福岡近郊区間大回り乗車で博多へ(冷水峠越え)
彦山からは博多へ出る。彦山は福岡近郊区間に入るので、どのようなルートで行こうとも運賃は最短距離で計算する。そこで、彦山→田川後藤寺→新飯塚→桂川→原田→博多と乗車することにした。篠栗線を通らないのは、冷水峠を越える筑豊本線の非電化区間(通称・原田線)に乗りたいためである。この区間は半世紀ぶりの乗車となる。
彦山に折り返しとなる気動車がやってきた。キハ31のステンレス車の単行運転である。車内はロングシートだが、後寄り4列だけは新幹線廃車発生品と思われる転換クロスシートを配置していた。午前中に来た途を田川後藤寺まで戻る。絶妙の乗り換え時間で新飯塚行きの後藤寺線に接続する。同じキハ31ながら、今度は全席2−1の転換シートである。しかも、トップナンバー車だった。後藤寺駅は昭和47年頃、蒸気機関車の撮影に来たことがある。船尾からピストン輸送されるセメント列車をキュウロク(9600型)が重連で牽引していた。SL末期だったが、撮影ファン(今なら「撮り鉄)と呼ぶべきか)はいなかった。後藤寺から1つ目が、その船尾駅である。麻生財閥の基幹産業である麻生セメントが操業中であるが、鉄道貨物輸送は終了している。かつてたくさんあったと思われる側線の類は全て撤去されている。

田川後藤寺からキハ31のトップナンバー車で新飯塚まで乗車しました。
ほどなくして新飯塚に着いた。ここで筑豊本線に乗り換える。篠栗線経由の博多行き快速がやってきたが1本後の列車にする。駅舎は橋上駅に改修され、コンコースには雛人形が展示してあった。時間があるので彦山から博多までの乗車券を発券してもらおうと改札口に申し出たが、オレンジカードでは精算できないとのこと。博多駅で精算することにした。
博多行きの普通列車は817系の2連である。大きな窓と木製のシートがいい。1駅で飯塚。かつて筑豊のシンボルだった駅裏にそびえる「ボタ山」は草木が生い茂り、ボタ(石炭)を捨てて山になった(=いまでいう産業廃棄物の山)とはとても思えない。構内には廃止になった上山田線の遺構が残る。
桂川で博多行きを捨てる。いまでは筑豊本線−篠栗線がメーンルートだが、桂川から先の筑豊本線は単線非電化区間となる。3番線ホームにある出発反応信号機が面白い。<篠上3><筑豊下3>とある。筑豊本線は下り線だが、篠栗線は上り線なのである。

桂川では筑豊本線と篠栗線が分かれます。ホームの出発反応信号機です。
やがて原田行きの気動車が直方から回送されてきた。またもや、キハ31の単行運転である。桂川から原田までは、上穂波、内野、筑前山家の各駅があるが、内野の先に冷水峠があり、トンネルで抜けている。かつて篠栗線開業前にはどの列車も補機が付き、冷水峠を越えていた。私が子供のころは、博多へ出るのにC11が客車の双方に連結され、原田でスイッチバックして運転さる「筑豊快速」が朝晩1本ずつ運転されていた。

筑豊本線桂川−原田間は、冷水峠越えの非電化区間です。車両は直方から回送されてきました。
桂川を発車する。次の上穂波は上下ホームや跨線橋など全ての交換設備が撤去され、棒線駅化されていた。かつては日鉄上穂波鉱への専用線が分岐していたが、いまでは痕跡をとどめない。次の内野も交換設備が一切撤去され、棒線駅化されている。ここからはエンジンを唸らせて冷水越えにかかる。煉瓦作りのトンネル壁が時代を感じさせる。トンネル半ばで分水嶺を越えたようで、エンジンの唸りが変わる。トンネルを抜けると筑前山家である。駅進入直前、右手に西鉄北九州線600型、北方線323型、西鉄バスが保存されていた。ここから遠征帰り?と思われる中学生の一団が乗り込んできた。久留米まで帰るという。ガラガラの車内が急に賑わう。列車はワンマンだが、ちょうど便乗していた運転士が乗っており、案内に当たっていた。この乗務員は若いながらも良く気が利き、乗換案内や運賃、支払方法などなかなか面倒見がいい。

車内はガラガラでした。添乗していた若い運転士が途中から乗車した中学生のグループを誘導していました。
原田に着いた。隣のホームには大牟田行きの快速電車が接続待ちのため停車中である。さきほどの若いイケメン運転士がいち早くホームに降り、大牟田行きの車掌に中学生の件を業務連絡。このあたりの連携プレーは鮮やかだった。JR九州、なかなかやるじゃないかと感心した。

原田に着きました。大牟田行き快速が接続を取って発車してゆきました。

原田駅の跨線橋に1902年製の古レールを見つけました。
原田からは快速門司港行きで博多まで乗車した。快速とはいえ、二日市で特急「ゆふいんの森」号と「リレーつばめ」号をダブル待避。南福岡では「白いかもめ」号が通過していった。
博多駅は改造工事の真っただ中。博多駅は阪急百貨店に生まれ変わる。彦山からの整理券しか持っていないので、精算窓口におもむく。ところが、JR九州ではオレンジカードでの精算はできないのだという。とはいえ現金精算は癪なので、午前中に小倉駅で購入した共通化記念SUGOCAカードで支払ってきた。ICカードには1500円入っているので、1250円が差っぴかれた。

博多駅での駅ビル建設工事。ホーム上空にもビルが完成しています。
博多駅から天神までJR103系に乗って移動。国体通りにある福新楼まで歩く気力がないので、新天町の平和楼でチャンポンを食す。ここのチャンポンは白濁スープではなくいささか黒みががっている。子供のころはソースが入っていると思っていた。

新天町の老舗中華料理店「平和楼」でちゃんぽんを食べました。
夜に用務先をお役御免となる。再び中洲川端から福岡空港まで地下鉄で移動し、スカイマークに搭乗した。全便中型ジェット機への置き換えが終了したSKYは、操縦士2名+客室乗務員4名が乗っているが、何と制服を廃止してしまった。飲み物やオーデオサービスもない。

福岡空港からはSKYのB737-800機で帰京しました。
SKYが1時間余り遅れたので、羽田空港からのリムジンバスはほとんどの便が終了していた。席番が1Cだったのでドアーが開くやいなや、ターミナルビル内を走って走って千葉中央駅行きの最終バス(千葉シテイバスの運行)を捕まえた。検見川浜駅まで乗車し、タクシーで帰宅した。
・彦山11:42(日田彦山線950D)⇒12:09田川後藤寺 *キハ31-10に乗車
・田川後藤寺12:16(後藤寺線1550D)⇒12:36新飯塚 *キハ31-1に乗車
・新飯塚12:56(筑豊本線2645H)⇒13:07桂川 *817系2連(クモハ817-1002に乗車)
・桂川(筑豊本線8621D)13:18⇒13:45原田 *キハ31-5に乗車
・原田13:49(鹿児島本線・快速4126M)⇒14:21博多 *811系4連(サハ811-110に乗車)(福岡近郊区間68.8`/1250円)
・博多15:37(福岡市営地下鉄)⇒天神 *103系6連(モハ102-1506に乗車)
・中洲川端19:43(福岡市営地下鉄)⇒福岡空港 *2500型6連(2508に乗車)
・福岡21:40(SKY026便)⇒23:20羽田 *B737-800機
・羽田空港23:35(千葉シテイバス)⇒検見川浜駅0:10 *千葉22 か4248

2