今日でもう9月も終わりだ。また、よくサボったなあ。
もうかれこれ半月以上も前のこと。
我が親父、鈴木一策(いっさく)来阪。
ちなみに、約一年前にも一策氏は来阪しており、我が楽団と一夜をともにしたその珍道中を、このブログにも書いた。
すると、一策氏はブログの登場人物としてはなかなかの人気者であることが判明。
「(付き合いたいかどうかはともかく)ひと目見てみたい」と、あの懐かしの『水曜スペシャル』の珍獣さながらの反響を呼んだのであった。
その珍獣が、今年も大阪へやって来た。
人のことは言えないが、よく飲み、よく喋る。そして、これまた人のことは言えないが、我田引水の達人である。還暦を越えてなお、衰えを知らない。この僕が、ともすると負けそうになることもあるくらい。改めて、感心した。
さて、お約束通り元気に痛飲したその翌朝、若き親父と老けた息子のコンビが向かったのは上方落語の聖地「天満天神繁昌亭」であった。
大阪の地で、親子連れ立って、二日酔いにもかかわらず、朝から、落語。
一体何なんだと思われる方もいらっしゃるかもしれない。まあ、ヘンテコなことは付きものの我々ではあるが、いくらなんでも「ちょっと見たくなったから」というような、成り行きまかせの話ではないのである。
この落語会は普通のそれではなかった。そして、これを見ることが今回の一策来阪の最大の目的なのであった。
一策氏は、就職はしていないが大学で教鞭をとる、いわゆる非常勤講師をナリワイとしている。だから出版社などとも付き合いがある。
そして、もはやクサレ縁の域に達した某F書店から、(一策氏のではなく!)或る偉い中国文学の先生の著作集が出版されることになった。
この先生、ちょっとした変わり者で、落語が大好き。このたび八十歳を迎えられた先生をお祝いしようと、友人やお弟子さん達が繁昌亭を貸し切って落語会を催した。
個人的にこの先生に惚れ込んでしまった一策氏は、F書店の社長、社員とともにわざわざ来阪。
「実に面白い先生だから、是非会っておけ!!」
こうして、たまたま珍獣の息子に生まれたというだけの理由で、エラーい漢学先生の「八十歳をお祝いする落語会」に、僕までが参列することになったのである。
(つづく)

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