あまり横穴墓には興味がないのですが、それでも装飾の類があるとなれば話は別。かねてより訪れてみたかった和水町の内田にある横穴群へ行ってきました。
まずは内田古賀横穴群へ。資料では14基あり、うち5基に赤の採色が施されてあるとのこと。右側から侵入しましたが、ヤブになっているうえに横穴の状態もかなり悪い。山中でガサゴソしていると地主さんが現れ、色々と教えていただけました。以前はもう少し採色(模様?)が残っていたそうですが、すっかり荒れ果ててしまったとのこと。左半分はやや状態が良かったものの、想定外の状態にがっかり。それでも、水神様の上にあった(おそらく)6号墓に、わずかですが赤色顔料がくっきりと残っていました。
内田古閑横穴群、左から2〜4号墓。
同6号墓。玄室内に赤色顔料が残る。
ついで、内田今城横穴墓群へ。ここでも地主の方と遭遇、親切にも現場まで案内していただけました。上段に9基、下段に4基とのことでしたが、下段のものはほぼ消滅。上段のものもゴミ焼きに使われてあったりで、残念な状態でした。
内田今城横穴墓、左から1号〜4号墓。
同4、5、6、9号墓。
思ったほどのものに出会えず意気消沈しましたが、最後に訪れた内田深田浦横穴群でこの日の苦労が報われました。資料では38基(調査は17基)あり、うち2基に赤色顔料が残るとのこと。号数が不確かですが、後世の線刻がある6号と赤色顔料が残る7号と17号を基準にナンバリングしました。
6号にはやや拙いながらも線刻摩崖仏があり。7号はやや高いところにあって到達困難ですが、枕付きの屍床や赤色顔料が残っており一番の見どころ。以後号数がわからずに片っ端から見て回ったところ、最後の方に赤色顔料が残っている物件がありこれを17号と勝手に判断して終了しました。
内田深田浦横穴群、左から4号〜6号墓。
同5号(上)、6号(下)。内部で繋がっている。
同7号墓。玄門に赤色顔料が残る。
同17号墓。玄門に赤色顔料が残る。

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