山形県米沢市姥湯温泉
温泉ブームで秘湯がもてはやされているが、実際に行ってみると、どこが秘湯なのか、疑問に思うことが多い。秘湯と云うからには、人里離れた場所の温泉を想像して行くのだが、甚だしいのは,ちょっとした温泉街のど真ん中にあったりすると、がっかりを通り越してむなしさを感じてしまう。
ここ、米沢市の姥湯は、その点ではまさに秘湯中の秘湯だ。最近こそ、近くまではマイカーで行かれるものの、途中の駐車場から山小屋のような宿までは徒歩でなければ行くことはできない。この宿は、かつて江戸時代には米沢藩が利用し、その後絶えることもなく現代まで続いているというのだから本当にびっくりしてしまう。
ここの秘湯の秘湯たるゆえんは、宿もさることながら、周囲の荒々しい山肌を眺めながら入る乳白色の露天風呂にある。沢筋から湧き出でる豊富な湯を集めた天然の岩組みの露天風呂に浸かり、周りの自然と一体となっていると、心からやって来て良かったなと感じる。気後れして入浴を遠慮しているギャラリーもたくさんいるが、こういう所に来たのなら、周囲を気にせず、湯を楽しみたいものだ。<04/09/18>



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