農場から車で30分程行ったところの八ヶ岳東側に野辺山というところがある。
野辺山は標高1400メートル前後の広い高原でレタスなんかの高原野菜や牛乳の産地だ。
国立の大きな電波望遠鏡があって・・宇宙に近いんだね。
そこで先日市民マラソンがあった。
こじんまりとした大会だけど、ハーフや2キロ、5キロなんてのの他に100キロマラソンなんてのがあったりして、なかなかの盛況ぶり。
そのハーフマラソンに東京の親戚が参加するってんで、ちょっと応援に行ってきた。
ニワトリの作業を終わらせて、ゴール時刻に会わせて会場へ。
近道をしようと脇道に入ると、通行止めになっている。
交通整理の係りに聞いてみると、ひどく無愛想な返事。
「俺、こんなことやってる場合じゃないんだよなー・・」って感じ。
農家のにーちゃんかなぁ?なら、わかるよ。だってこの時期、高原野菜は苗の定植で最も忙しい時期だもんね。
コースの途中の畑にも、まさに「途中です」って感じで定植の道具がほっぽってある。
ゴールで迎えて、「おつかれ」をして、
「なんでこんな忙しい時期に野辺山でマラソンなんだろ?」
って話になった。
なんでかな?・・・
「夏じゃだめなの?」「収穫・出荷でそれどこじゃないんじゃない?」
「秋は?」「う〜ん・・収穫終わった後の畑って何かきれいじゃないじゃん。」
そっか。
野辺山は今が一番きれいなんだ。
あたり一面、雑草をおさえるための白いビニールマルチが張ってあって、そこにレタスの小さな苗が植えてある。
人工的な、不思議な、ある種の芸術のような風景がずっと山裾に広がっている。
野辺山の人は今のこの時期の畑が見てもらいたいのかもしれないナ。
作物栽培や家畜の飼育は、極めて人工的なことです。
山を拓き畑にし単一の生物を栽培・飼育する。そういう人の営みだと考えます。
一面の○○畑にいると「美しさ」を感じてしまうのは、そんなところにルーツがあるのかもしれません。
ただ、そればかりだと環境に負荷がかかりすぎる、ということも同時に思いまして。
何とかいいバランスで食糧の生産をする方法を探そうと。その模索の一つがうちでやっている平飼い養鶏のスタイルなのだと思っています。
もうひとつの「美しさ」ってとこでしょうか。
会場出口でもたもたしていると、朝5時にスタートしたという100キロマラソンの先頭ランナーが戻ってきた。
標高差1000メートルもあるこの100キロの山岳コースを7時間40分で走ったんだそうだ。
う〜ん・・何か、すごすぎて、そんな農業談議が吹っ飛びそうだ!