2008/11/19

授業の位置  教育・学校・教師


 若い頃から敬して遠ざけたもののひとつに演劇があります。芝居自体はたくさん見たのですが、劇団に近づかないようにしていたのです。入れば抜け出られないことが分かっていました。そのくらい魅力的な世界です。

 ところで、映画監督や演出家の頭の中には、演技に対する明確なイメージがあって、役者がそれにぴったりの演技をするまで果てしなくリハーサルを続ける、そんなふうに思う人もいるかもしれませんが、そういう監督や演出家はむしろ少数派のようです。

 演出家の多くは、役者が生み出す幾百の演技の中から自分のイメージをつかみ出そうとしています。演出家の頭の中にはモヤモヤとした何かがあり、それに対して役者は演技のカードを示し「これですか?」と問いかける、それに対して「違う、もっとこうだ」という演出家のカードが用意され、役者はまた新たな別のカードを差し示す、とそんなふうなのです。ですから完成した演技は、役者のものでも演出家のものでもなく、また役者のものであると同時に演出家のものでもあると言えます。

 授業者と児童生徒の関係も同じです。

 授業には指導案という設計図がありますが、その通りに子どもが動いたらよい授業というわけではありません。子どもたちが次々と繰り出すカードに対して授業者が別のカードを対抗させ、その結果両者の間に素晴らしい授業ができあがる、そんなふうなのです。

 さて、今日の研究授業、楽しみに見に行きましょう。

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2008/11/18

ハッピー・バースデイ  知識


 今日、11月18日はミッキーマウスの誕生日だそうです。1928年の11月18日、「蒸気船ウィリー」というアニメーション映画でデビューし、以後ミッキーは80年間、アニメ・キャラクターとして頂点に君臨し続けています。初期の声優はウォルト・ディズニー本人だったそうです。

 ではミッキーマウスのおもな出演作はと聞かれて、「ファンタジア」(1940年)以外に何か思い出せる人は、そうはいないと思います。ウィキペディア(インターネット上の百科事典)には「蒸気船ウィリー」と「ファンタジア」そして「ミッキーの代演奏会」(1935年)の3作だけが出ています。全て戦前の作品ですから、以後まったく映像にならないという意味でも不思議なキャラクターです。

 それに比べたらわがドラえもんは出ずっぱりですし、常に新しいアイテムを持って登場してくるから大変です。

 ちなみにドラえもんの誕生日は2112年9月3日。トーキョーマツシバロボット工場で、量産型の子守用ネコ型ロボット第1号として生まれています。「特定意志薄弱児童監視指導員」という肩書きを持っているそうで、本校に来てもらえば相当に役に立つロボットかと思います。
 


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2008/11/17

日本語のリズム  教育・学校・教師


 映画「レッド・クリフ」が評判になっているようです。これは「三国志演義」という小説の一部(「赤壁の戦い」)なのですが、一般には歴史書「三国志」の中に描かれていると信じられています。私は三国志についてはけっこう詳しかったのですが、それは横山光輝の「三国志」(マンガ)で読破するという、軟弱な方法で手に入れた知識であって、軽く手に入れた知識は軽くどこかへ行ってしまいました。

 さて、明治以降の日本の教養人にはほとんど漢文の素養がありましたから、文章はどうしても硬く、しかし重々しく、リズミカルなものになりました。リズミカルと言うと語弊がありますが、読んでいると確実に響いてくる韻があるのです。
 中島敦の「李陵」や「山月記」はまさにそうです。また私たち自身、「平家物語」や「方丈記」の冒頭文などは、どうしても暗誦したくなる気分になります。

 前にもお話しましたが、私は、文章は基本的にリズムで書くものだと思っています。日本人のリズムにあった文でないと、読むほうが素直に読めないと思うのです。世の中には翻訳書の嫌いな人がたくさんいますが、その理由の一つは、おそらく文が日本人のリズムに合わせきれないところからきているのでしょう。

 文をかける子どもを育てるということは、ひとつには語彙を増やし、そのぶん概念も増やすことですが、それと同時に日本語のリズムを体内に取り込むことです。リズムがなければ句読点も打てません。

