漂流日記

2008/12/29 | 投稿者: losthouse

ぼーっとしている間に年の瀬。

辰巳ヨシヒロ「劇画漂流」上下巻を熟読する。

まんだらけの目録に長年連載していた、自伝漫画の単行本。
たまに目録を買ったときにだけ目を通していたけれど、単行本としてまとめて読むとやっぱり読み応えが違う。

少年時代の手塚治虫との出会いから、貸本デビュー、劇画工房の結成と分裂までを、あの絵でじっくり読ませてくれる。
貸本漫画制作の現場と、劇画周辺の動きに関しては、これまであまり「画」で語られることが少なかっただけに、資料的価値は満点。
いままで文字情報でしか知らなかった史実も、やはり目で視える「画」で語られると説得力が違う。

但しそれほどマニアックな興味が無くても、純粋に青春漫画として楽しめるつくりになっていて、そういう意味では藤子不二雄「まんが道」に並ぶ大傑作だと思う。

珠に疵、なのは、一番良いところ、これからってところで終わってしまうのが非常に残念で悔やまれる。
つげ義春との出会いや、実兄・桜井昌一が佐藤プロや東考社を設立するくだりや、貸本漫画が壊滅する時代背景が描かれるであろう続編の執筆を、本当に心から熱望します。

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ところで、実にタイムリーなことに、小学館クリエイティブからは来年2月に「影」と「街」の完全復刻版が出るらしい。これもまた楽しみ。



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