2007/10/31

貧乏という教師  教育・学校・教師


  樋口一葉というひとはたいへんな貧乏をした人ですが、かなり気丈だったらしく、担保もないのに金貸しの家につかつかと上がり込んだことがあるようです。「オレの妾になるなら貸してやる」と言われて激昂し、憤然と席を蹴って帰って来たりしています。明治の女らしい一徹な、いい話です。

 その一葉が、苦労して集めてきた金を、母親が惜しげもなく他人に貸してしてしまうという事件がおきました。それを聞いた一葉は・・・
 それを聞いた一葉は「お母さん、それはいいことをなさいました」と答えるのです。明治初期の、まだ日本中が貧しかったよき時代のことです。

 日本中が貧しかったから、貧乏はさほど苦になりません。みんなが我慢しているから我慢もつらくありません。そういう時代が、おそらく1970年代の初頭まで続きます。そしてやがて、我慢することがばかげた時代が来ます。消費が美徳とされる80年代です。
 
 貧乏というすばらしい教師がいた時代、我慢を教えることはさほど困難ではありませんでした。
 しかし我慢しないことが美徳とされる現代にあって、それを教えることは容易ではありません。そして今や、それを教えるのは学校だけの仕事になっています。
 心して当たりましょう。



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2007/10/30

鬼は外、福は内  教育・学校・教師


 節分までにはまだ間がありますが・・・

 まったく世間に疎く、昨日になって初めて、世の中にはかかと部分のないスニーカーという摩訶不思議なものが存在することを知りました。クリックすると元のサイズで表示します
 どうせ普通の靴を履かせてもかかとを踏んづけてしまうのだからかかと部分なんかいらない・・・合理的といえばその通りですが、理屈に合っていても天の公理にあっているとはとても思えません。こんなものを履かせて学校に出す、親の気持ちも分かりません。

 さて、靴のかかとを踏んづけて歩くやり方を「サンダル履き」というのかと思っていたら、「そうではない、スリッパ履きというべきだ」と主張する人たちがいます。

 彼らによると、要するに、かかとを踏んづけて町を歩く子どもたちには「内と外」の感覚がないのだそうです。スリッパのまま出てきているのですから、家の中でそうするように、どこに行っても座り込む、へたり込む、しゃがみこむ。家でするように平気で食べ物を口にし、大またを開き、化粧する。
 では「外」がまったくないのかというとそうでもないらしく「彼氏の前でも化粧を直すのか」と訊くと確実に「ありえない」と答えますから、好きな男の子はどうやら「外の人」らしいのです。そこまで行かないと「外」になりません。

 ところがそれとはまったく逆に、「外」が恐ろしく身近にある子どもたちもいます。いわゆる「引きこもりの子」たちです。彼らにとって自室のドア1枚の向こうはすべて「外」です。親兄弟ですら気を許せる人ではありません。

 同じ世代でありながら、「内」と「外」を隔てるドアの位置がまったく異なるのです。一方は果てしなく遠いところにドアがあり、他方は目の前のドアにこだわっている。要するに、他人との距離感が、まったく適正ではないのです。





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2007/10/29

リンゴ  知識


 いろいろ調べてみたものの結局分からず、いつか答えに出会うに違いないと思って放りっぱなしにしているテーマがいくつかあります。そのひとつが「リンゴ」です。どなたかご存知の方がおられたら、教えてください。

問題は、
欧米では、なぜリンゴに特別な地位が与えられているのか?
と、いうことです。

 たとえば、 旧約聖書に登場するアダムとイヴが、蛇にそそのかされて食べた果実がリンゴということになっています。そこで、のどぼとけは英語でAdams Apple(アダムのリンゴ)と言います。
ギリシア神話には、「最も美しい女神に与えられる」と言われた黄金のリンゴを巡って3女神が争い、遂にトロイア戦争に至るエピソードがあります(パリスの審判)。また、ヘラクレスの12の冒険の中にも黄金のリンゴをとってくる話があるそうです。

 白雪姫が食べたのも毒リンゴで、毒オレンジや毒メロンではありません。ウィリアム・テルが息子の頭の上に乗せたのもブドウやスイカではありませんでした。

 ニュートンはリンゴの実の落ちるのを見て万有引力を発見したと言われていますし、ビタミンA・Dの発見もリンゴとの関わりがあります(アメリカのマツカラムは、1歳のときに壊血病で死にかかったことがある。りんごの皮を与えたところ大変気に入って食べたので、母親は子供が食べたがるのは体がそれを欲しているからだと考え、毎日食べさせたところ、彼の病気は快癒した。その事実を元に、成人したマッカラムはビタミンAとDを発見した)。

