私は武器を持っている。幼い頃からの訓練で、私はそれを易々と使いこなす。正確に、彼等との距離を計っている。
拷問や強姦が行われている。閉店間際のレンタルCD店で明かりの消えぬうちにと、床に落としたバッテリーを探す為這いつくばっている。
均衡のとれぬ奴等が酒を飲んでいる。言葉を失くした会話のなかでひっそりと生きている。悲しい事だけが大切に思える。だから笑いが止まらないでいる。
何も考えていない振りが出来る期間が終わってしまった。ランチ・タイムは15時半迄だから。おまえは頭が良くなり過ぎた。あとは想像力でやり過ごすだけ。
信じられないくらい可愛い女の子が、深夜営業の大型書店に佇むおまえの事を呪詛の眼差しで睨みつける。店の外では拷問や強姦が行われている。おまえはそれを知っているが、彼女がそれを知っているのかどうかおまえは知らない。彼女は耳たぶに蛇を飼っている。一方おまえは全くの非武装で、悪しき自然に立ち向かわなければならない。釈然としないだろう?あと行くべき場所が有るとすれば彼女の部屋くらいだけれど。