2008/1/31 | 投稿者: losthouse

いやぁ、ついにタイトルが発表されました。
「Quantam Of Solace」って、井上一夫訳だと「ナッソーの夜」
。飽くまでもフレミングの原作タイトルにこだわるところが、ピアース・ブロスナン時代との気概の違いを感じさせる。

だけど邦題はどうなるのか。どうせ普通に「007 クォンタム・オブ・ソラス」とかなんだろうけど、なんか気の利いた意訳にすれば面白いのに。「続・カジノロワイヤル」でも良いけど。
クリックすると元のサイズで表示します

2008/1/22 | 投稿者: losthouse

人生2度目のおダイバ。
ゼップ東京というところで、「ZAPPA PLAYS ZAPPA」日本公演を観る。

長男ドウィージル・ザッパとそのバンドが、父フランク・ザッパの音楽をひたすら演奏し続ける約3時間。

1曲目は、「やっぱ日本に来たらこの曲でしょ」って前説つきで「ブラック・ナプキンズ」から始まった。
ステージ後方のスクリーンに父ザッパ在りし日の映像が投影されて、ああ成程、父の映像を流しながら演奏するのだな、泣かせるな、と思って観ていると、イントロが終わり、まさしくザッパそのものって具合のリード・ギターの音が鳴ってるのに、子ザッパはギターを弾いてない。気がつくと何とそのリードはスクリーンの中の父ザッパが弾いている音で、つまり父ザッパ生前のライブ映像からギター・トラックだけを抜き出して、それに合わせてバンドが生演奏しているんである。びっくり。

バンドと子ザッパが完璧なバッキングをこなし、父ザッパがうねうねとギターを弾きまくる。死者と生者がセッションを繰り広げているような演奏風景に、1曲目からちょっと泣かされる。

その後は子ザッパだけの演奏で、名曲の数々を連打。元ザッパ・バンドのレイ・ホワイトとスティーヴ・ヴァイも出て来て、「キャロライナ・ハードコア・エクスタシー」だの「ウィリー・ザ・ピンプ」だの「ブラック・ページ」だの「エキドナズ・アーフ」だの、ザッパ好きにはたまらない選曲で畳み掛け泣かせる。

「モンタナ」や「マフィン・マン」等終盤の数曲では、再び父ザッパもスクリーンからボーカルやリード・ギターで参加し、その度にバンドのメンバーがスクリーンを見上げる様が、霊界と交信しているみたいで笑えるし泣ける。

しかしザッパの音楽を生演奏で聴くのは初めてだけど、よくもまぁこんなに難しい変態的な曲ばかり書くもんだ、と改めて驚愕して、やはりレコードで聴いているよりも、死にそうな顔して演奏しているひとたちを実際目の前でみるほうがその難しさはひしひしと伝わる。
それを考えると父ザッパの生前、本家ザッパ・バンドの面々はこんな難曲を涼しい顔で、あまつさえコスプレしたりへらへら笑ったり踊ったりしながら易々と演奏していたのだから、もう同じ人間とは思えない。

でもアンコールに演奏された「Gスポット・トルネード」は凄かった。
「人間には演奏できない曲を演奏させる」と言って、父ザッパが演奏機械シンクラヴィアに演奏させていた奇々怪々な難曲を、子ザッパ・バンドが見事生演奏で再現してみせたのである。
アンサンブル・モデルンが一度オーケストラで実演してはいるけれど、たった7人のバンド編成で「Gスポット・トルネード」をやり遂げた子ザッパへの称賛は終演後も延々止まず、いつまでも楽屋に戻ろうとせずにステージ前に押し寄せたザッパ・ファンたちひとりひとりと笑顔で握手を交わしていた子ザッパは、ほんとに心からイイ奴そうで、それがまた泣けた。
クリックすると元のサイズで表示します

2008/1/16 | 投稿者: losthouse

怪奇漫画といえば。

まんだらけ発行の目録、「まんだらけトラッシュ 第5号」が凄い。

「ひばり書房HC以降」と題し、あの黒い背表紙のどぎつい怪奇漫画たちや、こんなん出てたんだぁ、って感じの少女漫画やエロ漫画たちが約500冊、カバー表紙は勿論、裏表紙やカバーをとった状態の本体表紙まで全てオールカラーの書影付き。
しかも同じ作品でも再プレス時のタイトル違い、カバー違いまで全て網羅されていて、これで600円は安い。

ひばり書房といえば、同じ漫画をタイトルを変えたり表紙を描き直したりして何度も出し直すことで有名で、読んだ事のない漫画を買ったつもりが「あっ!これ持ってるよ!騙された!」ってなるひとも多いと思うので、このカタログはとっても重宝するだろう。
かくいう僕もついこの前、いばら美喜の「怪談!!黒猫」という漫画を古本屋で見つけて危うく買いそうになったのだけど、それは既に持ってる「化け猫少女」と全く同じ漫画であるという事を知って買わずに済んだのはこの目録のおかげなのだった。よかった。

なにより寝る前なんかにぽけーっと眺めて、「怪談血吸い天女」とか「首を切られたいじめっ子」とか「猿少女」とか数多のタイトルと書影を追っているだけで、もうそれだけで言い知れぬ甘酸っぱさ、居心地のよさに酔い痴れて、朝までぐっすり安眠できるのだ。

