さずがに大阪は遠い。取引先の会議があってもめったなことでは行かれない。
最後に行ってからもう10年ぐらいはたっているのかなぁ。
そのくらい前の話・・・
一週間ほど前から少しずつ余分にエサを作っておき、鶏小屋の具合の悪いところは修理して作業をしやすいようにして、家族にまかせて会議に出かけた。
会議は無事終わり、さすがに帰ることは出来ないので、大学時代の友人マツオ君のところに泊めてもらった。
翌日、帰りの長距離バスの出発時刻まで中途半端に時間がありどうしようかと考えているとマツオ君「博物館行きませんか?」と誘う。
場所はなつかしい大阪万博(1970年大阪府吹田市)跡地。
太陽の塔があって、エキスポランドがあって、何とか館かんとか館の跡地って小さな看板が立ててある。
当時は会場のどこもかしこも行列だったんだよなぁ。
さて、お目当ての国立民俗学博物館。あれ?これって当時の日本館の建物じゃない?そうだよね。へえ〜・・。
中に入ってみるとまあきっちりぎっしり「民俗学」が詰まっている。
世界中のものが集められているし、日本の展示も充実だ。
昔話ももたろうの朗読を日本各地の方言で聞くことが出来る視聴覚展示があったり、イヌイットのサングラスを実際にかけてどのぐらい効果があるか体験出来たり。あちこち工夫がしてある。これはおもしろいぞ。
その中に「ジプシーの荷馬車」の現物が展示してあった。
これがそうか。案外小さいな。でもまあ、馬にひかせるのだからこんなものか。綺麗にかざってあるんだな。色使いがまたいいな。
ジプシーやモンゴルの遊牧民や、移動しながら暮らす人々がいる。
家畜を飼ったりしながら広大な土地を最少の家財で移動し、暮らす人々がいる。定住し稲作をする人たちとはいろいろと感覚も違うのだろう。
うちの農場に園芸用のパイプハウスを利用した鶏小屋がある。
実はこれにわとりの「遊牧」を試みた残骸(?)なんですよね。
耕作放棄された農地にこれを建てニワトリを飼う、というシステムを考えたことがあった。
地元の人とそうやって鶏を飼い、たまごを穫りながら畑を再生して、産卵が終わったらまた別の畑にこれを組んで飼う。遊休農地を耕しながら糞を入れるという遊牧を考えたことがあった。
結局手間が多すぎて計画倒れだったけど、そんなことがありました。
(同じ頃、四国のみかんの産地でも同様の試みがあると、業界新聞に載っていました。その後そちらもあまり聞かないのですが、そちらはホントに遊牧民のパオ(テント)風の鶏小屋でした。)
いずれ丸太の小屋に建て替えるつもりだからろくに手入れもしていないパイプハウスの鶏小屋は、そんな若い頃の村おこしの夢の「残骸」です。
いや〜とても半日じゃ回りきれないな。「もう時間だ。じゃマツオ君また会おう。」
おみやげはカップ麺「きつねどんべえ」。
関東と関西じゃ、味が違うって雑誌に書いてあったからね。
帰ってお湯を沸かして食べくらべ。
ふ〜ん、なるほど全然ちがう。岐阜のあたりでわかれてるん?へ〜。
ちょっと「民俗学」してみました。