2010/9/13

運動会あれこれA  教育・学校・教師

 今日は過去に経験した私の運動会について書いておこうと思います。

(1) 組体操
 選挙と芝居は三日やったら止められないといいます。とにかく@全員の集中と自己犠牲、協力がないと始まらない、A短期間に結果が出る、B当たれば天国失敗すれば地獄、ということで、人間を夢中にさせる要素が満載です。そして運動会の組体操も、全く同じ要素を持っています。

 難しい技に成功した時の達成感・高揚感、高まる団結力、そこに至るまでの真摯な努力、自己犠牲、連帯感、そういったもの一度でも経験すると、組体操に寄せる教師の想いは動かしがたいものになります。

 中でも5段のピラミッドというのは挑戦に値する演目で、3段の塔に比べると高さはずっと低いのに難易度は格別です。4段のピラミッドを完成させるのは簡単ですが、1段上げるだけで途轍もなく困難になるのです。
 やってみないと分からないのですが、最下層の子どもたちが支えるのは上に乗る11人の体重だけではありません。一番下では真中から左右に広がるたいへんな力が働いていて、両端の子どもは一心に内側に体を寄せているのです。5人の間隔が開いてしまうと、上の子は落ちてしまいます。

 上の子たちが戦っているのは不安定な足場と背中の重み、そして落下への恐怖です。特に最上段の一人は手早く上がれる運動神経と恐怖に打ち勝つ強い精神力がなくてはなりません。またある程度人格者でないと、下の子たちのモチベーションが違ってきます。「この子は落としたくない」と思うと、がんばりきれるのです。

 何度も見てきた5段のピラミッドですが、運動会前日の練習で初めて成功し(本番も成功した)、直後にどこかへ行ってしまった担任が、しばらくして目を真っ赤にして戻ってきたことは忘れられない思い出です。また、本番当日、最後の最後で中段の子が支え切れず、「みんな、すまん」と叫びながら崩れていったことなど、思い出は絶えません。


(2) 棒倒し
 中学校の棒倒しで、中心になる子が棒を持って逃げる、というとんでもない作戦を考えた教師がいました。棒を持って走る生徒と、何も持たずに襲ってくる敵の攻撃隊と、どちらが早いかは容易に分かりそうなものなのにやりました。結果は30秒足らずの敗戦です。

 リベンジの2回戦、今度はこちらの方が先に倒したのに反則負けになってしまいました。攻撃隊の数人が口に水を含んでいて、それを敵に吹きかけたというのです。そんなアホな作戦を考えた教師も教師ですが、本気で信じて実行した子どもも子どもでした。それにしても反則を犯した生徒たち、競技前の入場から互いの応援合戦、そして1回戦の間中口に水を含んだまま我慢していたわけで、そのアホさ加減にも職員一同ほんとうに感心したものです。

(3) リズム
 表現運動の多くは教師と児童の合作です。そういうと中学校の先生方は非常に驚きます。保護者やその他の観客も、まさかあれが自作だとは思っていないでしょう。曲の選択も含め、すべて一からやるので、私もかなり入れ込んで指導したものです。

 私の得意は「忍者」で、「ちびっ子忍者が訓練をしている(この部分を児童に作らせる)」→「そのうちだんだんオフザケになり遊び始める」→「そこに忍者の先生(私)が現れ、怒鳴り上げてちびっ子忍者を追い回すと場内は騒然となる」というようなことをやっていました。私が目立つところがいいのです。

 さて、雨のためにグランドが使えず体育館で練習した時のことです。曲を流したり止めたりするのが面倒なので音楽は手元のカセットデッキで流しながら、マイクは体育館設備のものを使ってやっていました。練習も最後の方になり、忍者の先生(私)が子どもを怒鳴り上げ、子どもたちがギャーギャー言いながら逃げ回るというところを繰り返し練習していると、職員室にいたはずの若い女の先生がものすごい勢いで体育館へ入ってきたかと思うと、そのまま放送室に行ってマイクのスイッチを切ってしまいまったのです。

 私がびっくりして見ているとゆっくり戻ってきて、「先生、たいへん。先生の声だけが近所中に流れていて、抗議の電話が来た」
 音楽が一緒だったらそうでもなかったでしょうが、私の声だけだったら大変です。
「この〜、バカ者どもが! もう許さん! 二度とできないようにおしおきじゃ〜!」とかやっていたわけですから。

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2010/9/10

困ったヒーローたち  教育・学校・教師


 アナキン・スカイウォーカー(「スターウォーズ」)とハリー・ポッターはここ十数年間に世界に躍り出た、二人のスーパーヒーローです。そしてとても似た性格をしています。二人ともカッとなりやすく、火がつくと周囲の静止がまったく耳に入らなくなってアナキンは自分自身を、ハリーは盟友を危機に陥らせてしまうのです。思うに、アメリカ人はこういうタイプの若者が大好きなのです。「スパイダーマン」のピーター・パーカーも「ターミネーター」のジョン・コナーもしばしばやりすぎたりします。

 一方、日本の映画でシリーズ物の英雄というと、「エヴァンゲリオン」の碇シンジ君とか仮面ライダー・シリーズの少年たちとか、やたら悩んでストーリー展開を遅らせたり仲間を犠牲にしたりする子が多いのが特徴です。実際にすごいのは主人公自身ではなく、彼らが乗り込む人造人間だったりロボットだったり、あるいは変身後のヒーローだったりするためかもしれません。

