たまご農場のブログだから、基本、鶏やヒヨコの楽しい話が書けたらいいな、と思っている。
だけど、うちはそれを生業にしているリアルな生産農場だから、ホントはそんないい話ばかりじゃないんだ。
今までたくさん失敗をして、事故や病気でたくさん鶏を殺してしまった。
今でも、たまには、病気や老衰で死んでしまう事がある。
鶏を飼って暮らすということは、ずっと鶏の死体とつきあうことでもある。
だから、死んだ鶏がその後どうなるかも、よく知っている。
腐って、すごい異臭がして、ハエがたかり、ウジがわき、骨になる。
そりゃそうなんだけどね。
実際どんな感じなのかってのは、まのあたりにしてその臭いを嗅いでみないことには、わからないと思うよ。
で、それはどんな動物でも同じで、ときどき森や川原の散歩で死体を見つけるキツネ・ウサギ・ヘビ・イノシシ・リス・アナグマ・サル・シカ、みんな同じだ。
ヒトも同じ。
森の中で野垂れ死にすれば、
腐ってすごい異臭がしてハエがたかりウジがわき骨になる。
少し前に、かの戦争の特攻を題材にした小説が売れた。
映画化されてさらに売れた。
戦時中の自己犠牲の精神を褒め称える内容だと聞いているけれど・・・
それってどうなんだろう?
違うと思う。
自己犠牲の部分だけ取り出して、美しい物語にすれば、そりゃ売れる。
だけど。
若くて美しい若者をそこへ追い込んでいった社会や大人たちの事は書かんでいいのかな?
若くて美しい若者がそうやって死んで、腐ってすごい異臭がしてウジがわいていく事は書かんでいいのかな?
作家を名乗る罪深い奴だと思う。
よく言われることだけれど、突き詰めれば、戦争は経済活動だ。
資源や利権を目的にした経済活動だ。
今世界で起きている紛争もよくよく観察して、落ち着いて分析すれば、経済の話になってくる。
それで最後はどこかにお金が集まっていく。
世界のどこかのお金持ちの、経済活動の延長線上で死んだり殺したり。
世界のどこかのお金持ちのために、戦場に駆り出されたり送り出したりなんてまっぴらだ。
だから
僕は
投票に行く。
