2011/6/2

発達障害の子たちの個性  教育・学校・教師


 先週の水曜日の「ザ!世界仰天ニュース」は「変わった子と呼ばれた苦悩の32年間」という題名のものでした。

 予告を見たときに、ああこれはADHDの話だなとすぐに思ったのですが、何しろ「仰天ニュース」ですからロクな扱いはされていないだろうと思い、嫌な予感を感じながら見ました。

 案外まじめな番組でした。おそらく発達障害についてはほとんど知らない人がにわか勉強で構成したもので、それゆえの思い違い(例えば高機能自閉症はアスペルガー症候群とよく似た発達障害でといった言い方)はありましたが、素人ゆえの面白い見方もあって少し感心しました。それはADHDとアスペルガー症候群と高機能自閉症、そして手先の不器用さと知覚過敏をほぼ同じ重さであつかっていることです。

 ちょっとおさらいしますが、広く自閉症と呼ばれる障害を持つ子どもたちは三つの特徴を持っています。
@社会性の障害(目が合いにくい、他の子と遊ぼうとしない、興味のある物を見せに来ないなど)
Aコミュニケーションの障害(言葉の欠如や遅れ、オウム返し、会話が一方通行など)
B常同行動、固執行動(こだわり、儀式行動、反復行動など)」がそれです。

 単に「自閉症」と言ったときにはこの三つの特徴以外に「知的遅れ」を持っていますが、知的に問題のない子は高機能自閉症と言います。高機能というのは「普通」といった意味です。

 その高機能自閉症の中で、言葉に問題のない子たちをアスペルガー症候群と呼びます。障害の程度に軽重があって軽い場合にはほとんど気づかれない、だから厄介という面もあります。

 しかしこの高機能自閉とアスペルガーとを分けない研究者や医師もいて、それを両方併せて高機能自閉と呼ぶ場合もあれば広汎性発達障害と呼ぶ場合もあります(「広汎性発達障害」はかつて自閉圏の障害とADHDやLDなど発達上のすべての障害を含む概念でしたが、今は自閉関係に限られてきたようです)。

 重い自閉から人に気づかれないほど軽いものまでは、程度の差であってひとつながりのものですから、その全体を「自閉症スペクトラム」と言います。
と、以上が基本的な分類なのですが、実際の子どもに会うと、その“個性”の多さにはびっくりします。確かに学んできた特徴は見え隠れするのですが、全体を見るとそれぞれがあまりにも違うのでそのたびに対応を考え直さなければなりません。これではいつまでたってもケース・バイ・ケースを逃れることはできません。

 発達障害の子の様態が非常に多様である理由の第一は、個々の障害を単独で持つ子はむしろ少なく、「ザ!世界仰天ニュース」で取りあげられた女性がそうであるようにADHDとアスペルガー、さらにLDなどを重ね持つ子がたくさんいることによります。重複の度合いよって“個性”らしきものが生まれてきます。したがって私たちは、一人の子の中に何がどの程度あるのか知る必要があります。

 理由の二番目は、不登校や暴力といった、本来は発達障害の特徴ではないものを重ね持っている子がたくさんいるからでもあります。これは本来の障害に必要なケアを十分受けられなかったため、そこから生じる二次障害なのだと説明されます。二次障害が消えると本来の障害が見えてきます。私はそんな例をいくつか見てきました。

 そして今回、「ザ!世界仰天ニュース」を見ながらふと考えたのは、「『手先の不器用さ』や『知覚過敏』が本来の障害と重なる度合い」が、“個性”を生み出しているのではないかということです。

 これは単なるアイデアです。しかし「手先の不器用さ」や「知覚過敏」が、日々の生活をどれほど困難にしているかを想像することはそれほど難しいことではありません。私たちはそこにも十分なケアをしていかなければならないはずです。


 発達障害を持つ子たちは本当に苦しい人生を強いられています。一人ひとりに接すると、とてもではありませんが可愛いとは言えない人もたくさんいます。しかしあの人たちは本当にたいへんなのです。

 
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