普通のタマゴは卵黄に着色するためにエサに卵黄着色剤を入れます。
タマゴの黄身の色をそろえたり、特徴のある色にして、有利に販売するためです。
「特徴鶏卵の最も重要な要素ともいえる卵黄色・・」
なんて業界誌に書いてあります。
へ〜そんな風に考えるんだ・・・
タマゴの黄身の色はエサで決まります。
まずトウモロコシの色。
これはルテインとかぜアキサンチンとか呼ばれる色素の色で、配合比率によって濃淡があるもののレモン色の黄身になります。
乾燥して粉末にした牧草、アルファルファミールも黄身の色つけになります。
これはキサントフィルという物質の働き。
と、ここまでは黄身に色を出す古典的なエサ。
以前は、これに赤色2号なんていう石油由来の食紅をえさに添加して色をつけていましたが、発ガン性の可能性の疑いがある、ということで使われなくなりました。
それに代わるものとしていくつか着色目的の飼料原料が出てきました。
パプリカ。
もうちょっと前から出てましてお馴染みですね。
乾燥粉末を使うのですが、現在は「いったん色素のみを取り出し、退色しにくく濃度を一定にしたものが主流」なんだそうです。
どんな処理をするんでしょうね。
添加量に応じてオレンジから朱に近い色まで操作出来るんだそうです。
ファフィア酵母。
「アスタキサンチンという色素を多く含む天然酵母で・・・」と書いてあります。
オレンジ系の色素です。タマゴのラベルが天然酵母使用っていう表記になりそうですね。
カンタキサンチン。
「天然に存在する色素だが、同じものが大量に化学合成でき、これがパプリカと似た効果をを持つ卵黄着色料として」・・・そうなんだ。オレンジ系。
マリーゴールド花弁色素。
「ルテインを多く含んでいる。ルテインは眼病予防に効果があるともいわれ、健康食品の資材にもなっている。」ほ〜、レモン系。
とまあ、こんな感じの材料で飼料メーカーはエサを作っていきます。
その中から各農場は、自分の農場で生産するタマゴの販売戦略を立て、黄身の色を決めて、エサを選んでいきます。
だからエサの研究開発部門は、食品工場でプリンやカステラにした場合どのようになるのか、という実験もしています。
大量に生産されるタマゴは、スーパーのタマゴ売場にも並びますが、やはり食品工業で使われる大量のタマゴの需要が前提になっていると思われます。
さてと。
大量に生産できないうちの農場は、そういうことにまったく無頓着でやっています。
季節によって黄身の色は変わりますし、一個一個ばらつきがあります。
ご家庭の食卓か、小さなお店の厨房か、そういうお客様へお届けしているからでしょうか。
そのことでご要望があったことはありません。
もっとちがうことをお求めのお客様なのだろうと思っております。
大量に生産はできませんが、食卓で使っていただけるタマゴです。