うちの餌タンクは古い。いったいいつ作られたものだろう、昭和は間違いない。
こんな鉄製のタンクは夏場下手すると中の餌にカビが生えてしまうので、今どきはどこも樹脂製のタンクを使っている。
ある日、農場にドヤドヤと男達が入ってきて「そのタンクを売ってくれないか」と。
中心人物によれば「近くキャンプ場をオープンする予定で、そこで使うバーベキュー用の鉄板をこれで作りたい」と。
はあ・・ブームで乱立するかもしれないキャンプ場の差別化を図るため“物語”が欲しいってところかな?そういう手法。
でもさ、ご覧のとおり、これ使ってるし使えてるし。
小さな一人農場だから、使えるもんは使うし、使い捨ても出来るだけしないようにしている。(だからつい鶏も産卵率が落ちきるまで長く飼ってしまう。)
時間を重ねてきたもの重ねてきた時間を、あなたには渡さない。
古いタンクだけどね、こうやって草のつるを這わせるとカビも生えない。
しかも、たまたまだけど、野生のホップだったりするから、その香りも楽しめる。
農業をやっていると、無理やりじゃなくても、物語はやって来たりする。
