去年のクリスマスの日、お菓子屋さんの店前で、エラい怒っている人がいた。
スーツ姿で、スマホの通話相手に、大きな声で、エラい勢いで怒っているオジサンがいた。
あ〜オジサン、えらい怒ってますなぁ〜、仕事のトラブルだね〜
とか思いながら隣の店に入り、用を済ませて出てくると・・・
まだ怒っていた。
その間15分。
「・・・辞めるって言うけどね、このままじゃ無責任じゃないか!・・・」
聞くつもりは全然無いけど、すごい大きな声になってきちゃってるから聞こえるよ。
周りにいる通りすがりの人もあんまり大きな声だし、ずっと怒りっぱなしだから、おかしくって半笑いになっちゃってる。
何怒ってるんだろね〜(半笑)
それにしても15分だよ、よく怒り続けられるよなぁ〜(半笑)
相手もねばるよな〜、15分だよ〜(半笑)
すごいエネルギーだな。人間てこんなテンションでこんな長い時間、誰か相手を怒り続けられるんだ。
感心を通り過ぎてあきれて、通り過ぎてもう一回感心してしまう。
こんなに酷く怒ったらもうそれだけで一日が終わっちゃう。上がったテンションをどうやって下げるのだろう?
オジサンの体形からすると、夜の暴飲暴食だな。
大変だな。。。組織って結局労務管理がすべてになっちゃうもんね。
スーツ着て脂ぎって、仕事だからって誰かに怒りの感情をぶつけて。
お給料のためとはいえ、オジサンは定年までその生き方でいくんだろうな。
別の時、八ヶ岳の南麓の大きなホームセンターの駐車場で。
アルバイトの店員さんを、大きな声で怒鳴りつけている年配のオジサンがいた。
何だろね〜?
そのアルバイトにーちゃんが何したんだか知らないけどサ。
オジサン、そいつアルバイトだよ、しかも田舎のホームセンターの。
そんなに怒鳴る事ないじゃん。
身なりや言葉から察すると、このあたりに別荘を持ってるか、最近定年移住したって感じだけど。
このあたりに別荘を建ててその高級セダンに乗るには、大きな企業に長く勤めて退職金もいっぱい出たんだと思う。
いっぱい仕事はしたけれど、「徳」は積まなかったのかな?
それが良い事か悪い事かはわかんないけれど。
山村で自然に寄り添って農業をやっていると、怒りの感情が少なくなっていく。
自然に農業やってると、どうにもならない事が多いからだね。
生産して販売して営農するのに、いくら管理しようと思っても、ケモノや天気や疫病がその計画を踏みつぶす。
もちろん工夫はするけど、どこかで諦観(ていかん)しないと、やれない。
それと。
怒ってたんじゃ、家畜や畑や栽培する植物と、上手くやっていけないんだよ。
怒ってたんじゃ、鶏は卵を産んでくれないんだよ。
怒ってたんじゃ、生産物が本当に美味しくならないんだよ。
経済が大きくなって、社会の中で農業の比率が少なくなって、みんな忘れちゃったみたいだけど。
「怒る」って感情にそういう一面があると思う。
エラく怒っているオジサンを見て、鶏飼いオヤジはそう思った。
(画像は近所に出来た野菜生産工場越しの八ヶ岳。この工場長の仕事は・・・多分怒る事。)