クリックすると元のサイズで表示します

2008/1/11 | 投稿者: losthouse

怪奇漫画といえば。

テレビ・アニメ「墓場鬼太郎」を鑑賞。

なんで血液銀行じゃねぇんだよ、とか、やっぱカエルの目玉喰うシーンで鼻汁たれなきゃ駄目だろ、とか、そば屋の丼に親父が潜り込むくだりはどうした?とか、言おうと思えばいくらでも言えるけど、いやいや、これは面白いアニメだよ、と素直に感激。

まるで貸本漫画の巻頭カラーのように毒々しい彩色だとか、全体的にデジタル時代のイマフウなアニメにちゃんとなっていて、それはとても良い事だと思った。

思えば僕が水木しげるを本当に夢中になって読んでいた幼少期には、貸本の「墓場鬼太郎」なんて幾ら読みたくっても、どうしたって読むことの出来ない幻の作品だったのに、それが今では普通の新刊書店で文庫本が買えて、おまけにテレビ・アニメにまでなるなんて、ほんと人間生きてれば何が起こるかわからない。

残る課題は鬼太郎がちゃんと煙草をふかしてくれるかどうか、ってとこで、ジェイムズ・ボンドですら煙草を吸わなくなった21世紀、墓場鬼太郎が「おばさん、ピース」って言ってくれなきゃぁ僕は許さない。
クリックすると元のサイズで表示します

1/5から放送が始まったテレビ・ドラマ「栞と紙魚子の怪奇事件簿」も観る。

言わずもがなの諸星大二郎原作。でもドラマの内容がどうこう、と言うより、諸星大二郎のコメント動画が公式サイトに普通に置いてある事が一番びっくりした。

2008/1/8 | 投稿者: losthouse

怪奇漫画が好きだ。

幼少の頃より、水木しげる、楳図かずおの大メジャーは勿論のこと、つのだじろうや古賀新一等の中メジャー作品を耽読し、またはもう作者の名前も覚えていない、ひばり書房から出てた黒い背表紙の単行本を書店で眺め、こういうのってグロいだけなんだよな、こんなの読んでる奴はよっぽどの低脳だよな、とか思いながらも、その毒々しさと禍々しさの誘惑には勝てず当てずっぽうにジャケ買いして、グロければ、恐ろしければもうそれだけで良いと、怪奇漫画に親しんで生きてきた。

陽気幽平、という漫画家がいる。
つったって、知っているひとはまず居ない。
かくいう僕も、名前を聞いた事はあっても、実際に読んだことは無かった。
その作品は貸本漫画誌ばかりに発表され、未だかつて一度も復刻されたことが無かったのだから、現代日本で読んだ事のあるひとの数は非常に少ないだろうと思われる。
そんな陽気幽平の「ケケカカ物語 とり小僧」という漫画が奇跡的に復刻され、今は誰もが読めるようになった、というのは本当に良いニュースだ。

内容については多くを語るまい。こういう漫画こそが馬鹿売れするべきだ、と僕は思うので、みんなが買えば良い。そして版元は馬鹿売れに気を良くして2冊、3冊と陽気幽平の作品を復刻すると良い。それが良い。

まんだらけで「とり小僧」を買ったついでに、なんか怪奇漫画は無いかと物色していたら、いばら美喜の「化け猫少女」と「悪魔の招待状」を見つけて購入。

いばら美喜、ってひとも僕はものすごく好きな作家なのだが、陽気幽平ほどじゃ無いけど知ってるひとが余り居ない。
「化け猫少女」は初めて読んだのだけど、本当に面白くて痛快で怪しくて美しい漫画で、こんな素晴らしい漫画なのにどうして世間様に知られていないんだろう、と悔しくなる。
いつの日か「いばら美喜全集」が出版されて、貸本時代の作品から80年代のレモンコミックスものまで、まとめて読める日が来るのを僕は夢見て。ゆめみて。

2008/1/4 | 投稿者: losthouse

あけましておめでとう、なんて、お正月だから。お正月映画を。

だから清冽な空気の歌舞伎町で、「魍魎の匣」という映画を観る。

昭和27年の東京を、中国ロケで再現してしまおう、という試みはあたらしいと思うけど、どこからどうみてもそこは東京では無く、中国にしか見えないという情けなさ。
更に長大な原作をシンプルにしようという努力が仇になり、より複雑に混沌としてしまった脚本。
そして何よりも宮藤官九郎とかいうヘボ役者の、一番いい役どころなのにすべてを台無しにするヘボ演技。

以上のような事柄から、これを失敗作だと断罪することは非常に簡単なのだけれども、実をいうと僕は中盤あたりから面白くてしょうがなくなっていた。

原作にあったミステリ部分はばっさりカットされ、単に悪役マッド・サイエンティストの野望を打ち砕く、って感じのまるでボンド映画みたいな筋立てになっていて、池谷仙克のモロB級特撮な美術も相まって、馬鹿SF度は満点。
そんな馬鹿SFに、陰陽道や妖怪がらみの蘊蓄が絡むのだから、こんなにわかりにくくて、変梃な特撮映画は滅多に無い。なんて変な映画だ!と、僕は鑑賞しながら膝を打ったのだった。

だから僕はあえて言おう。「魍魎の匣」は面白い映画である、と。まぁお正月だし。




AutoPage最新お知らせ