平沢進というミュージシャンが居て、それは素晴らしい音楽をつくる人で僕は幼少時から大変に影響を受けたのだけれど、彼がここ数年はまともなライブなんて全然やらない。たまに公演をするとインタラクティブ・ライブと称して、要するにステージ上には巨大スクリーンがあって、そこに文字が流れて”平沢は右へ行く?それとも左?”みたいなことが書かれていて、観客は大勢で”右だ〜!ヒラサワ〜!”とか叫ぶのである。公演はストーリー仕立てになっていて、観客が平沢を正しい方向に導けば、ハッピーエンド、良かった、良かった。間違って左を選んでしまった、ああ、ゲームオーバーになってしまった、あの時右を選んでればなぁってそんなファミコンみたいなもんに付き合ってられっかよ、バンドやれよ、バンド!とかテレビゲームに理由の無い憎しみを持つ僕のような者は、平沢進がインタラクティブになってしまってからはそのライブ活動に全く興味を無くしていたのであった。
が、ある人が5月5日に行われるそのインタラクティブ・ライブのチケットを安価で譲ってくれて、僕は寧ろお願いしますって感じでチケットをゲット、人生において初めて”右だ〜!”と叫びに行くことになったのである。インタラクティブしに行くのである。いざ行くとなると何だか楽しみだな、わくわくするな、と思い始めている僕が居て、そんな僕が僕は好きです。ファミコン大好き!