ばあちゃんの手術も無事終わって「睡眠誘発剤」の影響もほぼなくなった。点滴も外れ、あとはリハビリ開始って感じかな。恐るべき生命力だな。89歳だぜ!
昨日はウチのヤツも仕事だったし、義兄達にも少し休んでもらわにゃ・・・ということで、朝から晩までず〜っと病室に詰めてたよ。まぁいろいろあることはあるけど、基本的にヒマ。ウチのヤツから「暇つぶし持参したほうが良いよ」と言われてたので「では、じっくり読書でも」というわけで、むか〜し読んだ本を「久しぶりに読もうかな」って持ってったさ。
「マッハの恐怖」「続・マッハの恐怖」著者:柳田邦男(フジ出版)いわゆる「ノンフィクション」ってやつだな。この本買ったのね、確か25年くらい前だったと思うな。初版は昭和46年だからね、当時既に古典だったんだね。ってことは、もう世に出て35年くらい経つわけだ。でもね、中身は今読んでも「ふ〜ん」って感じで、良いよ。中身はどんなんかと言うとね「航空機事故の原因究明をとおして、人間と高度な機械との関わり方を考察する」と同時に「航空機事故の原因究明をするべき立場の機関、あるいは人間はどうあるべきか?」というモノだね。何でこんな本を手に取ったかというと、私が8歳の時(昭和41年・1966年)ジェット旅客機が立て続けに事故で墜落したのさ。「魔の金曜日」とかいうフレーズとともに、その一連の報道が強烈に印象に残っててね。(番鱒なら覚えてるかな?札幌雪祭り見物の帰りの客を満載したボーイング727が羽田沖に墜落したヤツとか、富士山の近くで空中分解したヤツとかさ)そんで、大人になってから立ち読みして、思わず買っちゃったわけ。
今でもそうだと思うんだけど、何か事故が起きたら真っ先に疑われるのは「人為的ミス」この本で言えば「パイロットミス」だよね。例え「原因不明」となったとしても(当時はほとんどが原因不明だけどね)事故報告って「クルーの誰かがドジ踏んだんじゃないの?」的なニュアンスたっぷり。でも、この著者はそれだけでは決して満足していないんだな。「もしパイロットミスだとしたら、高度な訓練を受けたパイロットが何故ミスをしたか?」「ミスを誘発する原因があったのではないか?」「ありえない・はずがない・・・だけで済まされるのか?」という視点から執拗に事故原因を追及する人にスポットを当てている。しかも、客観的に。この辺はさすが元NHK記者だね。ボイスレコーダーとか、機内で撮影された8ミリフィルムとかの解析のくだりなんかは、思わず息を飲むよ。
特に日本っていうお国柄は昔から「事を起こした人間を厳罰に処する事によって事故の再発を防ぐ」的な感じがしない?ほんとはそんなことしたってミスなんかなくなるわけないのにさ。適切な例かどうかは保証しないけど、ウチの職場でもここ数年「顧客情報の流出」に異常にナーバスでさ。「職場にフラッシュメモリを持ち込むな」とか「FDは管理簿につけて厳重に管理しろ」とか「自宅に顧客情報や部内情報を持ち帰るな」とかいろいろやかましいわけさ。気持ちはわからんワケでもないけど、対処療法で根本的な解決になるんかな?「顧客情報を含むメディアを家に持ち帰って仕事せざるを得ない環境」そのものが改善されない限り、流出はなくならないと思うし、そういういう視点に立ってるんだよね、この本の著者。
ともあれ、さすがに土曜日1日で2冊はムリだった。さ、そろそろ寝る時間だ。続きでも読むか。