2006/10/31 | 投稿者: losthouse

恵比寿のガーデンプレイスまで行って、「カポーティ」という映画を観る。

トルーマン・カポーティ役のひとが大変真に迫った演技をしていて、ホモでアル中でヤク中の天才作家に思いっきり感情移入してしまう。
作家と死刑囚の歪んだ恋物語、って感じの物語と演出も素晴らしくって、図らずも感動してしまった。すごく良かった。

トルーマン・カポーティが動いて喋ってるところなんて「名探偵登場」くらいでしか見た事ないからよくわからないけれど、恐らく口調から立居振舞いから本人にそっくり似せて演技をしているようで、それでいてこのひとは本当にこういうひとなんだ、と思わせるに充分な説得力があって、ただの形態模写に見えないところが凄い。

形態模写といえば、まえに「バスキア」という映画でデヴィッド・ボウイがアンディ・ウォーホルの役をやっていて、喋り方やポーズの付け方などすっかり本人になりきって演じていたのだけれど、まるでテレビの「ものまね王座決定戦」を見てるみたいに思えて興醒めしてしまったことがある。
「カポーティ」にはそういう印象を抱かなかったのは、カポーティ役のフィリップ・シーモア・ホフマンに比べてボウイ自身があまりに有名過ぎて、銀髪のかつらを被っている事に違和感を感じるからなのか、それともそれが演技力の差というものなのだろうか。
ものまねと演技のあいだ。

で、ボウイといえば、クリストファー・プリーストの「奇術師」がクリストファー・ノーラン監督で映画化されたようで、その映画でなんとニコラ・テスラの役をデヴィッド・ボウイがやっているんだそうな。
それはちょっと観たい。

2006/10/22 | 投稿者: losthouse

渋谷区円山町、むかしオンエアーつってたオーイーストってとこの向かいの上にあるオーネストって複雑な位置関係でふざけた名前のライブハウスへてくてく行って、ザ・レッド・クレイオラのライブを観る。

下北沢のシェルターでこっそりやってた初来日から数えて、クレイオラを観るのももう4回目になるのであまり新鮮味は無いのだけれど、新作「イントロダクション」がとても良かったし、その新作で大活躍しているアコーディオン弾きのひとが一緒に来るというし、ドラムはジョン・マッケンタイアだし、急遽ジム・オルークも参加するというし、今回のライブは結構楽しみにしていて会場へ入ると熱気ムンムンの超満員。

立て続けに5曲くらい新作からの曲を演って、やっぱりそれが凄く良くって、いいなぁ、と思っていたのだけれど、それから「ワイヴス・イン・オービット」とか「デイリーメイズ・ラメント」とか往年の名曲群を演奏するのを聴いていて、なんだか今年のクレイオラは演奏が上手いぞ、という事に気がついた。

いつもならぎくしゃくガタガタしてつんのめって階段踏み外すような変拍子の曲でも、今回のバンドはブレイクをばしっと決めて、やっぱり時々は間違えるけど、それでもそつなくタイトな演奏をこなしている。
そのせいかどうかメイヨ・トンプソンのイイ声が際立って、曲の良さが際立って、こざかしいものが何も無い、率直で良いライブだった。

それにしても、スパークスから遠藤ミチロウ、そしてレッド・クレイオラと、それぞれ全然違うタイプの演奏家たちのライブを、3日間続けて観たことになるわけだが、そのどれもが良かったということはとても良かった面白かった。

写真は会場で売っていたレッド・クレイオラ特製缶詰。こんなもの売ってたらそりゃあ買うでしょう。
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2006/10/21 | 投稿者: losthouse

素晴らしいスパークス・ショウの余波で鯨飲、朝まで飲み明かしてアジトで気絶してふっと目を覚ますとまだ午前中。
宿酔も無く完璧な健康状態で、天気も良いしお出かけしましょう、って言ってもやることなんて大概決まっていて、横溝文庫ハンティングの為いざ神保町へ。

途中新宿で電車を乗り換えようとして、何だか妙な胸騒ぎがして、ちょっと寄り道しなきゃいけないような気がしてタワーレコードへ行くと、遠藤ミチロウがインストア・ライブをやっていた。
あまりの偶然に嬉しくなって、じっくり観る。

