傍観日記

2006/3/18 | 投稿者: losthouse

中野の駅前で遊んでいたら、何だか通りが騒がしい。

路の彼方から電気的に増幅された野太い怒号が鳴り響き、それに応えるように駅前からは警察車両がスピーカーで何かを呼びかけている。
バスロータリーでは警察官が交通整理に忙殺されているのだが、彼等の努力も空しくバスは一向にロータリーに入って来る気配は無く、バスを待つひとたちの列は停留所から溢れて伸びてしまっている為、通りに面した商店と行列のあいだで、店に入りたい訳でも無く、バスを待つ訳でも無い無関係な通行人たちが立ち往生している。

バスを待つひとたちがみんな大久保通りのほうを見てあんぐり口を開けて呆けた顔をしているので、なんですか、いったい?と僕もあんぐり口を開けて呆けた顔で見てみると、PSE法反対の旗印を掲げたデモ隊が、サンプラザに向かって行進しているところだった。

交通が麻痺した大通りを、アジテーターを乗せた軽トラックを先頭に、数十人の老若男女がぞろぞろと続いている。
各自がその手にプラカードや電子楽器、炊飯器やテレビを抱えて歩いているので、傍目には珍妙なパレードのように見える。
しかしそんな珍妙さを打ち破るのは、先頭の軽トラックに据えられたスピーカーから鳴り響くアジテーションで、無闇に「馬鹿野郎、この野郎」と連発する語彙の少ない表明は、オーヴァーロードした音響効果も手伝って、通行人にしてみれば怒号か恫喝にしか聴こえない。

厚い雲がたれこめていた夕刻の空からは、大粒の雨が降り出してアスファルトを濡らし始める。
パトカーに加えて消防車や救急車、挙句は青い護送車まで駅前に集合し始めて、まさかデモ鎮圧に駆り出されたわけでは無かろうが、偶然にしてもそれが実に劇的な効果で、まるでデストピアものの映画を観ているようなそんな気分で、なかなか良いな、と僕は思った。



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