昨日から今日の午前中にかけて、あまっていたサンプル用の
クロコダイルの革で、小銭入れを制作しました。
型紙を作り、革を切って、縫うだけの作業とたかをくくり
簡単にできるものと思っていたら、革を加工する作業は、
難しく、大変でした。
すべてそうだと思いますが、素材の性質を知り、理解して
いないと、何をするにもできないものだと改めて、思い
知らされました。
なので、本日は、靴などの革製品の原料についてご紹介します。
1、革と皮
生物の表面の組織をあらわす「かわ」と読む漢字には「皮」と「革」があり、しばしば混同されていますがこの2者は全く異なるものです。
まず「皮」は鞣されていない生の状態のものを指し、一方「革」の方は「皮」を鞣した状態のものを指します。英語では皮に当るもので比較的大型の生物から取れるものを“hide”、小さな生物から取れるものを“skin”と区別し、「革」に当るものを“leather”と呼んでいます。
なお、通常鞄や靴などに使われるのが「革」の方です。
2、革の構造は?
動物の皮は大きく3層に分かれており、最も外側にあるのが「表皮」、そのすぐ下にあるコラーゲンという蛋白質を中心にした層が「真皮層」、そしてその下にあり肉と結合している部分が「皮下組織」である。
これら3層のうち、我々が「革」として利用しているのが真中の「真皮層」であり、これはさらに、表面が滑々し動物特有の模様の現れる「銀層(吟層)」と、その下の繊維が網の目のように互いに絡まりあっている分厚い「網状組織」に分けられている。通常、革の表側として認知されているのは「銀層」で「銀面」と呼ばれ、裏側の網状組織が見えている側を「床面」と呼んでいます。
3、なぜ「皮」を鞣して「革」にするのか
動物の皮はその種類にもよりますが普通柔軟性に富み、かつ非常に丈夫なものが多いので、できれば「皮」のまま利用したいところです。だが「皮」は肉から分離されると栄養分などの供給源を絶たれ、すぐに腐敗してしまうか、逆に使い物にならないほどカチカチに固まってしまいます。
そのため、皮を有効に利用したい人類ははるか太古の昔から、皮を腐らせたり固まらせたりせずに使える方法をなんとか考え出しました。それが「鞣し(tanning)」という作業なのです。
おそらく初めは皮を干したり燻したり、口の中で噛んでみたり、塩漬けにしたりということを試したことと思われますが、そのうちに人類が到達した手段が、皮を植物の木や葉・実といっしょに長時間水に漬け込むという方法でした。これは動物の死体が落ち葉の積もった水溜りの中で腐らずに残っている様子を観察したのがヒントだったのでは、などと推測されていますが、この「タンニン鞣し」で鞣されたと思しき革はすでに古代のエジプトや中国で使われていたのが分かっているほど古くから見られます。
鞣し方には他にもクローム鞣しなどがありますが、いずれも真皮層のコラーゲンを特定の物質に結合させることによって安定させ、鞣しの効果があらわれます。
以上、長くなってしまいましたが、革について書いてみました。
日々、精進して、革と靴(革が化けると書く)について勉強
していきたいと改めて思いました。