書痴日記

2007/5/4 | 投稿者: losthouse

何事も無かったかのようにまた始める。

朝から飲んでいて、午後ちょうど良い気分になって散歩していて、ふらっと入った新刊書店で漫画を大量に購入してしまったりするから酔って本屋に行ってはいけない。

あたらしい漫画を読まなくなってだいぶ経つけれど、小学館の「イッキ」って雑誌にはたまに目を通していて、それは「金魚屋古書店」って漫画が結構おもしろいからで、でも単行本を買って読むほどのことは無いと思っていたのだけれど、今日になってついに酔った勢いでまとめ買いしてしまう。

で、帰って読んだらやっぱりおもしろかった。
漫画好きのコレクターやセドリ屋たちの話で、僕はコレクターでは無いけれど本を愛でるひとたちの気持ちは実によくわかる。一冊の漫画を読んで、「あの頃の嬉しかったことも辛かった事も全部いっぺんに思い出しちゃって…」って泣いてしまうひとの気持ちも実によくわかる。
イイやつしか出て来ない事と、どれもイイ話過ぎるのがどうかな、とも思ってたけど、酔った頭で読んだら単純に泣けてしまって、どうでもよくなった。

漫画といえば、久しぶりに新刊文庫をみてたら新編集の「ゲゲゲの鬼太郎」が大量に並んでいて、そういえばアニメにもなったし映画にもなったのだからこのタイミングを逃す手は無いのだろうけど、困ったことにはそれぞれ違う版元から何種類もの文庫が出ていて、これじゃあ初めて読むひとはどれを買ったら良いのかわからない。少しくらいは読者のことも考えて出せば良いのに、と思う。

昔っからあるちくま文庫版はまだ現役なのに、今回新しく加わったのは講談社と中央公論社。どれもタイトルは「ゲゲゲの鬼太郎」だから判りにくい。
講談社版は「オリジナル版」と帯に銘打っていて、収録作品は60年代の「マガジン」掲載分のみ。連載時の扉や、アオリ文まで再現している、ってのが「オリジナル版」の所以らしい。
これが本当ならなかなかやるな、って事にもなるんだけれど、扉部分だけが原本の複写(しかもアオリ文は写植打ち直してるとこもある)で、本編部分はほぼ従来版からの流用。情けない。河出文庫の杉浦茂みたいに全ページ複写でやれば良いのに。折角の機会が勿体無い。
しかも台詞の改竄(いわゆる自主規制)が結構な頻度で行われていて、長年読み親しんできた「頭がおよわい」とか「人食い人種だ」とかの台詞が変更されたりしているのを見ると、これの一体何処が「オリジナル版」なんだ、死ね、のうまくえん、って気分になる。
中央公論社版は主に70年代以降からのセレクトで、「サンデー」掲載分と、「鬼太郎の世界お化け旅行」とかが入ってる。何故か60年代「マガジン」の後半部分も入っているのが謎だけど、どうやら底本は昔出ていた大判の愛蔵版のようだから、このまま続刊すると「週刊実話」分を飛ばして、80年代「マガジン」に連載された「新編 ゲゲゲの鬼太郎」まで入るんだろう。
ってことは、先頃角川文庫から新しい表紙で重版された「水木しげるコレクション」とも収録作品が重複してしまう、ってことだから、まったく困ったもんだ。収録順も時系列に並んでいなくてどうにもツメが甘い。
ちくま文庫版は、60、70年代の「マガジン」「サンデー」からの編集だから基本中の基本みたいな内容で、初心者にはこれが無難のような気もするけど、収録順がぐちゃぐちゃなのと、講談社ほど非道くは無いにせよ、やはり台詞の改竄が情けない。

結論。鬼太郎は文庫で買うべからず。古本屋でサンワイドとかを探して買うべし。

って、「金魚屋古書店」を読み終えて漫画のことを考えていたら、しばらく疎遠にしていた友だちから電話がかかってきて、「メールアドレスを教えてくれ」と言う。「ロングロングケーキ」だよ、と教えたら、彼は「庭はみどり川はブルー」だ、と言った。
ふたりとも大島弓子の漫画のタイトルをアドレスに選んでいて、「お里が知れる」と言ってしばらく笑った。ちょっとイイ話。



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