フェルホーセン退団(というか監督業引退)、ピクシー監督濃厚のようだが、あれこれ言う前に「過去に眼を閉ざす者は、未来に対してもやはり盲目となる。アッチョンブリケ」ということで、まず名古屋の歴史を振り返ってみる。
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1993年 9位(10) 8位(10) 平木隆三
1994年 8位(12) 12位(12) ゴードン・ミルン(->三浦哲郎)
1995年 4位(14) 2位(14) アーセン・ベンゲル
1996年 2位(16) アーセン・ベンゲル(->コスタ->カルロス・ケイロス)
1997年 12位(17) 5位(17) カルロス・ケイロス(->田中孝司)
1998年 3位(18) 6位(18) 田中孝司
1999年 8位(16) 2位(16) 田中孝司(->サンチェス->マザロッピ->ジョアン・カルロス)
2000年 12位(16) 7位(16) ジョアン・カルロス
2001年 3位(16) 6位(16) ジョアン・カルロス(->三浦哲郎)
2002年 3位(16) 13位(16) ズデンコ・ベルデニック
2003年 7位(16) 8位(16) ズデンコ・ベルデニック(->ネルシーニョ)
2004年 8位(16) 5位(16) ネルシーニョ
2005年 14位(18) ネルシーニョ(->中田仁司)
2006年 7位(18) セフ・フェルホーセン
2007年 13位(18) セフ・フェルホーセン
2008年 1位(18) ドラガン・ストイコヴィッチ
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※リーグ制覇96年(ベンゲル逃走後のカルロス・ケイロス)
※天皇杯95年(アーセン・ベンゲル)、99年(ジョアン・カルロス)
上記の通りだが、見直してみると興味深い歴史的事実が分った。
それは
「3シーズン通して名古屋の監督を勤めた者は過去誰もいない」ということw。
大抵は2シーズン目で不慮の死を遂げており、下馬評が高かったジョアンカルロス、ベルデニック、ネルシーニョも例外ではない。この過去の法則から判断すると、今回のフェルホーセンの退団もあながち唐突な出来事ではないことがわかる。
3年持たない理由としては下記の様な理由などが考えられるが、
・そもそも監督として能力不足(日本人監督全員)
・監督としては優秀だが、名古屋の選手のレベルに合わせる柔軟性に欠ける
・長期的に若手育成とかいいつつフロントが目の前の成績に耐えられずクビ
・ホームシック、家族の問題
・選手との不仲、選手が俺の言うこと聞かない、お家騒動
・フロントが俺の言うこと聞かない
・他チームから引き抜かれる
・味噌ばっかの料理がイヤ
しかし一番決定的な原因と思うのは、
仮に母国あるいは欧州では優秀な監督であっても、名古屋の監督として成功するとは言えないということだ。母国あるいは欧州流の指導はあくまで、フィールドで自分の意思、状況判断によって自律的に動ける(というかそう育ってきた)選手がいるという前提であって、名古屋でそのまま適用すると、監督は何も教えてくれないという文句が出てチームはすぐ崩壊する。
監督としての能力が必要なのは当然だが、それに加えて、教えられたことしかできない選手のレベルを瞬時に把握して指導方法を変える柔軟性、レベルに合わせた指導で選手を育てていくスキル(ユースコーチ的属性)が名古屋の監督の適正として決定的に必要なのだ。もちろん選手を理解をするうえでは確かな観察眼も求められるし、本人がある程度は他文化への興味があり、異文化に適応できることも必要となる。
それが足りないから、選手が意図を理解できずに「あの監督は嫌だ」なんて言ってお家騒動になったりするし、あり得ないポジションで起用したり、出来もしないフォーメーション、戦術を採用して結果が出ずに自滅してしまうのだ。
しかし、そもそもそんな能力を備えた監督ならば欧州含め世界のどこへ行っても名将として通用するし、名声も得、大金も稼げるので、普通に考えると、あえて日本、しかも(キャリア的にはマイナスで次の監督のお呼びがかからない危険もある)名古屋に行く必然性がない。
前述の条件に合致するのは私の知る限りベンゲルとオシムくらいだが、正直稀有な例外であって、未知の国で一からチャレンジしたいとか、ビッククラブは嫌だとか、キャリアの終りにサッカー途上国で自分の知識のすべてを伝えたいとか、日本文化に興味があるなど・・の奇特な監督なり、八百長疑惑で欧州をとにかく離れたいとか奥さんが日本人で日本で働きたいなどの特殊な事情がある監督がそうそう世界にいるとも思えない。
従って今後そんな監督が奇跡的に(トトBigで6億当たるくらいの確率で)名古屋に降臨してくれたらラッキーだねという程度の認識で期待して待つのが正しいのであって、定常的に入れ替わる名古屋の監督に、常勝チームにしろだの、優勝しろだの、選手起用でマジックを見せろとかを期待すること自体がそもそも誤りであり、無茶な要求なのである。過去15年の名古屋の歴史もそれを証明している。
結論:名古屋側から招聘したのだから、ピクシー監督がどんな結果になろうとも文句を言うな。ピクシーを貶す奴は俺が許さん!というか殺すw

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