ウチのヤツから「とうさん、『神々の山嶺』(かみがみのいただき)って文庫版のコミックの第5巻、Amazonにあったら買って欲しいんだけど」って頼まれてね。夢枕獏が原作で、絵は谷口ジロー。山岳コミックっていうのかな。まぁ、いかにもウチのヤツが好きそうな漫画ではあるわな。で、無事発見して注文するのは良いんだが、680円の文庫版コミック1冊ってのも「何だかなぁ〜・・・ちょっと気の毒かな?」と思って、たまたま目に留まった本もついでに注文。それがこれ。
知ってる人は知っている、デジタル業界のカリスマの今日までの半生記。タイトルは「スティーブ・ジョブズ--偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡」ときたもんだ(アスキー・著者は林信行、2,625円)
彼はMacの生みの親の一人であり、「Toy Story」というCGアニメ映画を世に送り出し、iMacで世界中にスケルトンを流行らせ、iPodで音楽を聴くスタイルを一変させ、最近ではiPhoneで携帯電話のあり方を再定義させた、アップルで一番偉い人。
彼の様々な逸話や小説よりも奇なりな事実、ウソのような本当の話は良く目にしていたから、新しい発見はそんなになかったんだけど、カラフルな写真と語録が満載で中々良く出来た本だね。彼に興味を持ったら、入門書としては最適なんじゃないだろうか。彼自身には興味が無くても、現代のデジタルライフを牽引するアップル社に興味があるなら、読んでも損は無いと思う。革命的な製品を次々と提供することが可能な理由が解るかも知れないから。ただしモノ作りという面が中心だから、一度はアップル社を追放された経緯とかには(なかなか面白い所なんだけどね)触れられていない。
字は大きいし、文少量も多くはない。パラパラめくって、どこから読んでもOKっていう構成にしたのかも。
ずっと前から思ってたんだけど、個人的には彼の人心掌握術は、日本の歴史上で言えば私の大好きな「織田信長」タイプだと思ってる。何となくだけど。ただし二人とも「人間こうあるべきだよな」とは思わない。何故か・・・人格的に欠落した部分が無いと「革命児」足り得ないという典型だと思うんだよ。こんな人には仕えたくないなぁって感じで。
「スティーブ・ジョブズの中には二つの人格がある。どちらがしゃべっているのかは後にならないとわからない」と言った人がいるそうで。やはり二人は似ているね。