梅雨の合間をぬって差し込む日差しがまぶしい。海辺は一気に盛夏を迎えていた。湘南の海といえば、今でこそ、江ノ島鵠沼が有名だが、かつては、ここ古都鎌倉の由比ヶ浜と材木座が「海の銀座」と呼ばれ、湘南の海の中心だった。この地で生を受けた私は、まだものごころもつかないうちに一家が都内に転居ししてしまったので、当時の記憶はあまり定かではない。
誕生の地を訪れてみた。サーファーで賑わう海辺をただぼんやりと眺めていると、こみあげる懐かしさとともに、言葉では例えようのないもの悲しさが湧き上がってきた。
材木座海岸から稲村ヶ崎を望む

0