2011/4/12

世界宇宙飛行の日  歴史・歳時・記念日


 今日4月12日は世界宇宙飛行の日だそうです(聞いたことないなあ)。世界初の有人宇宙船ボストーク1号がガガーリン少佐を乗せて地球を一周した記念日です(1961)。
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 こうしたソ連の快挙に慌てたアメリカは翌5月5日、シェパード中佐を宇宙に飛ばしますが、当時の合衆国には地球を一周させるだけの技術はなく、中佐はいったん大気圏外に出てまた戻ってくるという弾道飛行でお茶を濁しました。もっともソ連の方も少しましだっただけで、ガガーリンは飛行時間1時間50分弱のあいだ、何もせずにただ宇宙船の中で座っていただけのようです。いわば巨大な弾丸の中に閉じ込められ、地球を周回させられたのと同じです。

 したがって帰還の後、感想はと聞かれても「地球は青かった」くらいしか言えず、来日したときにもインタビューにはかばかしい答えを返せなかったために、「偽物では?」といった疑いもかけられたりもしました。

 ガガーリンは非常に優秀なパイロットでしたが、人類最初の宇宙飛行士に選ばれた最大の理由は身長158cmという体格が宇宙船に入れやすかったのと、労働者階級出身という出自の良さ(労働者の政権という触れ込みでしたので)のためだったといいます。

 1963年にわずか34歳の若さで航空機事故のために亡くなります。つい3日前のニュースに、「観測気球との衝突を避けようとして急旋回したことが原因だったとの結論を当時のソ連政府調査委員会がまとめていたことを明らかにした」といった報道がされていましたが、50年近くたっても、いまだに陰謀説が消えていません。

 ソ連は引き続き1963年に人類初の女性飛行士も生み出しており、そのとき彼女(バレンチナ・テレシコワ)の叫んだ「私はかもめ(ヤー チェイカ)」は世界的な流行語になりました。

「私はかもめ」はチェーホフの「かもめ」の中で主人公が繰り返し呟く言葉だそうで、そこに何らかの含意があるとか、いや単純に宇宙を飛ぶ鳥のイメージじゃないかとか様々に説がありました。しかしあとで聞いたら、テレシコワのコードネームが「かもめ」だっただけで、「ヤー チェイカ」は「こちら、かもめ」くらいの意味しかなかったそうです。ロマンチックな話がいっぺんにダメになってしまいました。また、このときのテレシコワの飛行はそうとうに問題があったようで(テレシコワがパニックになったとか、宇宙酔いが酷かったとか、トイレに問題があったとかいろいろな話があります)、次に女性が宇宙に飛ぶまでに19年もかかっています。

 テレシコワが飛ぶ前、ボストークの有人飛行にショックを受けたアメリカ大統領のケディは「今後10年以内にアメリカは月に人間を送り込む」と宣言して、その約束は彼の死後6年を経て達成されます。

 1960年代というのは日本にとって高度成長期でしたが、世界にとっても夢のある十年でした。1966年には日本で国産初のアニメ「鉄腕アトム」が始まり、アメリカではスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」が上映されます。

 アトムの誕生日は2003年4月7日ですし「〜宇宙の旅」では主人公が背広で宇宙船に乗り込んでいますから、私も死ぬまでには1〜2回、月世界旅行に行きたいな、などと本気で思っていました。科学は案外進歩しないというか、私たちの未来予測はあまりにも楽観的でした。




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2011/4/11

いじめのくびき  教育・学校・教師


 平成18年度「『児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査』の見直しについて」によれば、

2.「いじめ」の状況に関する調査について
いじめられた児童生徒の立場に立って、より実態に即して把握できるよう、いじめの定義を見直す。

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【平成17年度調査までの定義】
 この調査において、「いじめ」とは、「@自分より弱い者に対して一方的に、A身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、B相手が深刻な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」とする。
 なお、個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うこと。

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【平成18年度調査からの定義】
 本調査において、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする。
「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」とする。
 なお、起こった場所は学校の内外を問わない。

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となります。

 大きく変わった点は、
@「自分より弱いものに対して」でなくてもよくなった。
A継続的な攻撃でなくてもよくなった。
Bその苦痛が「深刻な」ものでなくてもよくなった。そして
C「個々の行為が『いじめ』に当たるか否かの判断はいじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする」

