農場の入口のエサ小屋にたたみ一畳大の自作の黒板が立てかけてある。
元々農場開放日なんかに子供たちが落書きするようにに作ったのだけれど、今はブログのネタを思いついたら書きなぐっておく。(こんなブログでもネタにつまることがある。)
ご近所のお客様、同い年のオジサン J さんがそれを見つけて、いないときに落書きしていったり、メモ書きを見てひやかしたりする。
「ほぉうー、シカゴ美術館・・これ何?(ニヤニヤ)」
「ん?まったくもーうるさいんだよ(笑)アメリカで実習したあとシカゴの美術館に立ち寄ったら中で仏像展やってた、っていうネタにならなかったネタだよ。」
研修期間を終え、実習をしていたサンディエゴ近郊からニューヨークちゅうもんを見てみたい、ってことで飛行機で行ってみた。
途中、コーンベルトと呼ばれる穀倉地帯の上空を飛ぶ。
窓から下を見ていると、コンパスで円を書いたような図形がいくつもある。
畑だ。
写真では見たことがあったけれど、なるほどこれがそうなんだ。
日本のように雨が豊富に降るところにいると、作物の水管理は雨まかせが当たり前のように感じられるけれど潅漑農業をしている所は多い。
このまるい畑も円の中心に井戸があり、水を汲み上げそこから管を伸ばし水をまき、作物を育てる。
少しずつ管を移動して水をまくから、畑の形が円になる。
土地が広い。だからその円と円の間の角をどうにかしようなどとは思わない。
とにかく広く、水が届けば畑、届かなければ作らない、のである。
そういうところで鶏のエサは作られている。
このオジサン J さんは、経済誌に記者出身だから経済の話になる。
「遠い国から穀物を運んできて家畜を飼うっていうスタイルもどうなんだろう?と思うよ。」と言うと
「そうだね。ビジネスモデルとしては、もうちょっと古い感じだね。そろそろ変わってもいい。」
なるほどねー。ビジネスモデルね。そういう単語を使うと理解しやすいのか。
もっとも、うちはビジネスとかビジネスモデルとかとは無縁の小ささのままだ。
大きいことが出来ないのはわかっているから。
では何なら出来るのか?そんなことを毎日考える。
う〜ん・・・
シカゴから帰国の集合地サンフランシスコへは長距離列車に乗った。
ただ車窓からの景色をながめる退屈な旅なのだけれど、それが楽しい。
途中だだっ広い何もない荒れ地にさしかかる。ちょうど眠くなり眠ってしまう。
一眠りしめ目が覚めても、まだその平原の中にいた。
とにっかく広いところだったナァ。