やっぱり生で観るミチロウはとても良い。ふつうインストア・ライブなんて手を抜きそうなもんだが、いつでも本気なのがこの人の良いところだ。
昼間のタワーレコード、って思いっきり不似合いな環境で観るミチロウは何だか不思議な感じだったけど、その不似合いさが却って特異な歌詞を際立たせているように思えて、やっぱりこの人は歌手として、詩人として人間国宝クラスだなぁ、と思う。

一曲目にやったのがGNP時代の「オデッセイ・1985・SEX」の改作版、「オデッセイ・2006・SEX」だったのだけど、アコギを掻き鳴らしてブレイクの後、「やりたいか?そんなにやりたいか?」って一声うたっただけで昼間のタワーレコードがえらく不穏な空気になって、「亀は万年どうにでもなる」とか「気を付けっ!チャックを閉めろ!」とか「その時私は失語症、真最中なら心身症」とか「ヘンタイ、くんだら負けるぞ」とか、矢継ぎ早に飛び出る言葉がいちいち面白くて、笑いたいけど笑うまえに口をあんぐり開けて呆気にとられてしまう感じで、この感覚はミチロウのライブでしか味わえない。

「キム・ジョンイルに捧げます」との前置きで最後が「先天性労働者」。昼下がりのCDショップに共産党宣言の絶叫が響き渡り、わずか30分のライブだったけど、僕は二日続けて幸福な気分になった。

神保町ではいつものように羊頭書房へ。
「花園の悪魔」「七つの仮面」ようやく見つける。

500円でずっと売れ残っていた「別冊新評 唐十郎の世界」も勿体無いのでハントした。
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2006/10/20 | 投稿者: losthouse

渋谷区円山町、むかしはオンエアーっつってたライブハウスがいまはオーイーストって名前で出ています。で、てくてく歩いて行ってスパークスのライブを観る。
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5年前の初来日のときはエレドラとキーボードだけの簡素なセットだったのが、今回はフルバンドでの来日。後半「キモノ・マイ・ハウス」や「プロパガンダ」の曲を70年代のアレンジそのままに演奏していて、サポートのドラムもベースもギターも皆ツボを心得た素晴らしく芸達者な人たちで感激した。

前半は新作「ハロー・ヤング・ラヴァーズ」の曲を映像付きで全曲演奏したのだけれど、初来日時との決定的な違いはたぶんこの新作を本人たちが凄く気に入っていて、その自信満々っぷりが伝わって来るのであって、5年前の公演では昔の曲は盛り上がるんだけど、ちょぼちょぼ挟まる最近の曲ではイマイチのりきれない、ってのが正直なところを、催眠術とか赤ちゃん浮遊ショーとかロン・メイルの馬鹿踊りとかで笑かして、それはそれでスパークスの人柄とか観客の暖かさとか一種独特の幸福感があって実に良かったんだけれども、今回のスパークスは立派に現役ロック・バンドとして復活していて、ギャグも少なめなちょっと硬派な印象だった。

返り咲きの変態兄弟はまだ当分は元気にやってくれそうで、観ていて凄く幸福な気分になった。

2006/10/18 | 投稿者: losthouse

これは久しぶりにドキドキしました。

71年のCM「ナショナル掃除機 隼」 制作は無論円谷プロダクション。


ゴミ怪獣ゴミラ、その顔はヤメタランスじゃ無いか!!

2006/10/17 | 投稿者: losthouse

さて、早く観たくて観たくてたまらない「007 カジノ・ロワイヤル」ですが、またひとつ気になる画像を入手しまして。

原作小説のなかの有名なシーンで、ボンドが全裸に剥かれて椅子に縛りつけられて、むきだしの股間を絨毯叩きで何度も何度も強打される、という史上最も痛そうで屈辱的な拷問のくだりがあるんですが、まさかそれは映画でやらんだろう、と思っていたところ、こんなスチールが公開されていたのでした。↓
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なんと原作通りの拷問シーンがきちんとある様子で、バイオレンスに溢れたボンド映画になるとすると、これはひょっとして傑作の予感。

2006/10/15 | 投稿者: losthouse

もういい加減、軽くて気楽なやつが読みたい。オカルトはもう御免だ、そう思って街へ。

気がつくと中野ブロードウェイに居て、気がつくとまんだらけの店先に居て、そこでまた何ものかに取り憑かれ前後不覚の状態に陥り、正気に戻った時には、つのだじろう「恐怖新聞」全9巻をまとめ買いしていた。

だって揃いで900円だったの。この大名作が一冊100円。安過ぎる。
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2006/10/14 | 投稿者: losthouse

