初めて食堂車に入ったのは1963年6月15日、
上り寝台特急「はやぶさ」号のナシ20だった。ちょうど浜名湖付近を走行中に利用した。初めてのブルートレイン、かつ憧れの食堂車で舞い上がっていた。朝定食を食べたように記憶している。
さて、その食堂車の話題。食堂車を連結している列車には乗客専務車掌(カレチ)のほか、多くの乗務員が乗り込んで乗客の世話を焼いていた。鉄道とは労働集約産業であり、マンパワーで成り立つものであった。彼ら乗務員は列車の中で食事を摂るが、食堂車の営業が終わった後に、ご飯の上に目玉焼きにしたハムエッグを乗せた乗務員向けの「まかない」が出されていた。このハムエッグライスは、通称「はちくまライス」と呼ばれていた。簡単にかつ短時間に、駕かきの八つぁん・熊さんでも食べられるという意だったという。
時は巡って現代。その「ハチクマライス」が秋葉原駅コンコースのフードバーに登場した。この飲食コーナーはうどんやラーメン、カレーなどの店舗が入った複合店だが、その中に、<CAFE WHEEL BAR>という店がある。そこに<ハチクマライス>が登場したのである。ものは試しと出かけてきた。
夜はハイボールなども出すカフェバーとしての店構えである。カウンターには「ハチクマライス」のメニューが絵入りで掲示してあり、名称の云われも書き添えてあった。注文すると、3〜4分かかるとのことでポケベルが渡された。コーヒーを飲んで待つこと数分、赤ランプが点滅したのでカウンターにおもむくと、熱々のハチクマライスが出来上がっていた。現代のハチクマライスはハムエッグじゃなくて、ハンバーグの上に目玉焼きが乗っていた。つけあわせに車輪型にくり抜いたポテトチップスがあるのがご愛きょう。これで630円なので価格相応といったところか。
ハチクマライスは大宮の鉄博内にある「日本食堂」でメニューに登場したが、いよいよ市中にも進出してきたらしい。

これがうわさの<ハチクマライス>、630円なり。

夜はカフェバーになる<Fafe Wheel Bar>という店で出される

秋葉原駅に登場したTOKYO FOOD BAR。店はこの一角にある。ちなみに、JR四国が経営する讃岐うどんの店はお勧めである。

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