の4点です。

 さらにご丁寧にも、「(注1)『いじめられた児童生徒の立場に立って』とは、いじめられたとする児童生徒の気持ちを重視することである。」とあります。つまり「いじめ」の客観的事実があるかどうかを問わず、「いじめられたとする」(=「いじめられたと主張する」)側の気持ちを重視せよというのです。

 ですから例えば、元大阪府知事・故横山ノック氏がわいせつ疑惑でマスコミに激しく追及されたとき「オマエら、大阪府知事をいじめて楽しいんか」と叫んだのは、まったく理にかなっていることになります(もちろんノック氏が児童生徒でないことを別とすれば)。

 私が子どものころの「帰りの会」などはとんでもない言いつけ合いで、私など毎日のように「今日はT君があれをしました」「これをしませんでした」で十字砲火を浴びているようなものでした。しかし今だったらこう言えばいいだけのことです。「いくらなんでもそんなに言ったらひどいじゃないか。みんな、ボクをいじめて楽しいんか!」これで圧勝です。「いじめで被害者にも責任があるということは絶対ない。いじめる方が100%悪い」は、世の中の常識です。

 子ども同士の仲良しグループだっていつまでも不変であるわけはありません。高慢で横暴なボスをみんなで一斉に排除しようとすることだってあります。
 例えばスネ夫やのび太が示し合わせてジャイアンから離れるような場合です。しかしこれもジャイアンが「仲間はずれにされたあ〜、いじめだ〜」と叫べば終わりです。いじめの犯人にされたくなかったらいつまでもジャイアンの手下でいるしかありません。
 ただしもちろんジャイアンに何か命じられた段階で先に「いじめられた〜」と叫べばのび太たちにも勝算が生まれてきます。徹底的に「先に『いじめられた』と言った者勝ち」だからです。

 しかしそんなバカなことはないでしょう。
 文科省の18年度定義には、単純に従ってはいけないのです。




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2011/4/8

お花祭りの日  歴史・歳時・記念日


 今日4月8日は潅仏会(かんぶつえ)、いわゆるお花祭りでシャカの誕生日のお祝いをします。私が子どものころは保育園の重要行事でしたが、今は仏教系の保育園や幼稚園でない限りは行うところも少ないでしょう。キリストの誕生日は祝われるのに釈迦の誕生日が外されるのはなんとも納得できないところですが。

 シャカの誕生は紀元前500年前後の4月8日ということになっています。生まれるとともに七歩あるいて天と地を指差し「天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)」と呟いたそうです。私が子どものころは何と傲慢な人だろうと思ったりもしました。7という数字は時間軸の「過去・現在・未来」の3に、空間軸の「東西南北」の4 を足した数ですので、まさに古今東西世界中のラッキーナンバーです。

 さて、この釈迦、通常、私たちはお釈迦様と呼んだりしますが正しい名前をゴータマ・シッダールタといい、インドのシャカ族と呼ばれる部族の王子です。贅沢な育ちをしたにも関わらず人生の無常に苦しみ、29歳で出家、35歳で悟りを得て仏陀(成覚者)となったといわれています。

 そのあと釈迦の様子についてはよく分からないのですが、後年のイエス・キリストやマホメットと決定的に異なるのは布教に対して非常に不熱心だったことです。自分の手に入れたものは一般の人には理解できないからと、そんなことらしいのでが、そこから弟子たちが忖度する部分も多く、さらに釈迦の言葉や業績が文書にまとめられるのは仏陀入滅後100年(一説には200年)のちのアショカ王まで待たなければならなかったので、様々な異説が入り込んでしまいます。

 またその後も「仏陀が私の夢枕に立ってこのように語られた」といった言い方で大量の仏典が作られたので、どれがどれだか分からなくなり、その解釈によってものすごい数の宗派が生まれてしまいました。ひところの日本では五系十三宗五十六派といいましたが、現在はそれより増えているはずです。しかしそうした宗派すべてを飲み込んでしまうような懐の深さも、仏陀の魅力なのかもしれません。

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 ガンダーラの美術品に「苦行せる釈迦」という像があり、私は本物を見たことがありますが、ガリガリに痩せてすさまじい顔をした像でした。

 釈迦は6年の苦行の末にその無意味を知り、山を降りて沐浴し、村娘が差し出した乳粥を食すと(のちに菩提樹と呼ばれる)ピッパラの樹の下で瞑想に入り、49日目に悟りを開きます。その内容は人に知らせるつもりがなかったのですが、梵天と帝釈天に請われてかつての5人に仲間の住む村に行き、そこで最初の説法を行って仏教の礎が定まります。

