2007/12/31 | 投稿者: losthouse

近所のドン・キホーテに行ったら、パティ・スミスがあきたこまちの20キログラム袋を重そうに抱えて歩いていて、ああ、パティ・スミスも米とか買うんだなぁ、カレーとか喰いそうだもんなぁ、って思っていたら、もう10年以上会っていないむかしの友だちに背中のほうから声をかけられて、やぁ久しぶり、って握手して、近くのファミレスでお茶でも、って行ったんだけど、顔は全然変わってないのに、むかしは野球帽を被ってジーンズとTシャツだった彼が、今ではテーラードのスーツをぱりっと着ていて、昔話をする中にも時折混じる「いまの会社でも」とか「俺の会社でも」とかそんな台詞が気になって、「で、いま何してるの?」って聞くと、「あれ、コバちゃんから聞いてない?」とか言われて、そもそもコバちゃんなんてひとを知らないので、「聞いてない」って言うと、なんでも会社をふたつも経営していて、そのひとつはハーブティーの輸入販売店とかで、むかしはマリファナばかり吸っていた男がハーブティーとは出来過ぎでいて似合わない、なんて滑稽な世の中だ、「で、君はいま何してるの?」って聞かれても、「なーんもぉ」と答えて、右手をぐるぐる回しながら店を出ようとしたら、レジんとこにあるおもちゃの棚に足を引っ掛けて血を流し、ぬいぐるみやミニカーが腕や脚にからみついて噛み付いて僕の生き血を啜るので、尚も涙を流しながら「よいお年を!」と叫んで今年が終わった。

2007/12/25 | 投稿者: losthouse

ボブ・ディランのあたらしいDVD「The Other Side Of The Mirror」を観る。

63年から65年までの、ニューポート・フォーク・フェスティバル出演映像をまとめたもの。
やっぱりこの頃のディランは才気溢れる時代の寵児って感じで、65年のいわゆる「バンドで出てきてブーイング事件」に於ける不機嫌そうな歌いっぷりなんか文句なしに格好良いんだけど、でも文句なしに格好良い映像が延々続くので、笑いどころが無くって少々飽きてしまうところもあって、やっぱり年老いた現在のディランと66年のディランが交互に登場するマーティン・スコセッシの「ノー・ディレクション・ホーム」って、3時間もあるけど観る者を飽きさせない、とても良く出来た映画だったなぁ、と改めて思った。

ところで「I'm Not There」というボブ・ディランの伝記映画がアメリカでは公開されていて、日本でも来年あたりやるんだろうか。
リチャード・ギアやらクリスチャン・ベールやらケイト・ブランシェットやらが6人がかりでボブ・ディラン役を演じる、ってところが変梃で面白いけど、アートっぽいいやらしさの無い、笑える映画だったら良いなぁ、と密かに期待している。


2007/12/24 | 投稿者: losthouse

いまはもう疎遠になってしまった知人がむかし、どんなに不幸なときでもそれがクリスマスなら街を歩くだけで救われる、というような事を言っていて、冗談だろ、ざけんなよ、そんな気持ち悪い顔でそんな気持ち悪い事言うな変態、って言うと、冗談じゃない、ざけてもいない、そんなに気持ち悪い顔でもない、デパートのイルミネーションやケーキ売りの呼び声だけで、それだけで彼はとっても幸福になれるのだと言った。だからおらぁクリスマスだいすきだぁ、とも。

そんな彼の事を突然思い出したのは、クリスマス・ムード真っ只中の新宿を友だちと歩いていたからで、別段幸福なわけでも不幸なわけでもない、タワーレコードでも行くぅ?って何の気無しに歩いていただけなのに、突如訪れる無敵感、躁状態。
救世軍のトランペットやら街行くアベックやら酔っ払いやら托鉢僧やらひっきりなしにスピーカーから流れる鐘の音などを目にし耳にしているうちに、なんだか凄まじく楽しくなってきて、よし、今夜は僕の驕りだ、ついてこい、つって高級ホテルの最上階にあるいやらしいバーに行って1杯1600円のマティーニとかをしこたま飲んで、これは随分飲み易いね、おかわり、って言い続けて酔うまで飲んで、俺は無敵、愛しているぜ、メリークリスマス、とか言い出して、「病気なんじゃないの?」とも言われたが気にしない。あ、お支払いはカードで。何故なら金を持っていないから。