 その上で、日本語のリズムを獲得するにはどうしたらよいのかといったら、これはもう音読しかないように思うのですが、いかがでしょう。

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2008/11/14

小春日和  歴史・歳時・記念日


 天気予報では、今日も「全国的に小春日和」だそうです。あれ? 昨日はそんなに暖かかったかなという思いもあるのですが、いずれにしろ寒くないのは良いことです。

 小春日和は、時に春のポカポカと暖かな日のことだと思っている人がいますが、実際は晩秋の言葉で、11月の突然の暖かな気候を言います。英語では「インディアン・サマー」、「突然襲ってくる」ということで白人がつくった言葉なのしょう。

 今朝は雲ひとつない晴天でした。西にビックリするほど大きな満月が沈もうとしていて、東からはこれもビックリするほど大きな太陽が昇ろうとしています。
 こうしたことも意識して周囲を見回さないとなかなか気づかないことです。

 ついでに、太陽は夏と比べて高いところを運行しているのか低い位置なのか、月はどうなのか、教室でカーテンを引いて勉強するのは夏なのか冬なのか、そうしたことも意図して気づかせてやらないと、なかなか分かるものではありません。
 子どもたちに、ちょっと話して見ましょう
 
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2008/11/13

いちいち大変だ  知識


チラッと見ただけなので前後の関係が分からないのですが、テレビのバラエティ番組の一部で、アリ(蟻)マニアのタレントが、「地球上のアリの数は1京(けい)匹、その総体重は地球上の全人類の総体重とほぼ同じ」とか言っていました。「へえ」と思いながら家を出たのですが、あとから気になってしかたありません。何となくピンと来ないのです。
そこで、ちょっと調べて計算することにしました。すると、

アリの平均体重を0.004gとして、その体重総計は0.004×(10の16乗)=4×(10の10乗)s、
つまり400億s

人間の平均体重を60sとすると、全人類は67億人だから60×67×(10の8乗)=4020億s

なんと、人類のほうが10倍も多いのです。

 テレビは日本中に放送されるのだから、よもやウソはつくまいと思いがちですが、実はしょっちゅうウソをついています。最近では、「日本の教員は世界一高い給与をもらっているにも関わらず、授業時間は世界一少ない。しかし1クラスあたりの児童生徒数も世界一多い」といったヨタ話がまことしやかに流されていました。

 数字で示されるといったんは信じかけますが、変だと思う情報の大半はウソです。マスコミの情報も、いちいち調べなければ分からない、厄介な時代です。
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2008/11/12

子どもの学力を上げるために  教育・学校・教師


  児童生徒の学力を上げるためにどうするか、という話になると必ず出てくるのが「教師の授業力向上」であり、それ以外の方策はほとんど出てきません。しかし教育方法の研究というのは明治時代から行われているものであって、過去100年間にできなかったものが、今日明日のうちに突然完成するとはとても思えないのです。

 もちろん、授業の最初には、必ず学習問題ないしは学習課題を黒板に書きましょうとか、必ず1回は話し合いの場面を持ちましょうとか、あるいは「まとめ・振り返り」の場面を毎時間つくりましょうといったことは、是非ともしなければならないことですし、頑張って毎日続けているうちに必ず成果の出てくるものです。

 しかしそうした、いわば定評のある方法を越えて、突然、授業力のアップする方法など実はないのかもしれません。

 もちろんそのための努力は続けなければならないにしても、教師の授業力向上に腐心するあまりに、今できる別の有効な方法が、おろそかになるようでは困ります。

 学習の場には、その主体である児童生徒がいます。教師がいます。教材があります。そして学習者を取り巻く環境があります。私たちは「教師」の授業力向上ばかりに目を奪われますが、主体たる児童生徒は勉強向けにほとんど改造されていません。

 学習環境として教室の飾り付けや掲示物は整えられていますが、クラスの集団が「学ぼう」「勉強しよう」「知ろう」「うまくなろう」といった雰囲気をかもし出しているかと言うと、これもかなり怪しくなります。つまり人的環境が整っているとは言い難い場合があるのです。
 教材教具は、予算の制約もあって、ほとんど十年一日です。
 
 繰り返しますが、教師の授業力向上とともに、他にも手をつけなければならないこと、できることはたくさんあるのです。そして時には、そちらのほうが早道だったりするのかもしれません。

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