養鶏が仕事だから、毎日いつも着ているのは作業着だ。
季節によってツナギやらアウターを重ねて着るけれど、基本になっているのはTシャツとジーンズだ。
学校を出てすぐに現場に出たから、もうずーっとそればっかり。
スーツなんて着るのは冠婚葬祭の時だけだなぁ。
ま、農民だからそんなもんか。
リーバイス501というジーンズがある。
リーバイス社が作る501という番号のジーンズということなんだけど、そのお話。
学校を出て、最初に働いたのがカリフォルニアの野菜農場。
90エーカー(11万坪弱)の畑でいろんな野菜を作り、シボレーのピックアップトラックを乗り回し、朝から夕方まで乾いた畑で砂だらけになって働いた。
そのときはいていたのがリーバイスの501。
他にジーンズなんていっぱいあるんだけど、当時カリフォルニアの農場あたりの人はみんなそれをはいていた。
アメリカの田舎のことだから、ファッションのことなんか頓着しないんだろうけど、ほんとにみんなリーバイスの501をはいていた。
いつもいっしょに仕事をしていた出稼ぎのメキシコ人たちもリーバイスの501をはいていた。
たしかに丈夫なものだったし、洋服屋でときどきバーゲンやっててそれを狙えばまあまあ手頃だったけど、それにしてもみんなみんな・・・
という謎が解けるのは日本に戻ってから。
他のジーンズをはいて農作業をしてみると、よくわかった。
501というジーンズの形状が何とも微妙に動きやすいのである。
その上ごわごわした布が体を守ってくれるから、広い畑で激しく働く農場の作業や、何でも自分でこなさなきゃならないアメリカの田舎暮らしにはぴったりなのである。
街中でおしゃれではくジーンズでもなく、日本の稲作の農作業でもない、アメリカの農場のための野良着なである。
それに気づいてからまた何となく501をはくようになった。
うん。動きやすいし、タフな仕事から身を守る感じ。
家畜を飼う仕事にはやはりぴったりであると思う。
(デニムの原料 綿花の遺伝子組み換え技術についてはまたいつか・・)