2007/6/8

机上の空(から)論  教育・学校・教師


 A大付属中の職員室に入ると、そこはまるで空き教室のようだ、と聞いたことがあります。机が並んでいるだけで、机上には何もないのです。もちろん学校ですから毎日大量の書類やらプリントやらが配られるのですが、それらは机の持ち主によって繰り返し片付けられます。とにかく机上に何もなければいいのです。

 そのいじましいような努力が可笑しくて、ある日、からかい半分に、附属中の先生に聞いたところ、「まあ、あそこは会議室のようなものだから・・・」と言ったあと、「だけど結局、あれは自分の事務能力を誇示しているんだよ」と付け加えられました。これにはちょっと驚きました。

 当時私は机上に「Tタワー」と呼ばれる書類の山を積み上げていて、それが私の抱える仕事の量を誇示しているかのように感じていたからです。しかし実際には、それは「まだやっていない仕事」の山を見せているだけで、裏返せば能力のなさを誇示していたともいえます。これには怯えました。絶対に机上は整理しなければと思いましたが、同時に、その仕事の山を整理することなど、到底できるとは思えなかったのです。毎日はめちゃくちゃ忙しく、現実問題として可能だと思えなかったのです。けれど心やましいままいるのもいやなので、ものは試しと、やってみたところ・・・これができたのです。

 新しいことが次々と出てくる4月・5月はかなり大変でしたが、6月くらいから軌道に乗ると何とかなります整頓に必要な時間はおよそ15分。「さあ、帰ろう」と思ったところから生み出す15分ですから大変ですが、習慣になると意外にできます。あとは習慣を失わないように、わずかな努力で支えていけばいいだけです。

 もちろん附属中の先生方全員が整理能力に優れているというわけではなく、書類を持って行った先の研究室で○○タワーを築く人もたくさんいたみたいですが、それはそれでいいのです。要は美意識の問題です。

 本校は職員室に棚というものがほとんどないので、整理といっても大変です。ものがなければ工夫にも限度がありますが、しかし考えてみたいところです。

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