2010/2/10

教師のオーラ  教育・学校・教師


 少し昔の話ですが、バラエティ番組の一場面で、芸能人の子どもを捜そう、といった企画がありました。ひな壇に並んだ30人あまりの女性の中からひとりを選び出すのですが、回答者のタレントは最初から
「あの娘、あの娘、絶対にあの娘、オーラが違うもの」
と大騒ぎで、結局正解でした。このとき当てられてしまった「芸能人の子ども」は、関根麻里さんです。
 人柄も頭も良さそうなお嬢さんですが、決してキラキラ光るような美人というわけではありません。テレビ画面からはとてもそんなふうには感じられませんでしたが、しかし実際には他の29人を圧倒するようなオーラを放っていたようです。

 この芸能人オーラというのには私も思い出があって、若いころ、東京の阿佐ヶ谷駅の近くでとんでもないオーラを放つ女性タレントに会ったことがあります。今は知る人もほとんどいない、あえて言えば三流の芸能人ですが、私は300mも先からとんでもない美人が歩いてくるのをはっきり感じていました。顔が見えるよりも前にオーラが見えたとしか言いようのない感じです。世の中に美人などありふれていますから、芸能界に出られるかどうかは、結局このオーラがあるかないかにすべてがかかっているのかもしれません。
 
 さて、私たちの世界にも独特のオーラをもった人々がいます。そのひとつは「恐怖のオーラ」です。
 大人どうしだとまったく分からないのに、子どもから異常に恐れられている不思議な先生たちが発するオーラです。

 私の知っているひとりは、まだ20代の非常に背の高い、すばらしい美人の先生でした。表情のとても可愛い方でしたが、これが子どもたちからとんでもなく恐れられている。ニコッと笑うとさらに怖いようなのです。

 もうひとりは30代前半の小柄な男の先生ですが、この方が「ちょっと話がある」と言って隣りの空き教室に子どもを呼び出すと、それだけでぼろぼろと涙を流し、あることないことみんな白状してしまうのだそうです(ないことまで白状してしまうので余計に混乱することも少なくありませんでした)。

 もちろん他にも怖がられている先生はたくさん知っていますが、いずれも怖いだけの理由があって、私にはよく理解できるのです。しかしこのお二人のことは最後まで分かりませんでした。

 もうひとつ。「心服のオーラ」としか呼びようのないものを持った人もいます。とりあえず一人、知っています。

 ひとつ方向が違えば絶対に新興宗教の教組になっていたと思われるような人で、何しろ何をやってもうまく授業が運ぶので、指導案を書くのはずいぶん下手くそでした。こんな指導案で授業ができるか、と思うのですが、実際には魔法のような流れで授業は進んで行きます。まるでリハーサルを何度も積んだかのように見えたりしますが、実際には一度だってやったりはしません。

 幸いなことに、しかしそうした特別なオーラを持った教員などほとんどいません。たいていは私のような「普通の人」が、自分にあった方法で努力しているだけです。

 教師業は本質的に職人芸の世界です。オーラをもつ人よりは遠回りになりますが、精進していれば必ず到達できる場所があります。





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