それから一週間。
毎日横溝正史を読み続けていた御蔭で、頭の中は密室殺人の事や首なし死体の事や没落貴族の事や旧家の因習の事で一杯になってしまい、精神衛生上よろしくない。

今日くらいは違うのを読もう、って思って、近所の古本屋で物色していて、軽くて気楽なやつがいいね、って漫画のコーナーを物色していて、そこで軽く精神の均衡を崩し、前後の記憶を失くした僕は、次に気がついた時にはレジでつのだじろう「悪魔の手鞠唄」を買っていたのだった。

ああ、何でまた横溝を、しかもつのだじろうの気色悪い絵のついたやつを買っているのだ、全然軽くて気楽じゃ無いじゃないか、と絶望しながら、それでもちょっと楽しみで、アジトに帰って早速読む。

しかしこれが凄かった。
物語は現代(70年代)に設定されていて、肝心の「悪魔の手鞠唄」自体が悪魔のコスプレ(トップレス)をした三人娘が歌う大ヒット歌謡曲って設定で、歌詞も全然違う。「怪奇大作戦」の「死神の子守唄」を更にグロテスクにしたような、両手首を切り落とす、とか体中に釘を打ち込む、とかそんなしょーもない歌詞に見立てて連続殺人が起こるわけだが、そのまんまナイフで手首を切り落としたり五寸釘を打ち込んだりするんだから、見立てるもなにも無いわけで、謎めいた雰囲気はまるで無く、ただ気持ち悪いだけである。

挙句、名探偵であるところの金田一耕助にしてからが、「犯人は幽霊だ」と探偵にあるまじき事を言い出して、「早速霊能者を呼んで招霊して(幽霊に)事情を聞きましょう」なんて言って降霊会を催したりして、つのだじろうの暴走ぶりが何とも凄まじい。

当時の横溝ブームが、いかにオカルトブームと一緒くたにされていて誤解されていたか、という事が如実に理解る内容で、大変興味深く面白く読んだ。
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2006/10/9 | 投稿者: losthouse

ようやく「八つ墓村」を読む。

渥美清の映画版からの刷り込みか、もっと怪奇で猟奇で耽美な小説だとばかり思い込んでいたのだけれど、意外に健康的な探検もの、冒険ものって印象で、そこが面白かった。
しかし500ページをあっという間に読ませるのだから凄い。やっぱスピード感って大事。

自分用リンク:角川横溝文庫表紙絵ギャラリー

2006/10/8 | 投稿者: losthouse

吉祥寺古本センターで、無事「八つ墓村」を買う。
よかった、最初からここに来ればよかった、うれしい、さぁ帰って読もう、ってそうはいかない。僕は井の頭公園までお芝居を観に来たのだ。

概して僕は演劇というものが大嫌いで、舞台俳優の台詞まわし並びに発声や陶酔している様、さらにそれに陶酔している観客、そういうものを眺めるのが嫌なのでお芝居なんて滅多に観に行かない。

でも春に唐十郎のお芝居を観て、その時はまぁ一回くらい記念にアングラの名残でも、って気持ちで観に行ったのだけど、それが意外にもえらく面白くって感激して、しぜん他の演目も観てみたいな、って事になり、今日はこうして劇団唐組秋公演「透明人間」を観に来たのであった。

井の頭公園の果てのほう、ミヤザキハヤオ美術館の裏手にある広場に建てられた紅テントは超満員、熱気と秋風とほこりの中で、今回もめくるめく、って感じのハイ・スピードでお芝居は進み、呆気にとられている間に二時間は過ぎてしまう。とても面白かった。

でもただ面白い、って思うのは何だか癪にさわるので、観ている間にも一体何が面白いんだろう、嫌いな演劇なのに、と考えていたのだけれど、それは登場人物たちがすごく誠実に、自分の言葉で喋りまくるからで、普段は決してこんなにも語る言葉を持たない筈のちんぴらだとか保健所の小役人だとか売笑婦たちが、何か大きな意思によって言葉を与えられ、彼等は彼等なりのリアリティをもって自らを語りたおし、そのそれぞれが物語に、モノ語りが物語になる様、それは仮想の世界なのだけど、こういう世界に生きてみたい、って思わせる力があって、それがスピード感の原動力でもあるのだな、と思って、そういうところが面白いのだ、と論理的に自らを結論づけて真面目に書いてて何か俺まるで演劇の人みたいで気持ち悪いからもうやめる。




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