で、もうちょっと落ち着いて飲み直そうか、ということになって24時間営業のスーパーマーケットに買い出しに行くと、店内が異様な緊張感に包まれていて、何かと思えば胸の前に葱やらメロンやら毛蟹やらを抱えた初老の男性が、「ロクちゃん、ロクぅ!カゴもってこいよ!重いんだよ!」って怒声を発していて、ロクと呼ばれた小柄な老女がはいはい、って小さな声で言って店の入り口までカゴを取りに歩いて行く。ロクちゃんがカゴを取りに行っている間も男性の怒号は止まず、しかしそれはロクちゃんに対してというわけでもなく、どうやらこのスーパーに入る前に行っていた居酒屋で不愉快な思いをしたらしく、「もうあんな店二度と行かねぇ、ぶっ殺す、中野の街自体がもういやだ、二度と行かない」等とずうっとぶつぶつやっていて、ロクちゃんがカゴを持って来て必死になだめるのだけれど、「フグ、フグは?フグ喰いてぇ」とか叫び出すものだから、平和なクリスマスを過ごすその他の買い物客は、ひどく緊張を強いられてみんな顔面が硬直している。

「ほら他のお客さんいるから、どうしたの?もう帰ろう、ねぇ?」
「ああいやだ、二度と行かねぇ、金は要らないからもう帰れ、なんて言いやがった。中野なんて大っ嫌いだ、フグ、フグ。あぁっ!タクシー代は?ロクちゃんタクシー代は?!」
「払った払った。払ったから。もう帰ろう、ね?」
「ああ腹立つ。中野。フグ。金は要らないから帰ってくれ、なんて。ああカゴが重い」

ああ、こうして僕が今日一日、無敵の幸福感を満喫してしまったばかりに、この世にまた不幸なひとがひとり増えてしまった。
いったい何がほんとうの幸いなのかわかりません。

尚もぶつぶつ続けている男性とロクちゃんを店内に置き去りにして、僕はシャンパンと生ハムをぶら下げて帰り路。「ボクはキミをロクちゃんみたいには絶対扱わないよ」と気障な声で彼女に囁き、彼女も応えて「きもちわりぃ、寄るな変態」って言って大いに笑った。インエクセルシスデオ。

2007/12/15 | 投稿者: losthouse

「『ブレードランナー』製作25周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション」という、やたら名前の長いDVDボックスが届く。

ワークプリント版、オリジナル版、完全版、最終版、ファイナルカットと、全バージョンを収めた5枚組。
たかだか2時間の映画のために5枚組って、2枚くらいで充分ですよと言いたいところだけど、むかし「月曜ロードショー」で初めて観たときの、あの日本語吹き替えが収録されていると聞いては買わずにいられない。
早速オリジナル劇場公開版を日本語音声で観て、寺田農演ずるロイ・バティの格好良さにしびれつつも、懐かしさで涙が出そうになった。買って良かった。

ところで、今回の目玉は初ソフト化のワークプリント版。
「ブレードランナー」といえば「ふたつで充分ですよ」のスシマスターだけれども、どのバージョンでも画面に映る事が無いその「ふたつ」の正体が確認出来るのは、劇場公開以前に編集されたワークプリント版だけなのである。

こうしてワークプリント版が正式にソフト化されたことにより、マニヤ間で「海老だ」「いや、いなりずしだ」と長年議論されてきた「ふたつ」問題も一気に解決かと思いきや、ふと2ちゃんねるを覗いたらまだまだ「ふたつ」問題に関する議論は紛糾していて、笑いつつもこうなったら勿体無くてワークプリント版を観るのはまだまだ後にとっておこうと思った。

↓以下2ちゃんねるより抜粋。

17 名前:名無シネマ@上映中 メェル:sage 投稿日:2007/12/14(金) 20:32:24
『二つで十分ですよ』の正体が映ってるカットを初めてみたんだけど
アレ、なに?焼き茄子にしかみえないんだがw

19 名前:名無シネマ@上映中 メェル:sage 投稿日:2007/12/14(金) 21:33:20
>>17
握り寿司だと何かで読んだが

20 名前:名無シネマ@上映中 投稿日:2007/12/14(金) 22:06:40
海老天丼とかいう話も聞いたことがある

21 名前:名無シネマ@上映中 メェル:sage 投稿日:2007/12/14(金) 22:14:55
スシマスターが天丼を出すのか

22 名前:名無シネマ@上映中 メェル:sage 投稿日:2007/12/14(金) 22:16:25
>>17
魚(シシャモ?)っぽかったよ。
エビの尾に見える部分がよく見ると頭部だとわかる。