 さて日本映画のシリーズ物というと、アナキンたちとはまったく別タイプの、二人の主人公がいます。それは(唐突ですが)フーテンの寅さんと「釣りバカ日誌」のハマちゃんです。二人に共通するのは社会的枠組みがほとんど機能していないということです。

 寅さんは「ガマの油売り」や「バナナの叩き売り」のような口上が得意で反復行動が大好き。人から説教をされているにも拘らず状況が読めず、「それを言っちゃあお仕舞いだよ、」オイちゃん」とか言って逆ギレし、偉そうに相手に説教を垂れたりする。しばしば女性の気持ちを読み誤って失敗する。家族を振り回す。正義が相対的なものであって、他人には他人の正しさがあるということが理解できない。だから自分の正義を振り回す、そういう人です。

 一方ハマちゃんこと浜崎伝助君は、出世とか仕事といった世俗の価値とはまったく別の世界の住人で、相手が社長であろうがアメリカ政府の要人であろうがまったく意に介さない。これまたある種の人間を想起させます。

 寅さんの親戚だったりハマちゃんの上司や同僚だったりすることは、かなりたいへんそうです。しかしそうであるにも関わらず、日本人はこうした人たちが大好きなようなのです。
 私は日本人が寅さんやハマちゃんを愛して止まないことに非常に好感と期待を感じています。日本人が彼らを愛し続ける限り、寅さんやハマちゃんはいくらでも居場所を見つけて生きていけるからです。

 正直を言いますと、私自身はアナキンもハリーも寅さんもハマちゃんもみんな苦手です。できれば一緒に仕事をしたり近所づきあいをしたりといったことは願い下げにしていただきたい、そういう気持ちがあります。逆に碇シンジ君などは、映画の中に飛び込んでいって怒鳴りつけたくなることもしばしばですが、別に好きなわけでもありません。子どもだから指導する気になるだけです。

 ただし世の中にはたくさんのアナキンや寅さんがいてけっこう苦労していることを考えると、教師としてもう少しがんばってもいいな、という気持ちは十分にあります。


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2010/9/9



 5月に緑の錦とか言って山の緑がさまざまに変わって行くのを楽しんでいたのですが全山緑になってしまったらすっかり飽きてしまい、それ切り忘れていました。

 台風が去って今日あたりから秋の気配が漂ってくるかもしれません。
 紅葉のシーズンです。

 山々が色づく前に、緑の山を撮っておかかければ急に思い立ってカメラを向けました。木々の違いは、よく見ないと分かりませんが、やがて鮮やかに変化していくはずです。

 楽しみですね。


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2010/9/8

台風9号  知識


 台風9号が近づいています。雨はほしいのですが多すぎるのも困ります。被害がないといいですね。
ところで台風には名前があるのを知っていますか? 

 日本では相変わらずその年に発生した台風の順番で呼ばれますが、実は平成12年(2000年)から、アジアで発生する台風には台風委員会(日本ほか14カ国等が加盟)が提案した140の名前が順番につけられるようになっています。今回の9号はマカオの言葉で「マーロウ」(瑪瑙:めのう)といいますが、日本以外の国々ではこの台風委員会の名で呼ぶことが主流になりつつあります。

 台風は1年間におよそ15個ほど発生します。したがって140個の名前はすぐに尽きます。そうなったらまた1番に戻し、最初からやり直すのです。日本からは「テンビン」「ヤギ」など星座に関わる10個の名前が提案され、最近では今年の台風7号がコンパス(コンパス座)でした。

 台風はなぜ右カーブを描きながら北上するのかとか、なぜ左巻きなのかといったことを説明するのはかなり厄介です。

@ まず「北上」ですが、北半球では南から北に向かう大きな大気の流れがあり、台風がそれに乗って移動する、というのが一番簡単な説明です。しかし実際にはもっと複雑な説明が必要なようです。

A 北上が基本なのですがその際、一旦貿易風に乗って西進した台風はやがて偏西風に乗って東方向に進路を変えます。北上しながら西寄り、東寄りと方向を変えるので、全体としては右カーブしながら北上するように見えます。

B 台風が左巻きなのはなぜか、というのはけっこう厄介です。

i)台風は巨大な低気圧ですので、周辺の空気は台風の中心に向かって一気に移動します。これが台風の風です。

ii)風は台風の中心で上昇し大きな円筒をつくります。これが台風の目です。

iii)やがて1万メートル上空付近で風は円筒を離れ、外向きに流れ始めます。

iv)この動きの最中に、風は右へ右へと曲げられます。これはコリオリの力と呼ばれる力によるもので、北半球ではすべてのものを右方向へ、南半球ではすべてのものを左に動かす働きをします。

v)風が右方向に上げられると台風の渦が左巻きになるのは図にしないとよく分かりません。下はそれを表したものですが分かるでしょうか。図1で中心に向かう風が図2のように右にずれながら円筒を駆け昇る(図の手前方向へ上がってくる)。その様子を上から見ると左巻きの渦になるというわけです。


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 何となく分かってもらえたでしょうか。

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