少し前の新聞に広告が出ていたんで、それで知った本。
まだ読んでないんだけどね。
平飼い卵が題材だもんで。
食品の安全神話を深くえぐる問題作登場!
天使の卵か悪魔の卵か……。
吉祥寺にある有名自然食品店で売られている卵は、極上の味、『極卵(ごくらん)』と呼ばれて大人気の商品だった。しかし、この極卵を原因とする、食中毒事件が発生。時間がたつうちに幼児の感染者が次々に死亡していく。餌、衛生管理は完璧だったはずなのになぜ汚染されたのか。
疑惑を追い始めた元新聞記者の瀬島桐子。桐子の同級生だった野々市純子の長男も中毒患者のひとりに。純子はカリスママダムといわれブログ上では著名な存在だった。被害が拡大していくなか、過激なまでに業者を糾弾していくモンスター消費者の広告塔に祭り上げられる純子。話題性抜群と、事件を煽る新聞、テレビメディア各社。そして事件の裏には遺伝子組み換え食品を手がける大企業の影が……。
偽装食品、遺伝子組み換え食品など時代を揺るがす事件が多発する現在、食品の安全とは何かを鋭くえぐる社会派ミステリーの登場。「これは、私の最高傑作」と言い切る医療ミステリーの旗手仙川環が二年に渡って執筆した傑作書き下ろし作品。
というお話で。
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/4469
http://www.amazon.co.jp/%E6%A5%B5%E5%8D%B5-%E4%BB%99%E5%B7%9D-%E7%92%B0/dp/4093863873
広告のコピーを見て、読んでみようかなとは思ったんだけど、ちょっと躊躇しちゃって・・・
あらすじ読んでみても・・・う〜ん・・・
ここで農場始めて30年近くになる。
平飼い卵ってやつを生産して、自分で営業まわって、自分で出荷して。
営林署と話して山入って国有林の木を切ってってところから、ヒヨコ屋さん行ってヒナ引き取って育てて、とか、とか、とか。なんやらかんやら全部自分でやった(そうせざるを得なかっただけなんだけどねw)から、生産現場全般(飼料業界や養鶏業界、政治家、薬品メーカー、育種業者、畜産農家、廃鶏業者)から有機農産物流通業界、お客さん(消費者ってことですね。)までひととおり知ってるつもり。
だからねぇ・・・
この話に出てきそうな、どの場面もどの現場も立ち会ったり経験してそうで、あまりにも現実すぎて、アマゾンで即買!ってならないんだよね・・・苦笑
一般読者の掲示板みたいなところ覗いても
「4個で1000円高いっ!」とか
「輸入食品の事もあったし・・」とか
「私は大丈夫?」とか
そういうトーンのコメントが多い。
う〜んそのあたりのリアクションもここ30年来変わってないなぁ・・・
まぁ「食べる事」ってのが、「自分の命を維持する」っていう生き物として根源的な行為だから、そんな風に利己的になるのはしかたないのかもしれないけどね。
けどね。
ここ30年近くかかわってきて、なかなか状況が変わんないのは(自分も含めて)コンシューマーの利己主義が食品を取り巻く環境を決定してる、って事にまだまだ対応出来てないってことなんだよな。。。。。
一人でやってるちっぽけな農場だから、なかなか出かけられないんだけど、少ない機会で出会った人に食品・食糧を「公的」にとらえて活動している人たちがいる。
食品ロスを減らそうと世界のあちこちの会議に出張っては「モッタイナイ」を叫ぶ農水省のNさん。
どうしても光が当たりにくい地域農業を何とか盛り上げようとする全農のOさん。
食品の裏に広がる生産現場の世界をあの手この手で伝えようとする編集者のKJさん。
み〜んな必死。
食品や食糧の話は、「公衆衛生」の話なんだよな、と思う。
そこんところをね、伝えたいんだよな、と思う。
(・・・で結局、図書館で借りてきた。読んでみる。)
