山梨県動物愛護指導センターというところに向かう。
甲府盆地の南の端の方、笛吹川の川っぺり。
養豚場や養鶏場がある狭い道を入っていく。
畜産試験場があってゴミ処理センターがあって、その行き止まりにその施設がある。
車で入っていくと、広くなっていて、ロータリーの真ん中に一本、木が植わっている。
庭は芝生。
土曜日の午後だからだろうか、人の気配はない。
建物に入り、会議室に通される。
カーテンが閉められ暗くなっていて、すでに犬の食性についてのビデオが投影されている。
時間になり、照明がつけられ挨拶が始まる。
それから法令に関しての説明があり、またビデオ。今度は犬の習性と飼い方について。
30分程のビデオを見て、少し間があく。
配られた資料をパラパラ見ていると、この施設のパンフレットがあった。
ここが、本館会議室か。この裏が動物管理棟っていう建物なんだ。
飼料倉庫、子犬管理室、負傷動物管理室、病性鑑定管理室、猫管理室。
それから。
その前が通路沿いに一列になっている。
成犬管理室1、成犬管理室2、成犬管理室3、成犬管理室4、成犬管理室5。
そして通路のつきあたりが、処分機。
焼却炉1、焼却炉2。
「外へどうぞ。」
うながされて外へ出る。まぶしくて暑い。
ロータリーの木の下で、散歩のしかたの講習になる。
「では、譲渡を希望の方はここに残ってください。」
建物の脇から犬が運ばれてくる。そのうち子犬は3匹。
落ち着いて、心を澄まして触りまくる。
「この子と帰ります。」
「ありがとうございます。」
中に戻り、書類を作る。
帰り際、持っていったうちの犬の写真を渡す。
「平成15年の3月に譲渡を受けた子です。」
そう告げると職員の方はうれしそうに笑い、ぱたぱたと事務室に入っていく。分厚いファイルを抱えて来た。
「この子ですねー。」
うちの番犬になる前の子犬の時の写真があった。
箱に入れて軽トラの助手席に乗せる。
さあ、君は農場の番犬だ。一緒に帰ろう。