2005/11/4

「今ごろこんなことを言うのもナンですが・・・」  教育・学校・教師


 運動会・水泳大会・スキー教室・スケート教室・音楽会・写生大会・学校文集・書初め大会・・・・すべてやっているという学校もないと思いますが、全校で取り組んでいて教科と直接関わる行事というのはこんなところでしょう。しかしそれにしても全校算数大会とか理科行事とかはどうしてないのでしょうか? 社会科行事や家庭科大会というのも聞いたことがありません。

 実はこれら体育的行事・芸術的行事は教科の発展ではなく、知育・徳育・体育という教育の三本柱から逆に返されてきたものなのです。学校教育はこの三つをバランスよく保たなくてはなりません。けれどただ国・社・算・理・音・図・体・家の8教科をやっているだけだと体育は1/8に縮小された形になってしまいます。また徳育に関わる道徳は年間35時間しかありませんから、そこだけでやろうとするとまったく足りないのです。そこで運動会や音楽会の必要性が出てきます。写生大会や学校文集も同じ文脈です。

 さまざまな経験から、教育者たちは音楽や絵画・作文などが人間の心にもたらす価値を見つけ出しました。その後、臨床心理学や精神病理学の世界でもこれらが見直され絵画療法や音楽療法として発展します。なぜそれが人間の心を癒すのか、そのメカニズムはよくわかりません。しかし臨床心理学などは「経験の学問」ですから、とにかく効果があればいいのです。教育学も同じです。

 芸術はすべて教育的価値がありますが、中でも音楽には特別の地位が与えられています。それは民族の壁を一番乗り越えやすいということと同時に、一人ではできない場合がある、という側面をもつからです。
 特に合唱の場合、隣りの仲間も大きな声で一生懸命歌っていると信じなければ容易に声の出るものではありません。指揮者の指先に全員の気持ちが集まらなければ、それだけでうまく行きません。つまり「周囲を信頼する」「全体のために精一杯を尽くす」「集団を一点に集中させる」といった道徳的価値が、合唱から実現する可能性が非常に高いのです。

 さて、明日はいよいよ音楽会です。すばらしい曲を聞かせるとともに、仲間と一緒にひとつのものをつくりあげた喜びを味合わせ、未来への糧にしたいものです。
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