2007/11/24 | 投稿者: losthouse

深夜。映画でも観に行こうか、つって自転車でしゅっ、と劇場に行ってこんな時間に映画を観られるというのは、なんて恵まれた環境に暮らしているのだろうか、日本もなかなか良い国じゃないか、と幸せを噛み締めながら、新宿三丁目で「ブレードランナー ファイナル・カット」を観る。

恥ずかしながら、今までテレビ放映とVHSでしか「ブレードランナー」を観た事が無かったので、どうしても一度劇場で観たかったのと、デジタル・ライト・プロセッシング、所謂DLP上映というのが何だか物凄いらしいという噂を聞いていたので、どんなものなのか体験してみたかったのである。

で、これが想像以上に凄かった。ひとの感じる価値なんてのは様々だけど、僕にとっては冒頭の5分だけでも1800円以上の価値がある。スピナーに乗って空から見下ろす2019年のロスアンジェルス。大画面の隅から隅までが圧倒的な解像度で、自分が画面の中に入って行ってしまうような、初めて体験する没入感にくらくらしてしまった。

音響もえらい臨場感で、ヴァンゲリスのシンセは勿論、雨の滴る音やら雑踏の喧騒、ダリル・ハンナの金切り声が大変なことに。

僕は各ヴァージョンをつぶさに比較検証する程のマニヤでは無いので、肝心の中身は「最終版」からどう変わったのかいまいち良く判らなかったのだけど、とにかく雨が、炎が、フクロウが、ハトが、強力わかもとが、うどんが、ど迫力でせまる「ファイナル・カット」は、もうそれを観るだけでもお腹いっぱいになれる筈なので、是非劇場のDLP上映でご覧下さい。ほんと。

2007/11/18 | 投稿者: losthouse

「ユリイカ」の11月号によると、世はなべてドストエフスキー・ブームなんだそうな。

本当だったら良い世の中になったものだが、街を歩いても電車に乗っても居酒屋にいても、誰も「やっぱ『かわいい女』って泣けるよねぇ」とか、「なんでイエスは大審問官にキスしたんだろうね」とか、「スメルジャコフは格好良いな」なんて話をしていないし、女性誌の広告にも「ナスターシャ・フィリポブナになりたい!」とかそういうコピーが躍ったりしていないし、パチンコ屋の前を通っても、「ぱちんこカラマーゾフの兄弟」とか書いてあったりしないので、ブームってのはどうやら嘘っぱちだ。

けど、亀山郁夫「『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する」って本が出てたので、あ、ブームだ、と思って買って読んだ。

過去の研究者がもたらした定説通り、書かれなかった続編は「アリョーシャが信仰を失って流転の末、皇帝を暗殺する」プロットなのだと僕も長年信じてきたのだけれど、この本で著者は正編を徹底的に読み込んで、別の可能性を提示している。ネタバレなので書かないけれど、成程、それも有りだなと思わせる興味深い内容で、何より面白いのは、正編執筆以前、または同時期に起こった事件や政変が、いかに正編の完成に影響を与えているかを検証し、更にそこから、続編のプロットを導き出すってとこで、ここまで来ると立派な「研究」だが、著者はあくまでも「空想」であると断じているわけで、良い意味で無責任なところが読み易いし潔い。とても面白い本だった。

で、こんなものを読んでいるとやっぱり原典が読みたくなるわけで、亀山郁夫・訳「カラマーゾフの兄弟」光文社古典新訳文庫全5冊を買ってきて読む。

思えば15歳のとき、古本屋で買ってきた世界文学全集みたいなやつ、版元も訳者も忘れてしまったけど、あれで読んだのが最初で、その後新潮文庫の原卓也訳で2回、今回で4度目の通読だったのだけど、やっぱり「カラマーゾフの兄弟」が「世界でいちばん面白い小説」である、という信念が変わることは無かった。

ミステリ仕立てで一気に読ませるスピード感は、訳が変わろうとも不変。一度エンジンがかかると、寝る間も惜しんで読み続けてしまう、読書の醍醐味を久々に味わった。

これからはこの光文社版が新たな定本になりそうだけど、全4部を4冊に分けた構成はすっきりしていて美しいし、各巻末に付けられた訳者による「読書ガイド」と、別巻扱いの第5巻「解題」がとても有意義で面白かった。

2007/11/13 | 投稿者: losthouse

鬼太郎と税。妖怪と税。
鬼太郎を一度でも読んだことのあるひとなら、あまりにも筋違いなこんな仕事を水木プロに持ち込まないだろうとは思うのだけど。
鬼太郎が税金の有り難みを啓発する世の中になってしまった。
世も末。

新番組「墓場鬼太郎」のサイトも更新されている。
期待と不安が入り混じる、とはこの事だが、大塚周夫のねずみ男がまた観られるのかと思うとそれだけで、早く観たいと思わせるのだから仕方が無い。

2007/11/9 | 投稿者: losthouse

ただただYouTubeに落ちてる動画を貼り付ける、ってのは簡便で芸が無くてどうかと思うけど、余りにも格好良くって遍くすべての人に見て欲しいと思うほど感動したので、ただただYouTubeに落ちてる動画を貼り付ける事にした。

Pere Ubu "Breath"


Pere Ubu "Waiting for Mary"


パンク・ロックとはこういうものを指して云う。

2007/11/5 | 投稿者: losthouse

花輪和一「花輪和一初期作品集」を買う。
タコシェで買ったら、花輪センセイのサインが入っていてとても嬉しい。
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お目当ては単行本未収録の7本だったのだけど、既にむかしの単行本で読んでいた作品の数々も久しぶりに読んでみるとやっぱりとても面白くって、名作「因果」なんかが入っていないのが少し物足りない。
どうせなら分厚くなって値段が高くなっても、「月ノ光」と「赤ヒ夜」に入ってた70年代前半の諸作は全部収録してしまえば良かったのに、と思う。

むかし友だちが、「花輪マンガは真正面から対峙しないといけないから、体力が無い時には読めない」ってゆうような事を言っていたけど、初期の作品に関しては全然大丈夫。寝転がってげらげら笑いながら、何も考えずに読んでしまえる。エロとグロに徹した潔さが、素直に笑えるし実に心地良い。

楳図パーフェクションの最新刊「漂流教室 第1集」も購入。
こちらも単行本でカットされたページや扉絵を完全収録ってのがお目当てだったけど、凄まじい面白さで、ただただ夢中になって読み終えてしまった。既に結末まで知ってるのに、続きが早く読みたい!と思わせるのだから、少年漫画の鑑。

既に持ってる漫画を何度も買い直す。これが大人になると云うことなのか。




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