朝暗いうち、玄関を出ると、いつもと様子が違う?
ああ。まだ西の空に満月があってそれで。
ビカビカのコールドムーンが照らす。
この早朝の冷たい月を知っているのは・・新聞配達の人か。
こんな田舎の農場の、日常の中の自然を、何とか上手く書けないかなと思っているのだけれど、どうもその自然が少し痩せてきた。
古い集落とそこで暮らしてきた人々の習慣にかぶせるように、その周辺に、別荘や転居してきた人が暮らすようになったこの頃。
ある程度の規模が無いと維持出来ない自然が、痩せるのも道理。
ケモノの種類が減り農道が整備されて車が走りやすくなり、ヒトの暮らしは快適になるけれど、快適になるなり方が、半世紀前の都市周辺の開発をまた見させられている気分になる。また同じ繰り返し?
そんなに貪欲に、自然を、加工しなくても、便利にして近づかなくても、私有しなくても、接して何かを得る方法はいくらでもある。
甲斐駒の麓のお百姓が月を見上げる時間、遠くの港町の新聞屋さんはもう配達が終わる頃。
人の気配が無い街を走り抜けながら、きっと「今日はいい月を独り占め〜」と悦に入っていたはず。
日常の中の、同じ冷たい月。それを知っている人もいる。
さて、今年も拙い作文にお付き合いいただきましてありがとうございました。
街ではコロナ、私たちは鳥インフルエンザと、ウイルスによる感染症に翻弄されますが、どうぞくれぐれも体に気をつけて良い年をお迎えください。
