どこから情報を仕入れるのか知らないけど、娘が「とうさんが絶対気に入ると思う曲を見つけたから、共有フォルダに入れといたよ」ということで。聴いてみたら、ここ十数年聴いた事の無いジャンルではあるけれど、確かに私の趣味の一つではあるわな。iTunes Storeを覗いて他の曲を試聴したら、なかなか良いと思ったので全部ダウンロードした。Within Temptationという、オランダのシンフォニック・ゴシックメタル(というジャンルらしい)バンドのアルバム。
全編似たようなコード進行で(Am→F→G系)大袈裟なオーケストラやオペラチックなコーラスが随所に入っている。「メタル」だから、ベース不要のブリブリに歪んだギターは当然。まぁたまには良いでしょう、こういうの。ただし、1枚買ったらお腹いっぱいって感じで、あと10年くらいは、このテのジャンルは買わなくてもいいかも。
普段HOT&COOLでやっている音楽とは、まるで正反対。それにはっきり言って、みんな同じ曲に聴こえなくもない。じゃあ、どうしてこういうのが嫌いじゃないのかと言うと...それは、頭ん中で容易に「絵(映像)」に変換できるからなんだよね。何かこう、色々なシーンがフラッシュバックするんだよ。
中世の、甲冑に身を固めた神の加護を受けた騎士が白馬に乗って、人間の存亡のために数百人の仲間と共に、群がる無数の異形の敵に切り込んで行く(スローモーションと早送りの組み合わせが良い)。上杉軍が川中島で、武田軍の裏をかいて乾坤一擲の攻撃を開始し、所々に立ちこめる霧の中を敵陣に突入する一万数千の兵士(これは空撮しかなかろう)。全ての宿命を背負って、ガンダムがカタパルトから発進!「さ、行ってくれ!」と絶叫するブリッジ...直後、ミサイルの集中攻撃を受けて撃沈される母艦。超大作RPGで主人公パーティーが、あらゆるアビリティーとリミット技を繰り出して戦うラスボス戦(「片翼の天使」風)。枯れ葉舞い散る道を、あくまでも静かに、余裕でゆったりと走り抜ける、4リッターV8・500馬力のエンジンを搭載したスポーツカー(これはもう、超スローモーションで)・・・実は以下もう10行ほど書いたんだけど、推敲していて余りにくどかったので削除(笑)いや〜もう、次から次となんぼでも出てくる。
んで、アルコールでも入ろうものなら相乗効果は抜群。独りひたすら酒飲みながら、部屋の中で脳が麻痺するくらいにボリューム上げたヘッドホンを装着して勝手に感動(T^T)・・・絶対に人には見せられん。がしかし、すぐ飽きそうな気も。
もしワーグナーやカール・オルフが現代に誕生していたら、きっとこのテの音楽を作るんじゃないかな。いかにもヨーロッパ(っていうか、ドイツあるいはベネルクス3国?)が生んだ音楽って感じ。しかし、高らかに何を歌い上げているのかは理解できんし(一応英語だけど下手に歌詞の内容が理解できると、イマジネーションの妨げになる)これの何を指して「ゴスメタ」(と呼ぶのかどうかも含めて)なのかも解らん。まぁでも、そんな理屈を深く考えずに、職場と言う戦場に赴(おもむ)く朝に聴いてもOKだよ。テンション高まる事請け合い。普段見慣れた電車の窓から見える景色も違って見えるよ。もちろん、その効果は個人差があるだろうけどね。
さすが、娘は私の音楽の趣味を的確に把握している(親fool)...が、彼女は一言「何かムダに壮大だよね」
いつもの相変わらず鋭いツッコミに対して、今回私は返す言葉を見いだす事ができませんでしたな(笑)