農場の入口の県道につながる道は、舗装はされているものの、軽トラ2台がギリギリすれ違える細い道で、さらにカーブの坂道で、見通しが悪い。
まあ、昔の馬車道(農道)そのままの道だから、日本国中どこにでもあるあたり前の農村の道。
夕方、道路に近い小屋の中で作業をしていると、窓越しに結構なスピードで軽乗用車が下っていったのがちらりと見えてすぐ。
キキーッ!
一瞬静かになって、入れ替わりに卵の集荷の2トン車が入ってきた。
「今、ぶつかりそうになった?」
女性ドライバーのアサカワさんに聞くと
「うん、危なかったよぉ。。。」
「だよね。あそこは徐行だよねぇ。。。」
道幅も地形も、昔のままの造り農村の集落の、その奥の山が切り売りされて宅地になり、そこに八ヶ岳の自然を求めて人が移り住んでくる。
だから。
「馬車道」も何も、それは舗装された車が通る道。
別の日。
朝、同じ道を犬の散歩をしていると軽トラが止まって声がかかる。
「サトーさん、悪いけんど今度またセンギ(用水路)の大掃除やるから草を刈っといてくんねい。」
と田んぼの水管理を終えた地元のおじさん。
そんな会話をしていると、後ろから車。
おじさんは気付かず道をふさいでるから車は止まり・・・10秒。クラクションが鳴らされた。
へ?!
農道で軽トラのおじさんと犬連れのオヤジが話をしてるんだから、そりゃただの立ち話じゃねーよ。
何らかの農村の情報交換に決まっている。
しかもわかっている旨手を上げて知らせているにもかかわらず10秒でクラクション鳴らされちまった。
しかも通り過ぎる時にらまれちまった。。。 女性30代かな?
山が売られ、構造から農村が壊れていく。
という事は、何らかの価値観も壊れていくという事だと思う。
では、それに代わる哲学やモラルを構築出来るのかどうか?という事なんだけど。
壊れていくスピードの方が、はるかに速い。