23 名前:名無シネマ@上映中 メェル:sage 投稿日:2007/12/14(金) 22:17:37
殻付きの海老が、生のまま飯の上に乗ってる感じだよねえ。

日本人として食いたくねえ・・・。

51 名前:名無シネマ@上映中 投稿日:2007/12/15(土) 20:35:45
DICK5のメイキングでの解説で
結局すしマスターからだされたのは、
大えび2匹と解説と映像からあきらか。海老丼みたくアルよ。
それをみるとやっぱり「2つで十分ですよ」だな。

映像は黒っぽくて海老だとは明確に確認できないが・・・。

52 名前:名無シネマ@上映中 メェル:sage 投稿日:2007/12/15(土) 20:43:59
本スレで誰かがアップした画像見る限りは、背びれみたいのあるけど・・・

53 名前:名無シネマ@上映中 メェル:sage 投稿日:2007/12/15(土) 21:06:08
本編でうどんが映ってるって

54 名前:名無シネマ@上映中 メェル:sage 投稿日:2007/12/15(土) 21:20:52
海老には見えない。素揚げの茄子か漬物の茄子(浅漬けとか辛子漬け)に見える。

55 名前:名無シネマ@上映中 投稿日:2007/12/15(土) 21:40:04
未公開シーン、ワークプリント双方を
静止画にしてみるとヒレがある。
種類は特定できないが、あれは魚だよ。

56 名前:名無シネマ@上映中 メェル:sage 投稿日:2007/12/15(土) 21:41:37
やっと鮮明な画質で確認できるようになったのに
それでも物議をかもす「2つ」の存在って・・・
ブレードランナーおそるべし

2007/12/9 | 投稿者: losthouse

花輪和一「刑務所の前」第3巻を読む。
圧倒的な面白さで、これで完結かと思うと寂しい限り。
地縛霊になった死んだ母親に面会に行くくだりは、花輪和一以外誰にも書けない地獄めぐり。素晴らしい。

友だちにイイ、と薦められて、しりあがり寿の新作「ゲロゲロプースカ」も読む。
しりあがり寿って決して嫌いじゃないのだけれど、最近のリリシズムがどうにも肌に合わない。読んでいると面映くなってしまっていかん。
鈴木志保「船を建てる」も、ひとから薦められたのとタイトルがシップビルディングだったのに惹かれて読んでみたけど、フランス映画とかロック/ポップスへのオマージュがどうにも気恥ずかしくってやりきれない気持ちになった。岡崎京子とかフリッパーズ・ギターの感じ。中学生のときに読んでたらグッときたのかも知れない。

文庫化された業田義家の「ゴーダ哲学堂」も初めて読んでみたけど面白かった。本来読んでる者を気恥ずかしくさせるに充分な程の説教くささと著者の力みっぷりなのだけど、絵とおはなしが軽やかな分、すんなり読めるのが良い。

シオドア・スタージョン「[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ」を購入。
またもや出た、スタージョンの短編アンソロジー。まったくもって信じられない現象だけど、これで現在日本で普通に売られているスタージョンの短編集は、「海を失った男」「不思議のひと触れ」「輝く断片」「時間のかかる彫刻」「一角獣・多角獣」に続いて6冊になってしまった!
(ほんの)数年前に、僕が初めてスタージョンを読んでみるかって思ったときには、ハヤカワ文庫の「人間以上」一冊きりしか売られていなかった事を考えると、まさしく奇跡のようなリバイバルぶり。
そのおかげで、僕も「孤独の円盤」を読むことが出来たのだから感謝せずにはいられない。

「孤独の円盤」はもう何回も読み返しているのだけれど、読む度に溢れる感動を抑えきれない。
リリカルといえば同じくらいリリカルなのに、何故しりあがり寿だと面映くなってしまってスタージョンだと感激してしまうのか、その辺のところを解析するのが当面の僕の課題だけれども、とにかく「孤独の円盤」は本当に素敵な物語なので、少しでも時間と興味のある方には是非読んで欲しい。「不思議のひと触れ」と「一角獣・多角獣」にそれぞれ収録されています。

2007/12/2 | 投稿者: losthouse

破格の値段で「燃えつきた地図」のB2ポスターを発見。
もちろん何も迷う事は無い。光の速さで購入した。

嬉しい。
勝新とともに暮らす日々。
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↓おまけ。




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