どうもちょっと調子が悪い。
のどが痛い、目やにが出る、何かだるい。こりゃ風邪だな。
何処でもらったかな?そういやぁこの前買い物した地元のスーパーでゲホゲホやってる人がいた。宅急便のおじさんも鼻声だった。段ボール屋の営業さんはガラガラ声で赤い目で・・・
いけね、体が弱ってくると心まで病んでくる。自分の不注意だろ。他人のせいにすんじゃない。
「陽性反応、出ましたね。EDS-76です。」
もう10年以上前になるけど、あるとき急ににわとりがたまごを産まなくなった。
特別何か症状があるわけでもない、ただ産卵率が悪くなった。
経験にないことだったから、よくよくにわとりを観察して、病気の図鑑を見てみてもわからない。
しいてあてはめると、産卵低下症候群1976年型という病気かな?と思えたけど「日本では発生が見られないから、一般の養鶏場ではあまり心配しなくてよい。原種鶏のヒナを輸入する種鶏場(ヒヨコ屋さん)は発生の多いヨーロッパからの輸入の際注意が必要である。」なんて書いてある。
いつもいろいろおしえてもらうヒヨコ屋さんに聞いてみると「EDS-76?そんな高級な病気なんかじゃないよ。風邪じゃないの?」と相手にしてくれない。病気に高級も何もないと思うけど・・。
結局、それでも産んでくれない、何かおかしいので、家畜保健所に病性鑑定をたのんだ。
「やっぱりそうですか。」
山梨でもかなり早い時期の発生だったのでいろいろと様子を聞かれた。(同時期に県内大手の養鶏場でも発生があった。)
幸いワクチンで防げる病気だったので以後発生はないのだけれど、そんなことがあった。
原種鶏のヒヨコにくっついて遠い国から病気がやって来た。
いつもたまごを買いに来て下さる F さんが農場にはいってきた。
お友達を連れてきてくださって、大人ばかり合計6人。さすがに犬も驚いてワンワンと俺に知らせる。
エサやりの作業中だったので、人が入って来たのはわかったけど、誰だか解らなくて・・
「家畜保健所の人かと思っちゃいましたよ。(笑)」
そうなんだ。この頃俺たち鶏飼いはいつも気にしている。
鳥インフルエンザのことを。
作業着風の人たちがザワザワと農場に入ってくると、反射的に鳥インフルエンザの発生を知らせに来た家畜保健所の職員かと思ってしまう。
( F さんゴメンナサイ。)
鳥インフルエンザは、法定伝染病なので近所で発生するだけで生産物の移動は禁止になる。うちで陽性反応が出れば全羽殺処分になる。ワクチンはあるけれど現時点では使用は許可されていない。
しかも、人や物にくっついて動くだけじゃなく、感染しても発症しない渡り鳥がウィルス持ったまま飛んでくる。
そういうやっかいな病気だから、いつも気になっている。
こればっかりはしょうがないんだけどね。
遠い国から病気がやって来る。うれしくないけど、まあしょうがない。