 この釈迦に苦行のあと食した乳粥には「サルピス」と呼ばれる天の汁が混ぜられていたとされ、これが「カルピス」の語源になります。またサルピスは中国で「醍醐」と表記され、その醍醐(=サルピス)の味のようなすばらしさを「醍醐味」といいます。さらに乳粥を与えた村娘の名は「スジャータ」で、こちらはコーヒー用ミルクの名前になりました。5人の仲間の住んでいた場所は鹿野苑(ろくやおん)といいます。これは今度3年生が行く鹿苑寺金閣の名と関わりがあります。うまくできていますね。

 先ほどの「苦行せる釈迦」を私は世界最高の像だと思うのですが、さらに有名な像であるミロのビーナスが発見されたのも、驚いたことに今日4月8日です(1820年)。これもうまくできた話です。




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2011/4/7

どうしてだろう  知識


 福島原発事故の帰結は、今後の日本と世界のあり方に根本的な影響を与える、そう思ってかなり熱心にニュースを追ってきたのですが、さすがに4週間となると疲れてきました。さっぱりいい話が聞こえてこないということもありますが、情報が小出しだったり基本的な疑問に答えてくれることがないからでもあります。

 たとえば、最近になってようやく「問題の解決は少なく見積もっても月単位だ」という話になりましたが、当初は考えうる最悪が何で、向かうべき目標がどこなのかも分からず、明日にも破滅が訪れるような、明日には劇的にすべてがうまく行くような幻想にただハラハラ・イライラしながら振り回されていたからです。

 12日に1号機で大爆発があって、ああこれでもう終わりだと思ったらそれは建屋の水素爆発で原子炉本体は無傷だとか、しかしベント(弁開放による排気)で排出された水素が建屋の中に溜まってしまうというのはどういうことなのだろうと思っていたら、燃料の入っていない4号機が爆発して、そのときになって初めて、建屋内に使用済み燃料棒プールがあってそれが干上がっている可能性があるという話が聞こえてくる。
 そんなのプロなら最初からわかっていることだろうと私は思うのですが、1号機はともかく、3号機も4号機もメチャクチャになって初めて2号機の天井に穴を開けて水素を逃がすというのはどうにも解せません。
 実際のところ、どうなのでしょう。

 自衛隊が決死の覚悟で原子炉建屋上空をヘリで飛んで被害状況を撮影してきました。せっかく撮ったVTRもいまひとつ鮮明ではありません。
 しかしなぜ人間が行かなければならないのか。農業用のラジコンヘリにハイビジョンカメラを積んでブンブン飛ばせれば、いくらでも鮮明な映像が撮れるのにと思ったのは私だけではないでしょう(ちなみに、あとで自衛隊自体がラジコンヘリを持っていることを知りました。迷彩色のヘリです。なぜあれを使わなかったのか)。

 アメリカが災害用ロボットを提供するといってその映像が出てきましたが、なんとも可愛いもので私は首を傾げてしまいました。ロボット技術は日本の方が圧倒的に上のはずです。優秀な災害用ロボットはかなりあります。それもなぜ使わないのか。

 それにどうせ終息に数ヶ月以上かかるなら、今から発注したってかなりの量のロボットが用意できるはずです。多機能ロボットは無理でも単機能のものをたくさん作るのは簡単です。例えばいずれ建屋の上部の崩れた部分を片付けなければならないのですから、今から自走する高さ30メートルくらいの櫓を作り、その上部にリモコンのロボットアームとクレーンをすえつければ立派な片付けロボットです。これだけなら製作に一ヶ月もかからないでしょう。

 さらに、高濃度排水を溜めるために清水市のメガフロートを曳航してくるのに、淡路島や三重県にあるものは距離が遠いからやめたというのが分かりません。もしかしたら今後必要になるかもしれないのだから今から用意しておけばいいのにと思うのですがなぜしないのか。

 これだけの危機なのですから、金に糸目をつけずにやるのが危機管理かと思うのですが、どうも専門家のやることは分かりません。

 もっとも、以上のことはおそらく東京電力や保安院の説明不足なのです。あるいは慧眼の記者諸君が質問して、すでに答えられていることが報道されていないだけなのかもしれません。

