秋になり各地で装飾古墳が公開されるようになりました。金曜の夜に茨城へ飛んで、月曜の朝一で帰福するというタイトなスケジュールでしたが、以前より興味のあった福島にある装飾横穴を見にいってきました。公開横穴以外にもいくつかの装飾横穴を見ることができ、とても充実した旅行になりました。
10/13:早朝に水戸を出発し、まずは福島の泉崎横穴を見学しました。狩りをする人、動物、渦巻き状の円紋などが鮮やかな朱で描かれていました。保存状態も良好で、肉眼でも十分認識できました。
泉崎横穴。側壁や天井も見たかった。
泉崎を後にしていわき市にある中田横穴へ向かいましたが、時間に余裕があったので宮ノ前古墳に寄り道しました。
宮ノ前古墳、切り石で形成された石室。
いわき市の海岸近くに中田横穴はあります。ここは有名みたいで多くの人が見学にきていました。朱と白で連続三角紋が描かれてありますが、遠かったのとガラスが汚れていたのが少し残念でした。
中田横穴。玄室に入ってみたかった。
中田横穴のすぐ近くの海岸に餓鬼堂横穴があります。崖の中腹に開口しており、現在は擁壁工事により大半が潰されていますが、装飾が施されてある数基のみ保存(放置)されてあります。数年前、崖に足場を組んで一般公開されたそうですが、クライマーには足場なんて必要ありません(笑)。ブッシュをかき分けて登っていきましたが、残念ながら横穴はべニア板で封鎖されてありました・・。
赤矢印が横穴。左右とも封鎖されてありました(泣)。
いわき市を後にして北上しました。不謹慎なのは重々承知の上なのですが、原発事故周辺がどうなっているのか興味津々でした。帰還困難区域内はゴーストタウンの様相を呈しており、その悲惨な状況は想像をはるかに超えていました。郊外の国道沿いでこの有り様ですから、市街地はどうなっているのでしょう。はたして生きている内に清戸迫横穴を見学できる日がくるのでしょうか?
国道の沿線はすべて封鎖中。
南相馬市に入り、浪岩横穴を訪問。ここも足場の悪い急な崖に横穴が開口しています。A11号に赤と白で小さな円紋が描かれていました。開放してあるのはありがたいのですが、そのせいで保存状態が良くないのも事実です。
浪岩横穴。保存を考える時期にきていると思うのだが・・。
10/14:南相馬市内に宿泊。翌朝、羽山横穴へ行く前に桜井古墳を見学しました。80m近くある大きな前方後方墳で、見事なまでに復元整備されてありました。
桜井古墳。ドローン購入を固く決意しました。
羽山横穴にも美しい装飾が保存されてあり、とても楽しみにしていました。保存施設内に入るとガラス窓がびっしりと結露しており何も見えず・・。はるばる九州からやってきたのにこれかョ、と思っていると、係の方が気前よく窓を開けてくださいました。
羽山横穴。直に見ることができて感激しました。
羽山を後に水戸へ戻りましたが、途中にある十王前横穴と幡バッケ横穴に寄りました。十王前横穴は装飾のある横穴は板で封鎖されてありガッカリ。一方封鎖されてあると思っていた幡バッケ横穴はオープンになっていましたが、落書きが多くてどれが本物の線刻か自信がもてず。
十王前横穴。横穴墓にも片袖があるのか?
幡バッケ横穴。大きな鳥が描かれてあるが・・。

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