 ビートルズが1969年に設立したレコード会社は「アップル」と言いますし、ビートルズのドラマー自体がすでに「リンゴ」・スターです(これは関係ないかも?)。

 コンピュータ業界で唯一マイクロ・ソフトに対抗しているマッキントッシュ社の製品はアップル・コンピュータです。いや、そもそも「マッキントッシュ」自体が、日本名「旭」のリンゴの品種名です。

 どう考えても欧米人のとって、リンゴは特別な果実のようです。それはなぜでしょう?
 どなたか、ご存知でしたら教えてください。



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2007/10/26

ペルソナ  教育・学校・教師


 ペルソナ(Persona)は、芝居で使う仮面のことを言います。ラテン語で、原義は「人」。パーソナリティはこれを語源としています。つまり、パーソナリティ(個性・人柄)というのは「仮面」のことであり、生の、本音の自分のあり方ではありません。

 およそ本音だけで話し合える関係というものは、成熟した人間関係ではありません。家庭にあっても子は子として、親は親としての態度や表現を要求されます。
 私たちは親として、子として、配偶者として、社会人として、男性として、女性として、上司として、部下として、とさまざまなペルソナを持たねばなりませんし、実際に持っています。
 また、同じ「社会人としてのペルソナ」についても、その場その場で、いくつもの仮面を必要とします。たとえば、教員として公共の場で発言を求められた場合、教員というペルソナの中から、そのときの気持ちや考え方に元も近いものを探し出して、それを顔にあて、話をするのです。

 全校集会で発言を求められた子どもは、子どもとしてものを語ろうとしてはいけません。児童としてどう発言したらよいのかというペルソナにしたがって話さなければなりません。そのとき、1枚しか仮面がないとしたら、その子の表現力は恐ろしく貧しいものとなります。

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2007/10/25

全国学力テスト  教育・学校・教師

 
 全国学力学習状況調査の結果が発表され、今日の新聞各紙の紙面を飾っています。これまでのマスコミの報道と違って、意外に成績の良いこと、43年以前と同じ問題で1%〜40%も正答率が高かったこと、生活習慣も驚くほどしっかりしていることなどで、驚きの声が上がっています。各校、各地域で個別の問題はあるにしても、全体として、学校バッシングのトーンは下がるかもしれません。

 ただし、早くも「結局、これは塾が作り上げた学力ではないか」とか「(生活状況調査では)学校での設問だから子どもが、都合よく答えたのではないか」といった発言も見られます。

日本の子どもの通塾率が極端にさがっているとかTIMS(理数の国際比較)で最上位のシンガポール・香港・台湾・韓国といった国や地域が滅茶苦茶な受験地獄で、通塾率も異常に高いといった事実は無視されます。学校では子どもは都合の良いことを言うというなら、そもそもどのようなアンケートも無効でしょう。
 
さらに家庭生活について調査されたことを不快に思う親の言葉も採られていて、「各家庭さまざまな事情があるのだから、家庭生活と学力をつなげて考えるのはおかしい」といった発言も紹介されています。家庭で子どもがどんな生活をしていても、学校は子どもの成績を上げるべきだ、といった考え方に、マスコミも同情的です。

 まだまだ安心はできませんが、結局は事実で応えていくしか方法のないことです。じっくり考え、正しい道を歩んで行きましょう。


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2007/10/24

よい話をしよう  教育・学校・教師


 一日中児童に張り付いている小学校の先生と違い、中学校の先生は担任するクラスの生徒と触れ合う時間が極端に少なくなっています。特に美術や音楽の先生など、週に1回しか授業がない教科の先生方は、じっくり生徒を観察する暇がありません。ところが、これらの教科の先生方の中に、しばしば非常に優れた学級経営をする人が出てくるのです。

 この人たちは、何しろ時間がありませんから、朝の会だの給食の時間だの、あるいは清掃の時間といったものをとても大切にします。これについて、私は先輩の先生からこんな言い方で指導を受けたことがあります。

「結局、帰りの会なんかでいくらいいことを言ったってダメ、生徒たちは部活にいくことばかり考えていてまったく聞いていない。
 昼もダメ、血液はみな胃の方に言っているから話が聞けない。結局、朝の会だよ。朝の会にいい話をしてあげな。毎日5分、一年間で200日やれば、絶対子どもは良くなるって・・・」

 一日5分の200日、つまり1000分。授業時間(1時間=50分)で20時間にもなります。

 その先輩の話を聞いてからずっと、私は毎日、朝の会で何を話すか、それだけを考えながら登校しました。


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