 いずれにしろこのイライラはとうぶん続きそうです。



*日本国内にはこんなロボットもあるみたいですが・・・

原子力防災ロボット
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情報遠隔収集ロボット
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2011/4/6

信じてる  教育・学校・教師


 日本の福島原発の事故で世界中が震撼し、在留外国人が次々と出国する中で当の日本人がさっぱり慌てていない様子に諸外国の人々が首を傾げているそうです。

 日本人が核に対して無知ということもないでしょう。しかし慌てたところで逃げるところもありませんし、昔から台風やら地震やらに叩かれ続けた民族としては、いまさら殴られても感じないという面もあるのかもしれません。日本人の死生観や諦観の問題かもしれません。しかし何といっても、私たちは日本人を信じている、日本政府を信じている、というのが大きいのではないかと感じています。

 福島第一原発の事故現場では、大量の東電社員が、大成建設や東芝の社員が、無名の協力企業や下請け会社の社員が、必死に頑張っている。自衛隊も警視庁も消防も死に物狂いで戦ってくれた。政府も何となく頓珍漢で頼りないが、それでも誠実にやろうとしてはくれている、そんなふうに私たち単純に思いこんでいますし、思い込んでいてもそう大きく裏切られない社会に住んでいるということです。

 この国では政府要人や財界人が密かに家族を外国に逃がし、財産を海外に移すというようなことを心配しなくて済みます。一部芸能人が西日本に避難した上に水を買い占めているといううわさがありますが、それは「○○がやっているから後に続け」というのではなく「こんなバカなことをしている芸能人がいる」といった揶揄として語られています。

 この国の金持ちは平気で100億円と生涯の役員報酬を寄付します。二十歳にもならない天才ゴルファーが、賞金のすべてを寄付すると平気で言えます。芸能人の一部は「売名」といった誹謗をもろともせず、繰り返し慰問に向かいます。

 放射線は政府やマスコミが大丈夫というから大丈夫なのだろう。政府が避難しろというから避難したがそれが購われないことはない。福島県など4県のホウレンソウやカキナが危ないということはほかの県の野菜は絶対に大丈夫だということだ、どんな小さな商店でもその4県のホウレンソウやカキナを安く仕入れて産地を偽って売るようなことはしない。そういったことはすべて信じられることなのです。

 それが日本人の底力なのです。
 子どもたちに大きな声で語りたいことです。


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2011/4/5

新年度の始まり  教育・学校・教師


 初めて教員になったとき、いきなりの担任で右も左も分からないうちに様々ことを決めなければならなくて、本当に閉口しました。先輩からは「自分がどういう教育を受けてきたか思い出せばいい」とか言われましたが、私の通った中学校はかなり特殊な学校でしたし、何よりも教員になるのが遅かったために細かいことなどまったく思い出せないのです。おまけに子どもたちは「教室の移動は自分たちで勝手に行っていいのですか?」とか、「給食のときナプキンは敷くのですか?」とか、「掃除はどういう順でやればいいのですか」とか、当時の私からすればどうでもいいことを次々と聞いてきます。

 そして(給食なんて小学校でもやってきたろ、そんなことは自分で考えろ)と、そんな態度でいたらクラスはあっという間に荒れ果ててしまいました。あとから分かったのですが、子どもたちが聞きたかったのは掃除や給食の具体的な方法ではなく、「中学のルールはどうなのか」ということだったのです。それに対する私の答えが「自分で考えろ」ですから、相手にすれば「中学では『やりたいようにやる』がルールらしい」ということになり、その結果すべての活動がメチャクチャになってしまったわけです。

 学校が変わる、学年が変わる、担任が代わるということはそういうことなので、年が改まって何がどう変わるのかということは(早急にしろ、おいおいにしろ)明確に伝えていかなければなりません。そうしないと子どもたちは、新しい枠の中でどう生きていったらよいのか分からなくなります。

 私は自分が中学生になったとき、高校生になったとき、そして大学に進んだとき、それぞれの時をどういう気持ちで進学したかをよく覚えています。「これをチャンスに自分を変えよう」と大真面目に思いつめていたからです。

 新年度になり生まれ変わった気分で新たな自分を始めようと思う子はたくさんいます。このチャンスを逃さず、子どもたちの願いを救い上げ、教師としての私たちの願いと対照させ、新しい年度を始めたいと思います。

 教師の願いというのは、そのものが学級での子どもの生きる枠組みとなります。




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