尚古集成館は1923年に開館した。東洋一の大国清帝国がアヘン戦争で西洋の列強大英帝国に破れた。日本も植民地にされてしまうかもしれないというショックはいかばかりであったろう。集成館事業は、日本最初の近代産業を興すことを目的に薩摩藩28代当主島津斉彬によって始められた。本館は1865年に建てられ、国の重要文化財に指定されている。運営は(株)島津興業、いわずと知れた島津本家筋が経営に携わっている企業である。館内には島津家に関する史料やガラス細工の薩摩切子、伝統工芸の薩摩焼などが展示されている。仙巌園に隣接し、我が国初のアーチ式を採用した石造洋風建築物としても有名である。


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