが、本当はもっと必要な訓練があるように思うのです。

 毎年、不審者対応訓練後の反省では「あそこから侵入してくるという想定はおかしい」とか、児童生徒が「逃げる方向が違うのでは」とかいった反省が出されて内容が落ち着きません。いうまでもなくこれは先生方それぞれの想定が異なっているためで、もともと想定外のことを想定しようとするからうまくいかないのです。

 今回の原発事故では「原発に想定外があってはならない」といった言い方がされましたが、学校にとって児童生徒が死ぬかもしれないような事態には想定外があってはなりません。しかしそうなると不審者が単なる痴呆老人であったりチンピラの兄ちゃんであったりする場合(両方とも実際に私は対応したことがあります)、刃物を持って逡巡する犯人がいる場合から池田小のように強い意志を持った殺人者である場合、あるいは同時に三方から攻め込まれる場合や爆発物を持った犯人である場合などありとあらゆることが想定されます。そのすべてに対応しようとすれば、訓練は一年中やっていなければなりません。

 実際にそんなことは無理なので、一応本校では一番ありそうな想定“何だかわからないけれど校内にいるはずのない人が入り込んでいる、万が一の場合を考えて避難していた方がよさそうな場合”といった想定に従って訓練を行っています。しかし「一番ありそうな想定」であってもやはりありそうな気はしません。


 池田小事件で亡くなった児童は8名です。しかし児童虐待で親に殺される子どもは年間40人から50人ほどにもなります(年によって40人を切る場合も50人を越える場合もありますが)。そうなると子どもを殺人から守る一番現実的な避難訓練は「親から避難する訓練」ということになります。

 登下校中の誘拐や痴漢被害に対しては全国的に「見守り隊」などの防犯ネットがはりめぐらされています。しかしこれも対費用効果から考えればたいへんなムダであって、実際には前科のある人や悪い噂のある人の家をピンポイントで見張った方が効果があると言われています(もちろんそんなことはできるはずもありません)。

 ただし(繰り返しになりますが)千年に一度の大地震・大津波が起きた後では、これも公には言えないことです。

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