令和3年10月1日から車検の手数料が値上げされます。
「何!?そんなハナシ聞いてないぞ!?」という人もいらっしゃると思いますが、私も最近、知りました。
国土交通省のHPに記載されている「技術情報管理手数料」の項目には次のように記載されています。
「令和3年10月1日以降、自動車メーカーが提供する故障診断に必要な情報管理、全国の検査場(車検場)や整備工場が利用する情報システムを運用していくための費用として、自動車の検査の際に支払う法定手数料に自動車技術総合機構の技術情報管理手数料が追加(1台あたり一律400円)されます。」
何やら小難しいことが書いてありますが、要するに車検で必要な費用として、ざっくり分けると、整備や点検に係る費用として整備工場に支払う費用と、国や自治体に支払う法定費用があります。
法定費用は、自賠責保険料(強制保険)、自動車重量税、継続検査手数料(印紙代)の3つに区分されるのですが、そのうち、国や軽自動車検査協会に支払う継続検査手数料が値上げとなるわけです。
持込検査の場合、普通自動車であれば1,800円、軽自動車であれば1,400円が基本となり、指定工場での整備の場合、普通自動車であれば1,200円(OSSは1,000円)、軽自動車であれば1,100円が基本となるアレです。
それが令和3年10月1日以降、自動車技術総合機構に支払う400円が追加され、持込検査の場合、普通自動車が2,200円、軽自動車が1,800円となり、指定整備の場合、普通自動車が1,600円(OSSは1,400円)、軽自動車は1,500円となります。
平成二桁以降のクルマの多くはOBDが標準装備になっているケースが高く、近年の電子制御が進んだクルマの診断は目視確認だけでは難しいため、そうした診断を車検に取り入れていこうとする流れにあるためだと思います。
OBDとは車載式故障診断装置の略ですが、例えば、衝突被害軽減ブレーキ等の電子制御といった先進安全装置は、診断機を使わないと目視検査だけでは難しいのもわかります。
とまぁ・・・ココまでは「最新のクルマの技術に追従するため車検制度も変わっていきましょう」ってことで理解できるのですが、疑問に思うのが、この費用をそうした対象のクルマからのみ徴収するのではなく、一律であること。
前述の衝突被害軽減ブレーキどころかABSさえ装着されていない古いクルマでも一律、徴収されるということです。
ちなみに、ABSはアンチロック・ブレーキシステムですが、衝突被害軽減ブレーキはAEB(Autonomous Emergency Braking)で、前方の障害物との衝突を回避するために衝突速度を下げるためにクルマがアシストする機能のことで、機能が異なります。
しかもOBD検査の対象は、2021年10月1日以降のクルマで、それ以前のクルマは対象外。
「これからの新しい技術が装備されたクルマのために、古いクルマに乗っている人もみんなお金を払ってね」というカラクリ。
重量税だって、新車登録から13年経過したクルマは、重課税として普通車だと40%増、18年経過で更に10%増、軽自動車だと13年で24%増、18年で7%増にもなるわけですが、古いクルマのオーナーにしてみれば「イマドキのクルマより、よっぽどこっちの方が軽いで!」と言いたくなる仕打ちと思っていたのに・・・。
重量税のときも、重課税という古いクルマのオーナーへの罰ゲームのように感じましたが、今回の継続検査手数料も、令和6年10月から始まる検査のための手数料。
3年も先に始まる検査なのに、今から徴収するってどういうこと?って思いますし、全く対象外のクルマからも徴収するってひどくない?という気持ちもあります(^^;
それなら、せめて令和6年10月から開始でもよくない?って・・・。
とにかく、一つ言えることは、冒頭に書いた法定費用なので、車検に係る費用が増えても、整備工場が潤うワケではないので、この話題は、整備工場に「なんで前より車検代が高くなるんや!」と怒ってはいけないこと。
よくわかりませんが、手数料が増える要因が、自動車技術総合機構の人件費に化けるため?と穿った見方をし始めると、全く腑に落ちなくなるので、この辺でやめておきます(笑)
国土交通省HPに記載されているOBD検査に係る情報
↓
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_OBD.html

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